2018年後半にリリースを待つOffice 2019。前バージョンから3年越しのリリースとなり、Office 2016にはなかった様々な機能が実装されます。では、その価格はいくらなのか?詳細情報はまだ発表されていないので予測になりますが、ボリュームライセンス版のOffice 2016 Standardが1ライセンスあたり4万9,000円だったことを考慮すると同じ5万円弱程度で提供されるのではないかと考えられます。
ただし、Office 2019を導入する方法はボリュームライセンスを購入するだけではありません。マイクロソフトが提供するクラウドサービスのOffice 365を契約することで、Office 2019を導入することができます。
今回はOffice 365の価格も含め、永続ライセンス型のOffice 2019とサブスクリプション型のOffice 365の違いについてご紹介します。
永続ライセンスとは?サブスクリプションとは?
Microsoft Officeの提供形態は大きく分けて3つあります。一つは永続ライセンスといって必要な分のライセンスを購入し、パソコンにインストールするものです。購入コストは割高ですが、一度きりの購入でMicrosoft Officeのすべての機能が永年使えるため、企業がMicrosoft Officeを導入する際は永続ライセンスが一般的でしょう。
二つ目の提供形態はMicrosoft Officeがプリインストールされたパソコンを購入するといものです。市販されているパソコンの中には予めMicrosoft Officeが搭載されていたり、オプションとして付けることができます。プリインストールされたMicrosoft Officeも永続ライセンスと同様に一度きりの購入ですべての機能が永年使える上に、継続的に新しい機能が追加されていく特徴があります。ただし、Microsoft Officeがプリインストールされたパソコンでしか使用できないという注意点もあります。
三つ目の提供形態はサブスクリプションです。サブスクリプションとは定期契約という意味で、ライセンスを購入するのではなく継続的に契約することでサービスとして利用します。これはOffice 365だけの提供形態であり、ユーザーはサブスクリプションを契約している限りMicrosoft Officeの機能をフルに利用できます。
さらに、永続ライセンスとサブスクリプションの特徴を掘り下げてまとめてみます。
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永続ライセンス |
サブスクリプション |
支払い |
一度きりの購入 |
継続的な契約 |
利用期限 |
永年 |
契約期間中 |
アップデート |
独自に対応 |
自動的に対応 |
機能 |
固定 |
継続的に追加 |
インストール台数 |
パソコン2台、モバイル2台 |
パソコン5台、スマートフォン5台、タブレット5台 |
価格帯/1ライセンス |
4万9,000円~6万6,900円 (Office 2016参照) |
540円~3,810円 (月額ベース) |
管理方法 |
管理サーバーから |
ブラウザ上の管理センターから |
提供アプリケーション |
Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNote、Access、Publisher |
永続ライセンスで提供するアプリケーションに加えてExchange Online、SharePoint Online、Skype for Businessなど多数 |
ライセンスの削減 |
できない |
できる |
以上のように、永続ライセンスとサブスクリプションとはほとんどの部分で違いがあります。
Office 365の価格はいくら?
それではサブスクリプションとして提供されているOffice 365の価格についてご紹介します。Office 365はビジネス向けに7つのプランを提供しています。どのプランを契約するかによって利用できるアプリケーションが異なります。
プラン |
価格(1ユーザーあたりの月額料金) |
Office 365 Business Essentials |
540円 |
Office 365 Business |
900円 |
1,360円 |
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Office 365 ProPlus |
1,310円 |
Office 365 Enterprise E1 |
870円 |
Office 365 Enterprise E3 |
2,180円 |
Office 365 Enterprise E5 |
3,810円 |
これらのプランのうち、Officeアプリケーションをサポートしているのは、Office 365 Business、Office 365 Business Premium、Office 365 ProPlus、Office 365 Enterprise E3、Office 365 Enterprise E5の5つです。他2つのプランに関してはOfficeアプリケーションのサポートはなく、Exchange OnlineやSharePoint Onlineなどグループウェアアプリケーションのみの提供になります。
OfficeアプリケーションをサポートしているOffice 365プランを契約すると、ユーザーは最新版のMicrosoft Officeを任意のデバイスにインストールできます。現時点での最新版はOffice 2016なので、Office 365向けのOffice 2016が利用可能です。
「Office 365向けのOffice 2016」と表現する理由は、永続ライセンス型のOffice 2016とは機能面で多くの違いがあるからです。前者はブラウザ経由で多数の機能追加や仕様変更がされているため、厳密に言えば永続ライセンス型のOffice 2016とはまったく違ったものです。そのためOffice 365向けのOffice 2016の方がより最新版ということになります。
実は、Office 2019で実装される新規機能の数々は、Office 365向けのOffice 2016ですでに実装されているものがほとんどです。つまりOffice 2019は永続ライセンス型のOffice 2016には実装されなかった新機能を、Office 2019にて保管するという位置づけにあるようです。そのためかOffice 2019のサポート終了時期はOffice 2016のサポート終了時期と一致しています。
Office 2019が正式にリリースされればOffice 365でも最新版のMicrosoft Officeとしてインストールが可能になります。追加費用はありません。1ユーザーあたり月額900円~3,810円でOffice 2016が利用できるということです。永続ライセンス型ならば1ライセンスあたり5万円弱はかかると予測できるので、どちらの導入するのがメリットが大きいかを十分に検討することが大切でしょう。
まとめ
Office 365は最新版のMicrosoft Officeだけでなく、その他にも様々なアプリケーションを利用することができます。そのため、永続ライセンス型のOffice 2019とは表面上の価格だけでは比較しきれない部分も多いでしょう。Office 2019の導入を検討する際は、Office 365が提供する各プランの特徴も捉えた上で、自社にとって最適な導入形態をご検討いただきたいと思います。