Microsoftがビジネス向けに提供しているサービスは非常に多く、時に混乱することもあるかと思います。その中で今回紹介するのは「SharePoint(シェアポイント)」と呼ばれるサービス。十数年以上前から提供されているので名前だけなら知っているという方は多いのではないでしょうか?
では実際にどのようなサービスなのか?近年多くの企業に導入されているサブスクリプション型サービスOffice 365とは何が違うのか?
SharePointって何?
SharePointは言わば「ファイル・情報共有サービス」であり、業務におけるファイルや情報を全て一つのシステムに集約することができます。これによりファイル・情報共有に効率性が生まれ組織内のコミュニケーションや業務を円滑にするのです。
ビジネスにおいて重要な機能としては以下のようなものがあります。
- チームサイト
ポータルを簡単に立ち上げることができるので、掲示板などの情報共有スペースをチームごとに作成可能 - ワークフロー
メールでのコミュニケーションでは煩雑化しやすいワークフローをシステム上で完結 - エンタープライズ検索
全文検索でファイルだけでなくシステム上の様々な情報を見つけることが可能 - コンテンツ管理
ファイルはバージョンごとに管理がされているので最新版の確認や修復が簡単 - アンケート
簡単に作成・集計できるアンケート機能で社員の声を吸い上げる - 外部共有
外部ユーザーを招待することで組織外の人ともファイル・情報共有が可能 - 共同作業
システム上に保存されているOfficeファイルはチーム内で共同作業が可能
簡単に機能を紹介しましたが、すべての機能はビジネスシーンに最適化されています。SharePointがあることで情報のやりとりが加速し業務の“ムダ”や“ムラ”を削減することにつながるでしょう。
Server製品とOnline製品
SharePointでは社内システムとして構築するサーバー製品と、クラウドサービスとして利用するオンラインサービスの2つがあります。
大きな違いはサーバー設置の必要性でありSharePoint Onlineはクラウドサービスのためサーバーを必要としません。(システムはマイクロソフトのサーバーで稼働しています)運用業務が大幅に削減されることから導入率が伸びていますが、SharePoint Serverは古くから提供されていることもあり根強い人気があります。
ちなみに最新版はSharePoint Server 2016であり、前バージョンから大幅な機能追加がされているので注目です。
「SharePoint Online」について詳しくご覧ください!
Office 365との違い
ここでOffice 365との違いですが、まずOffice 365とは“SharePointを含みOfficeやExchange Onlineといったサービスを包括的に提供するソリューション”です。
ですので明確な違いとしてはSharePointを単体で契約するか、あるいはその他の機能も含めて契約するかとなります。
一応Office 365のプランを簡単にまとめてみると以下のようになります。(300人以下の組織向けプラン)
上記の表からSharePoint Onlineを包括しているのはBusiness EssentialとBusiness Premiumの2プランであることがわかります。後者の方がOfficeをインストールできることから料金が上がっていますね。
Business EssentialではOfficeはインストールできないもののオンライン版は使用でき、なおかつその他のアプリケーションをすべて使用可能です。
SharePoint Onlineの料金
気になるSharePoint Online単体での料金ですが、プラン1が540円/ユーザーでプラン2が1,090円/ユーザーとなっています。
プラン1では基本機能を押さえているもののエンタープライズ機能やコンプライアンス対応などには対応していないので、より高い効率性を求めるのであればプラン2の導入が必要になります。
モバイルでも使用可能になっていた
実はSharePointはさらなる効率化のためにモバイルアプリも無償で提供されており、現在ではiOSで利用可能となっています。Android版とWindows Universal版(Windows Phone向け)は2016年の第4四半期リリース予定ですので要チェックですね。
SharePoint OnlineとOffice 365ではどっちがお得?
ここまでSharePointの概要とOffice 365との違いを解説してきましたが、結局のところどっちがお得でメリットが大きいのかという点が気になるかと思います。
やはりおすすめしたいのはOffice 365ですね。
Share Point以外のアプリケーション
まず、SharePoint以外のアプリケーションが非常に豊富です。
ビジネスツールとして基本的なOfficeやビジネスメールのExchange Online、Web会議のSkype for Businessなどさらなる業務効率化やコミュニケーションの活発化を支援してくれます。
料金に至ってもSharePoint Onlineプラン2とOffice 365 Business Premiumを比較すると月々250円/ユーザーの差ですので、この料金差で包括的なサービスを利用できるのは非常に魅力的ではないでしょうか。
Office 2016も使い放題でインストール台数は最大15台も
極めつけはOfficeにあり、最新バージョンのOffice 2016を使用できるのはもちんのことなんと最大15台のデバイスにインストールすることができます。
PC・スマートフォン・タブレットに最大5台ずつインストール可能ですので、Officeライセンスのコスト削減にも繋がるでしょう。
上記以外にもOffice 365には様々なメリットがあります。もちろんSharePoint Online単体でも多くのメリットがあるのですが、やはり全体的な効率化などを考えるとOffice 365に軍配が上がりますね。
まとめ
皆さんの組織ではサーバ環境とクラウド環境どちらの方がニーズが高いですか?もしもクラウド製品に対するニーズが高ければ、SharePoint Onlineで情報共有を強化するのはかなり有効的な選択肢です。さらに言えば、Office 365はもっと有効的な選択肢かと思います。
ただし企業ごとに抱えている課題も異なるのでその点はじっくりと検討した上で導入の可否を判断していきましょう。
本記事でSharePointとは何なのか?Office 365との違いは何か?をできる限り多くの方が理解して頂ければ幸いです。