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BPRとは?その基本や進め方のポイントを解説

近年、ビジネスの場においてはグローバル化や働き方改革などが盛んに行われています。それに伴って競争も激しくなり、企業活動さらに多様化したと言えるでしょう。経営環境は常に変化するため、それに対応するためにもBPRは不可欠であり、新たにBPRの導入を検討する企業は増加傾向にあります。

しかしBPRのメリットや手法を正しく理解している担当者は少ないのではないでしょうか。業務の流れや環境に、本格的にメスを入れることは簡単ではありません。

そこで今回は、BPRの概要についてわかりやすく解説したうえで、導入のメリットや進め方を詳しく解説します。

BPRとは?その基本や進め方のポイントを解説

Microsoft Dynamics 365概要

BPRとは

まず、BPRの意味と概要を確認しておきましょう。BPRは、「Business Process Re-engineering(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」の略で、日本語訳すると「業務プロセスの改革」です。

業務環境を整備し、従業員が働きやすいプロセスやルールを作っていくことは、企業経営における重要な課題の一つです。競争に勝つためには、業務プロセスの見直しについて日頃から考える必要があるでしょう。

企業は日々の業務を行ううえで、現在浸透しているルールやシステム、業務内容そのものを最適化し、働きやすいように改善に努めています。この活動や考え方が、BPRです。

BPRが行われる背景

なぜ、企業はBPRを行うのでしょうか。ニーズが高まった背景や理由、その重要性について考えてみましょう。BPRは、以下のようなポイントと深い関わりがあると考えられます。

  • 生産性を向上させようとする流れ
  • 長時間残業や休日出勤の解消
  • ワークライフバランスの実現

これらによって、「働き方改革」が多くの企業や組織で実施されるようになりました。これが、BPRの重要性が強まった大きな理由です。

長時間労働を増やすばかりでは生産性向上には限界があり、それどころか従業員に無理を強いることでワークライフバランスを実現できません。

業務プロセスが最適化されなければ業務の効率化は難しく、無駄な長時間労働や人員コストなどが発生することになります。職場におけるハラスメントや過労死などが社会問題となり、いわゆる「ブラック企業」の存在が問題視されるようになったことが大きく関わっているのです。

BPRを行うメリット

現在の業務内容やフローを見直すというBPRには、多くのメリットがあります。そのメリットを一つずつ詳しく見ていきましょう。

生産性向上

期待されるメリットの筆頭は、生産性向上につながることです。生産性が向上すれば個々の業務スピードを大幅に速めることができるため、従業員の負担軽減や製品の品質向上にもつながります。

BPRが実施されれば、あらゆる業務フローにメスが入ることになります。それによって課題となっているボトルネックを洗い出すことができるため、改善に向けて対策を立てることが可能です。例えば以下のような業務の無駄は、BPRによって洗い出されます。

  • 特定の工程を行う人員が不足している
  • 従業員の知識・スキルが不足している
  • 二度手間で非効率的なフローがある
  • 各種確認フローが不十分になっている

これらの無駄を排除したり最適化したりすることで、業務効率化や生産性向上を実現できるのです。

製品・サービス品質の向上

BPRの実施は、自社で提供するサービスや品質を総合的に向上させる意味でも重要です。業務内容やフローが整備されれば、顧客への提供までがスムーズになり、その分品質を上げるために時間を割くことができます。

「業務プロセスが非効率的なために、製品・サービスの品質自体も低下する」ということは、企業経営における大きな課題の一つです。各工程を見直して、無駄な時間やコストをカットしていかない限り、品質向上につながる創造的なプロセスを入れることはできないでしょう。

製品・サービスの品質が上がれば、顧客満足度の向上につながることは明らかです。結果として信頼性が向上し、さらに製品・サービスを使用してもらえるようになるというよいサイクルが生まれます。

従業員の満足度向上

BPRを実施して業務環境やプロセスを改善していくことは、従業員の満足度を上げることにもつながります。

業務が効率化されて各工程がスムーズになれば、長時間労働などの重大な労働問題も発生しづらくなるでしょう。従業員が一つひとつの業務に集中しやすくなるため、生産性はますます向上するはずです。それは、最終的に顧客満足度の向上という成果をもたらすでしょう。

従業員が働きやすい環境を企業が整備すれば、各従業員が業務に従事する際のモチベーションアップも実現できます。従業員一人ひとりがキャリアアップを目指しやすい環境が作られ、多様化する経営環境に対応できる企業作りに貢献するでしょう。

BPRの進め方

BPRの具体的な手法とプロセスは、大まかにいうと「業務フローの見直し→課題抽出→設計→実施」という流れです。ここからは、各工程におけるBPRの進め方をわかりやすく解説します。

業務フローの見直し

最初のステップは、業務フローの見直しです。「見直し」というと簡単に思えますが、ここで業務フローをしっかり確認しておくと、「誰が、どの業務どのように行っているか」がわかるため、その後のチーム構築やマネジメントにも役立つでしょう。

無駄な業務やプロセスを発見するためには、どのようなポイントが無駄・非効率的となっているのかを俯瞰し、客観的に判断しなければなりません。そのため、まずは業務フローを図や表で表して「見える化」を行います。

ただし、単純に業務フローを可視化して客観的に見るだけでは、課題はなかなか見えてきません。業務プロセス改善に向けて目標とするかたちをあらかじめ決めて、「どんなタスクや業務が必要となるか」「どの部門や業務内容について、BPRの優先度が高いか」などを考えます。

課題抽出

見える化したフローをもとに、いよいよ課題を抽出していきます。

ここで重要なのは、顧客視点と従業員視点の両方から考えて判断することです。顧客と従業員の立場が考慮されたうえで、最適な業務プロセスを見極めるため、各部門の担当者からも意見を募りましょう。顧客・従業員双方の見解を考慮しつつ、判断していきましょう。

課題を抽出する段階ではさまざまな業務のプロセスが可視化されています。これにより、あらゆる課題が見えてきます。例えば「別部門で同じような業務が重複して無駄が生じている」「別のツールを使用しているために、別拠点での確認作業が煩雑になっている」などです。この段階で各プロセスを最適化し、システムやフローを統合・集約することを考える必要も生じるでしょう。

設計

次に、効率的な業務プロセスの設計を具体的に行っていきます。最初は何をどのように整備していけばよいのか、手順がわからないこともあるでしょう。それだけ業務フローが複雑な状態になっており、冗長・散漫になってしまっているケースも少なくありません。そのため業務プロセスを設計する際は、まず優先順位を決めることから始めます。

「どの業務フローを最適化すれば、高い効果が得られるか」という観点で、優先順位を決めていきます。最も生産性向上につながるところからメスを入れて、業務プロセスを整備していきましょう。単純で時間がかかる業務はアウトソーシングするといった判断も、ここでは重要になります。

実施・評価

最後に、設計された新しい業務フローを社内に浸透させていくことになります。業務フローの刷新は社内でも大きな改革となるため、ある程度時間をかけて浸透させていくことが重要です。各部門に対して情報共有を行い、少しずつ浸透させていくことで環境やプロセスは整備されていきます。

また、BPRが当初の目標に対してどれだけ達成されたのか、客観的に評価を行うことも重要です。達成度の評価はあらかじめ期間を設定したうえ、定期的に実施しましょう。

まとめ

IT化が急速に進んでいることもあって、ビジネスの環境は目まぐるしく変化しています。それに伴って企業には業務改革を行うことが求められており、その重要性と効果は非常に大きいと考えられます。業務プロセスがより効率的になり生産性がアップすれば、顧客満足度と従業員満足度とを、それぞれ上昇させることができます。結果、売上・利益の拡大やブランド価値の向上といった好循環も生まれるでしょう。

BPRを実施するための業務改革としては、ERP製品の導入によって基幹システムの統合や見直しを行うことが、非常に効果的です。Microsoft Dynamics 365は各業種のグローバル企業が採用しているERPで、データの統合と連携をスムーズに行い、各部門の業務効率化を実現します。企業の担当者として、Microsoft Dynamics 365導入をお考えなら、ぜひご相談ください。

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