Power Automateの利用を検討している、あるいは利用している中で、基礎的なことを理解しているでしょうか。フローやRPAといった機能、その利点など、Power Automateを利用するうえで理解しておくべきことです。
今回は、概要の説明を行うとともに、フローやメリットに焦点を当てて、Power Automateについて詳しく解説します。効果的に利用するために、改めて基礎的なことから理解してみてはいかがでしょうか。
Power Automateとは?
Power Automateとは、RPA(ロボティクス プロセス オートメーション)機能のことです。定義したワークフローに従って自動で動作するサービスであり、多彩なアプリケーション、クラウドサービスで連携を行うことができます。
日常的に行われているタスクは自動化するのがもっとも効率的です。しかしながら、そのために新しいシステムの開発やテストに工数や人材コストをかけるのは効果的ではありません。そのような観点からPower Automateを導入し、自動化してしまうことで、少ないコストで最大の効率化を得ることができるでしょう。
Power Automateではアテンド型、非アテンド型といったRPAの種類を選択することができます。扱いやすく効果的なRPAを活用して、効率化を図るのに役立てることが可能です。
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最近よく聞く「Power Automate」って何?その概要を5分で解説!
Power Automateはフローが必要不可欠
Power Automateはフロー作成が必要不可欠です。どのような流れで物事が進んでいくのか、自動化といってもそれらの流れは人間が作る必要があるでしょう。
まずは、Power Automateに必要不可欠なフローについて解説します。
フローとは?
フローという言葉はさまざまなところで利用されています。「フローチャート」や「データフロー」「テンサーフロー」などフローという言葉は流れという意味を持っているといえるでしょう。
では、Power Automateにおけるフローとはなんでしょうか。結論から述べると「一連の作業の流れ」を指しています。フローとは流れという意味を持つと述べたように、Power Automateにとってもその軸は変わりません。
Power Automateによって、フローを作成する中で「トリガー」と「アクション」という項目が存在しており、フローはこの2種類から構成されているといえます。トリガーは「午前9時になった」などのいわゆる条件です。アクションは「指定の人物にメールを送信する」などの動作を指しています。
フローは基本的にこの2種類で構成され、一連の作業の流れとして存在しているといえるでしょう。
クラウドフロー
Power AutomateというRPA機能はフローがなければ効果的な運用ができません。ここではフローの一つである「クラウドフロー」について解説します。
Power Automateの特徴はアプリケーションだけではなくクラウドサービスを自動化させることも可能です。つまりクラウドフローは、クラウドサービスの自動化を目的とした機能となります。WebアプリケーションはAPIが公開されていることが多くあり、それらのサービスに利用されるのが、クラウドフローです。
APIを利用するためには、基本的にはソースコードの記述が必要なのですが、Power Automateではソースコードの記述を不要にするために、あらかじめGUIで簡単に連携できる機能を実装しています。これをコネクタと呼んでおり、多彩なコネクタによってクラウドフローを柔軟に実現しているのです。
デスクトップフロー
クラウドフローの対となるデスクトップフローについて解説します。クラウドフローがクラウドサービスの自動化であったことからわかるように、PC上の操作の自動化がデスクトップフローです。従来のRPAと大きな違いはありません。
PC上のファイルおよびアプリケーションの操作や、Webブラウザの操作を自動的にすることが特徴です。そのためPC上のアプリケーションを利用するためにはデスクトップフローを選択することとなります。
一方、クラウド上のサービスを利用する場合にはクラウドフローの役割となるため、ローカルのPCであるのか、クラウド上の存在であるのかは重要です。
基本的なフローの作り方
フローを作るための簡単な流れを解説します。基本的には企業で利用することを想定し、まずは、最終的に誰に承認をしてもらうかを決めるため、上司の設定を行います。
フローの開始は非常に簡単で、SharePointによってリストを作成することで、自動でフローの作成が開始される仕組みとなっているのです。リストが作成されるとPower Automateでフローの作成を行います。ここではどのような流れによって動作が行われるのかを設定する必要があり、フローチャートを考えてもらうのがわかりやすいでしょう。
フロー名、条件となるトリガーを選択し、作成を押すと自動で次の項目に進みます。上司に対して承認を行うフローを設定していると、当然上司の承認の返事が返って来るため、その条件分岐も考える必要があるでしょう。それらを設定することで一連の作業の流れが完成します。これがフローの作成の基本といえるでしょう。
Power Automateを導入するメリット
Power Automateは基本的な部分ではRPAと同じであるといえます。しかしながらクラウドフローなどが存在していることから、従来のRPAからの発展系とも考えることができるでしょう。導入のメリットについて解説します。
直感的に操作できる
RPA製品の中でPower Automateが特徴的であるといえる部分が、テンプレート機能が存在していることです。基本的にユーザーの希望によってその動きを変化させます。そのためテンプレート化をするということが考えられてこなかった一面があるでしょう。
しかしながら、Power Automateはテンプレートを用意することで、誰でも使いやすいようにしているだけではなく、効率的に作成することを可能にしています。また、直感的な操作によるユーザーインターフェースによって、学習コストを低減することが可能でしょう。
人的ミスがなくなる
自動化を行うことができるPower Automateを導入することによって人的ミスを減らすことができます。フローの作成時点で、対象者を機械的に設定することや、同じことを繰り返すような作業の中でもターゲットを変えるだけで、人的なミスを一つでも減らすことに貢献することができます。
ルールが決まっている業務については、確実にミスを減らすことができるでしょう。また、人的ミスを回避するためのダブルチェックをなくすことができるため、事業効率化に直結します。
業務の効率化が図れる
RPAの利点は繰り返すような業務に対して、人の手を使わず、そして簡易に設定ができることです。これによって、本来取り組むべき業務に対して時間をかけることが可能となります。今までは日常的に行う必要があった業務でも、自動化によって省略することができ、その分本来の業務に対して注力することができるでしょう。
これは業務の効率化につながるだけではなく、自動化によって今後同じ業務をする必要がなくなるため、それだけの時間を別の業務に当てることができます。定期処理など自動化できる業務は自動化してしまうことをおすすめします。
Dynamics 365を導入すればPower Automateが無料で使える!
Power Automateの導入を考えている場合に、すでに「Dynamics 365」を導入していれば無料で利用することが可能です。とはいえ「Dynamics 365」のことを知らない人も多いでしょう。まずは、理解して、効率化に役立つことを知ってみましょう。
Dynamics 365とは?
「Dynamics 365」はERPビジネスアプリケーションです。営業の支援、顧客サービス、フィールドサービス、マーケティングのすべてをスムーズに連携することを掲げています。連携させることで、顧客情報などを効果的に共有することや活用することを可能にするオールインワンソリューションといえるでしょう。
「Dynamics 365」を導入することで、顧客情報などは一元化されます。部署や顧客のフェーズによって独立して管理していた情報を、統合することで、開発、生産、企画、あらゆる部門が情報を共有し、営業ではタイムリーに情報を把握することで、効率的に営業の展開を行うことが可能になります。
クラウドだけではなく、オンプレミスにも対応していることで、企業の体制にあった運用を期待することができるでしょう。
Dynamics 365のメリット
導入メリットの一つはExcelやWordなどの製品と連携が取れるということでしょう。通常利用している製品から情報取得ができることや、新たな学習を行う必要がないといえます。
オンプレミス型とクラウド型を選択できることも大きなメリットです。まずはクラウドで試してから、オンプレミス導入を検討しても良いでしょう。サーバー構築や維持費を考えればクラウド型をおすすめしますが、企業の環境によって選択することができます。
また、クラウドを利用すれば場所や端末を選ぶことはありません。そのためテレワークなどにも十分な対応が可能でしょう。
まとめ
RPAの機能を持ち、クラウドにも対応したPower Automateの解説から概要やメリットについて述べてきました。自動化することや情報の一元化によって、業務はさらに効率化され、利益を上げていくでしょう。
昨今ではDX化が推進されているため、効率化につながるアプリケーションの導入はいずれ行うことになるでしょう。クラウドフローやデスクトップフローを選択的に作成できる「Power Automate」を導入して、効率化を図ってみてはいかがでしょうか。