CRMツールの導入を考えているなら、まずは大手企業の製品はチェックしておきたいところです。ツールによって機能や価格が異なるため、自社にあった製品を選びましょう。CRMツールを選ぶためのポイントや、事前準備なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
CRMの鉄板ツール3選
CRMとは「顧客関係管理」を意味し、顧客情報や取引内容、商談内容などを一元管理できるツールのことです。顧客情報を活用すると、個々の人に最適なマーケティング活動ができるため、CRMを導入する企業は年々増えています。それに伴いCRMツールも増えているため、どの製品を選べばいいのか迷うこともあるでしょう。そこでまずは、多くの企業に選ばれている大手有名企業のCRM製品をご紹介します。
Microsoft Dynamics 365(Microsoft)
Microsoft Dynamics 365は、Microsoft社が提供しているクラウド型のCRMツールで、基幹業務を管理するERP機能と連携できるのが大きな魅力です。
ERPは生産や販売、購買の管理、人材・労務、財務など、経営の基盤となる「ヒト・モノ・カネ」を管理するツールです。顧客管理であるCRMとERPを連携することで、情報をより効率的に活用できるようになります。
またMicrosoft社のツールなので、普段使い慣れているOffice製品とも連携がスムーズです。メールや予定表から情報を自動的に同期できたり、反対にExcelに情報を落とし込んだりということも容易にできます。企業のあらゆる情報を一元管理でき、また普段使い慣れているツールを組み込めるため、利用者の負担も少ないでしょう。
クラウド型のツールなので、どこからでもアクセス可能な点も便利です。顧客情報の管理だけでなく、プロセス管理にも優れているため、チーム間での情報共有にも活用できるでしょう。
Sales force Sales Cloud(セールスフォース・ドットコム)
世界中でトップクラスのシェアを誇るCRMツールのひとつが、「Sales force Sales Cloud」です。セールスフォース・ドットコムが提供している製品で、CRMの機能に加えてSFA(営業支援)の機能が充実しており、既存客の管理だけでなく新規顧客の発掘にも活用できます。
Slackとの連携も可能なので、社内だけでなく社外のパートナーともスムーズに情報共有できます。またクラウド型のため、モバイルアプリを利用すると、社外からでもCRMの管理や更新が可能です。顧客情報や商談管理のほか、売上予測の機能も備えており、迅速で円滑な営業活動をサポートします。
Oracle Sales Cloud(日本オラクル社)
オラクル社が提供しているクラウドサービス「Oracle Sales Cloud」は、従来のCRMシステムに加えて営業支援の機能が充実しており、世界各国1,000社の組織で利用されています。
特に、テリトリー分析や売上予測の機能が強化されているのが特徴です。見込み客のフォローや、テリトリー(担当顧客)分析で、マーケティング活動をサポートしたり、予測データを基に売上目標や営業配置をしたりなど、より効果的な営業活動を支える機能が備わっています。膨大な情報を管理、分析することが得意なので、情報を売り上げに活かしきれないという悩みに応えてくれるツールです。
CRMシステムを選ぶときのポイントは?
CRMツールによって機能や価格はさまざまなので、自社に合う製品を選ばなければなりません。そこで何を基準に選べばいいのか、CRM製品の比較ポイントを確認しておきましょう。
クラウド型かオンプレミス型か
CRMにはクラウド型とオンプレミス型があります。クラウド型とはインターネット回線を利用したサービスのことで、オンプレミスとは自社のサーバーにインストールして利用するタイプです。
オンプレミス型はカスタマイズ性やセキュリティの面で優れていますが、初期費用が高額で、導入までに時間を要します。また社外での利用が難しいため、スピーディな連携が難しいという側面もあるでしょう。
一方クラウド型は、外出先からでも気軽にアクセスが可能です。初期費用のコストも低く抑えられ、メンテナンスの必要もほとんどありません。月額のコストは発生しますが、企業の規模に合わせたプランを選べます。
近年ではテレワークの影響もあり、社外で利用可能なクラウド型を選ぶ企業が増えています。
既存システムとの連携が可能か
すでに社内で利用しているシステムと連携できるかという点も大きなポイントです。たとえば生産や販売システムなどとうまく連携が取れないと、在庫や納期がわからず販売機会を逃すこともあるでしょう。
また、メールやスケジュールの内容を自動的に取り込むといった連携が自動的に行われると、二重入力の手間を省け、業務効率が上がります。新しいツールを社員に十分活用してもらうためにも、既存システムとの連携や使いやすさも考慮してツールを選びましょう。
導入事例や実績を確認する
いくら優れた機能を備えたツールでも、自社に合っているとは限りません。そのため、同業種や同じような悩みを抱えている企業に導入されているかをチェックすることがおすすめです。
導入実績を見ると、自社に導入した場合のイメージが付きやすくなります。スムーズな運用ができそうかだけではなく、自社の目的には合っていない、費用が高額すぎるといった問題点も発見できるでしょう。
CRMシステム導入前に必要な準備とは?
CRMツールを選定したり導入したりする前に、まずは自社で確認しておかなければならないことがあります。CRMツールを効果的に活用するためにも、必ず事前に準備しましょう。
CRM導入による戦略・目標の策定
CRMツールは自社に合った製品を選ぶ必要があるので、何のためにCRMを導入するのか、自社の課題や目的をまずは明確にすることが重要です。たとえば既存顧客からの売上アップを目指すのか、クレームを削減して顧客満足度を高めたいのか、目指す目的によって適しているCRM製品も異なります。
目的があいまいなままCRMツールを導入しても、思うような効果を得られないことも少なくありません。後になって「こんな機能があったら良かったのに」「機能が多すぎて使いこなせない」といった結果を避けるためにも、導入前に明確な目標や戦略を立てましょう。
社内体制の整備・スケジュール決定
CRMの導入を円滑に進めるためには、事前の社内整備が必要です。現場の意見を無視して導入を進めても、面倒な手間が増えたと認識され、積極的に活用されない恐れがあります。それを避けるためには、CRMツールの目的やメリットについて、社内で事前に共有しておくとよいでしょう。
既存システムと連携しやすいツールを選んだり、繁忙期を避けて導入スケジュールを組んだりして、なるべく現場の負担を軽くするとスムーズに導入できます。導入推進チームを立ち上げて進めていくのもおすすめです。
サービス検討のための機能・予算確認
CRMの目的や必要な機能を把握するには、関連部署にヒアリングして、自社の課題を洗い出す必要があります。CRMはあらゆる情報を共有するツールなので、一部の部署ではなくCRMに関連するすべての部署にヒアリンスすることで、より課題が明確になります。課題や目標が定まれば、必要な機能もはっきりするでしょう。
そのほか予算の設定も必要です。CRMツールによって料金形態は異なりますが、企業の規模や目的によって必要な機能は異なります。自社に必要な機能と予算に合致したツールを選べるよう、あらかじめ予算の目安も立てておきましょう。
まとめ
CRMツールを選ぶには、自社の目的に合った機能を備えているか、また既存システムとの連携が容易か、といったポイントを押さえなければなりません。大手CRMツールの一つである「Microsoft Dynamics 365」は、普段使い慣れているOffice製品とも連携しやすいため、導入の負担を軽減できます。また基幹業務を管理するERPとの連携も可能で、より効率的な情報活用が可能です。CRMツールの導入を考えているなら、ぜひ詳細を確認してみてはいかがでしょうか。