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中小企業の生産性を向上させるオススメのクラウド活用

どの企業も自社の利益を最大化させるために労働生産性を向上させたいと考えています。“労働生産性(以下、生産性)”とはそもそも何かをご存知でしょうか?

生産性とは、企業が持つ資産(リソース)を活用してどれほどの価値を生み出したかを意味しています。生産性にもいくつか種類があり、よく使用されるのが労働時間に対しどれくらいの価値を生み出したかというものです。OECD(経済協力開発機構)が毎年発表している調査ではこの指標が使われています。

同機構の調査によると、昨年の日本の「時間当たりの労働生産性」は46ドルでした。これは米国の3分の2程度の水準であり、OECD加盟35ヵ国中では20位、主要先進7ヵ国で見ると最下位。1970年以降この低水準が続いており、実は日本は世界的に見ても生産性が低い国なのです。

もちろん、このデータだけで日本全体が非効率的な働き方をしているとは言い難いでしょう。実際にこのデータに対して間違っていると指摘する意見も多く、その内容についても納得できるものもあります。

しかし実際のところ、生産性が低いことに頭を抱えている経営者やリーダーも多いはずです。なぜ我が社は生産性が低いのか?なぜ伸びないのか?などと考え込んで答えを出せずにいると、次第に組織や従業員のせいにしたり間違った施策に走ってしまう危険性があります。

本稿では「中小企業における生産性向上のポイント」をテーマに、その方法についてご紹介します。

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生産性が低い原因は組織でも、従業員でもない…

生産性が低い原因を組織や従業員のせいにするのは簡単です。しかし、そうしたからといって確実な打開策を考案し、生産性を向上させることはできません。むしろ従業員から反感を買ったり、生産性がさらに低下してしまう原因にもなりかねません。

では、生産性が低い原因とは何でしょうか?

その理由はその企業に生産性を向上するための“仕組み”が無いことです。こう言うと「そうか!ならば従業員に1人1案ずつ業務改善案を出すよう命じよう!」と考えてしまいがちです。実際にこれを実行している企業もありますが、効果的な業務改善案が提示される可能性は低いと言えるでしょう。

もっと具体的なことを言うと仕組みとはいわば“ITシステム”のことです。「なんだ、結局ITを導入しろという話か…」と思われるでしょう。しかし、今や生産性向上とITシステムは切っても切り離せない関係にあります。

業務改善とは」の詳細はこちらでもっとご参考にしてください。

時代の変化によるIT投資の必要性

現在生産性に悩んでいる経営者の方に問いたいことは、現時点で生産性向上に向けた対策やツールは果たして何も行っていないのでしょうか?ということです。中小企業の多くは従業員各人にOfficeツールを与えていますし、会計ソフトや販売ソフトといった業務に不可欠なソフトウェアも導入していることでしょう。紙の帳簿を使った会計業務を行ったりしているところは少ないはずです。

つまり、多くの企業は現時点で出来る限りの生産性向上策を取っています。そのため生産性向上のためにいくら頭を悩ませても、それ以上の対策を取ることが難しいと考えてしまいがちです。

2017年10月に開催された未来投資会議構造改革徹底推進会合「地域経済・インフラ」にて経済産業省が配布した資料によると、近年は改善傾向にあるものの20年平均で中小企業は製造業、非製造業ともに生産性は低下しています。その一方では、大企業は生産性を向上しており中小企業との格差が拡大しつつあります。

ただし同資料では、そうした中でも生産性向上に成功している中小企業はあると指摘しています。それがIT投資に積極的な中小企業です。実際のデータを見ると、生産性が平均下の大企業の年間IT投資金額が平均9,780万円なのに対し、生産性が平均以上の中小企業は年間平均1億8,200万円のIT投資を行っています。さらに1人あたりの賃金が高くなっている傾向もあります。

このデータから読み取れることは「IT投資に積極的な中小企業は生産性が高い」という事実です。

IT投資にも色々ある…。何に投資したらいいの?

生産性向上のためにIT投資への重要性は理解しつつも、一体何に投資すればいいのかと悩む経営者は多いでしょう。確かに一通りのIT投資を行って来た企業にとっては投資先が見つからないかもしれません。

そのような企業にとってどういった投資先が最適化かすぐには分かりませんし、知識が無いままIT投資に取り組んでも失敗に終わる可能性が高いでしょう。

そこでまず優先的に投資を考えるべきITシステムについて紹介すると、それは“クラウドサービス”です。クラウドサービスとはインターネット経由で提供されるITシステムのことで、パソコンとインターネット環境さえあれば使用できます。

そのため場所による制約がなくなり働き方改革にも貢献できます。また、クラウドサービスは一般的にはメンテナンスは事業者が行うため、自社のIT要因の確保などは必要ありません。もちろんIT運用も必要なくなることから、自社のコアコンピタンスに集中できるメリットがあります。さらに、通常のITシステム導入に比べて初期投資が非常に少ない特徴があります。中小企業にとっては人材確保が大きな課題として挙げられますが、IT人材が不足していたり、あるいは確保していない中小企業でもクラウドサービスであれば大いに活用できます。

クラウドサービスの代表的な種類

ただしクラウドサービスの中にも多数の種類があり、提供されている製品も多く存在します。そのため適切なクラウドサービスを見極めて、製品比較をしっかりと行って導入するというポイントは通常のITシステム導入と変わりありません。

参考として主要なクラウドサービスを列挙しておきます。

  • クラウドストレージ…パソコンで作成した資料、その他画像などのデータをインターネット上に保存し、組織で共有可能な状態にする
  • ビジネスメール…通常パソコンにインストールするOutlookなどのメールソフトをインターネット経由で使用する
  • Web会議システム…パソコン画面を通じて遠方にいる相手とも対面したコミュニケーションが取れる
  • チャットツール…電子メールよりも素早いメッセージのやり取りができ、ちょっとした会議や情報共有に最適
  • クラウド会計ソフト…インターネット経由で提供される会計ソフトであり、簡易的な機能で会計業務を支援する
  • クラウドERP/クラウドCRM…財務や営業、製造など経営上欠かせないITシステムの数々をインターネット経由で統合的に提供する

中小企業の生産性向上にクラウドERP/CRMを

数あるクラウドサービスの中でも特に生産性向上効果が高いものが “クラウドERP/CRM”です。クラウドERPは、企業の業務アプリケーションを包括した全体を最適化するためのシステムです。従来では多額な費用が必要であったERPも最近ではクラウドERPの台頭により初期投資を非常に抑えながら運用負担も少なくして、統合的なITシステム環境を導入できます。

会計ソフトウェアなどを部門ごとに個別に導入していた企業では、システムがサイロ化された状態で運用されるため、経理部門と営業部門との連携は人手によるものであったりします。それに対して全体最適が可能なクラウドERPおよびCRMは、事前に連携が取れているため、組織全体の業務効率化に貢献し、生産性を大幅に向上してくれるようになります。IT投資で生産性向上を目指す際は、ぜひクラウドERP/CRMの導入をご検討ください。

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