ERP

ERP選定を成功に導く鍵とは?

ERPの重要性は理解しつつも、導入検討を進められない企業は多いでしょう。その理由の大半を占めるのが「ERPの選び方がわからない」というもの。確かにこれまでERPを導入したことのない企業にとって、統合的なシステム環境を一手に導入するERPはまったく「未知の世界」と言っていいほどです。

また、ERP導入は正しいERP選定を行わなければ、導入後の運用でカバーすることが難しいため往々にして導入失敗に陥ります。

ただ、選定ポイントさえしっかりと押さえられていれば、ERP選定はそう難しいものではありません。今回はERP導入を成功するための選定ポイントと、正しい選定手順について解説していきましょう。

≪今回のERP選定ポイント≫

  1. 各部署の責任者を巻き込んで選定を進める
  2. デモやトライアルを確実に実施する
  3. 信頼できる導入パートナーを選ぶ

≪今回のERP選定手順≫

  1. 各部署の現状課題をヒアリング
  2. ヒアリング内容をもとに要件を定義する
  3. 定義した要件を各部署責任者と調整する
  4. ERP導入による業務形態の変化を予測する
  5. 要件をもとにERPをピックアップする
  6. 導入パートナーとコミュニケーションを取る
  7. サポート体制を確認する

まずはERP選定ポイントから解説していきます。

ERP導入で失敗する8つの理由と回避策

ERP選定のポイント

ポイント1.各部署の責任者を巻き込んで選定を進める

ERPはこれまで各部署に点在していた業務システムを統合し、総合的なシステム環境を構築するソリューションです。ですが、各部署が利用する業務システム自体が変わるわけではありません。

営業部署はSFACRMを利用し、経理部署は会計管理システム、人事部署は給与管理システムなどそれぞれに最適な業務システムをERPとして利用します。

CRMとSFAの違いを解説!」の記事で詳しく調べてみましょう!

ERPを経営者視点で導入することが多いことから、経営者や上層部、あるいは情報システムの一存で導入するケースが少なくありませんが、これは大きな間違いです。経営視点で導入するERPも、データ入力などオペレーション業務を行うのは「エンドユーザーであること」を忘れてはなりません。

つまり、正しいERP選定を行うためには各部署の責任者を巻き込んだ上で、ERP要件を部署ごとにドリルダウンする必要があります。

ポイント2.デモやトライアルを確実に実施する

ERP選定において必ず実施して欲しいのがデモやトライアルを利用することです。慎重な選定を重ねたERPでも、導入後の効果が100%保証される訳ではありません。さらに統合的なシステム環境を提供するERPでは、導入後に及ぼす影響が未知数な部分も多くなります。

従ってデモやトライアルの実施は非常に重要です。各部署において実際の使用感を確かめるためにも必ず実施しましょう。

ポイント3.信頼できる導入パートナーを選ぶ

ERP導入はパートナー企業と二人三脚で導入を進めていくことが多くなります。特に初めてERPを導入する場合、導入や運用に関するノウハウがまったくない状態からスタートするため、導入パートナーに頼った導入や運用を行うことになります。

そのため信頼できるパートナー選びは重要です。製品選定に加えパートナー選定も慎重に行っていきましょう。

ERP選定の手順

手順1.各部署の現状課題をヒアリング

ここからはERP選定の手順について解説していきます。

まず第一に行うべきは各部署の現状課題をヒアリングし、課題ごとに優先順位を付けて整理することです。経営支援のためにEPRを導入する場合でも、各部署の課題に着目してそれを解決するようなERPを選ばなければ、「現場に定着しないERP」を生んでしまう原因にもなります。

各部署責任者はもちろんのこと、一般社員からもヒアリングを行うことで、よりリアルな声を反映することができるでしょう。

手順2.ヒアリング内容をもとに要件を定義する

ヒアリング内容を整理したら担当者が独自にEPRの要件定義を行います。ここで注意していただきたいのが、要件定義まで各部署に任せないということです。

各部署に要件定義を任せたりゼロの状態から要件を聞き出そうとすると、往々にして正確な情報が掴めない結果になります。人ゼロから何かを生み出すよりも、予めそこにあるものを調整したり否定することの方が得意だからです。

担当者が独自に定義した要件をもとに調整を行えば、各部署責任者も否定などを交えてより正確な要件定義を行うことができます。

手順3.定義した要件を各部署責任者と調整する

担当者が定義した要件をもとに各部署責任者を調整を取っていきましょう。ただし、各部署が要望する全ての要件と取り入れることは現実的に不可能であり、しっかりと優先順位を付けつつ行っていくことが重要です。

手順4.ERP導入による業務形態の変化を予測する

ERP導入に失敗する企業のほとんどが行っていないことは「業務形態の変化を予測すること」です。

ERP導入は少なからずこれまでの業務に変化をもたらし、時に破壊的イノベーションを起こすこともあります。この変化に対応できないがために、ERP導入に失敗してしまうというケースもあるのです。

例えば生産手配をエクセルで管理していた場合、生産時期の前倒しなど変則的な生産計画に対応していくケースも多いでしょう。しかしERPに生産計画の変更に対応する機能がなければ、結局のところエクセルで管理することになりERP導入メリットを引き出せない結果になります。

手順5.要件をもとにERPをピックアップする

定義した要件、業務改定の変化を予測した上でERPをピックアップしていきますが、ここで重要になるのは要件に沿って定量的に判断することです。

多機能だから、低コストだからといった「一見メリットに取れる」特徴に着目してERP選定を進めてしまうと失敗する可能性が高くなります。ERP選定で重要なのは自社にとってコンパクト、かつ柔軟性の高いものを選ぶことです。

表面上の機能やコストにとらわれない選択をしましょう。

手順6.導入パートナーとコミュニケーションを取る

ピックアップしたERPの導入パートナーとコミュニケーションを取ることは、信頼性のあるパートナーかどうかを見極めるために重要です。さらに言えば、導入パートナーを選ぶというより「担当者を選ぶ」という認識でいるといいでしょう。

どんなに優秀な導入パートナーでも、担当者が新人であったりERPをあまり理解していないケースがあります。

手順7.サポート体制を確認する

最後にERPのサポート体制を確認してください。初めてERPを導入する企業でトラブルは往々にして起こります。そうしたトラブルへ迅速に対処しERP稼働を安定させることが、導入後の運用を成功させるポイントでもあるのです。

まとめ

いかがでしょうか?今回ERP選定のポイントと選定手順を解説しましたが、難しいと感じた方はいないのではないかと思います。事実、ポイントさえしっかりと押さえていれば、ERP選定は難しいものではないのです。

また、ERP導入は一人で行うものではありません。担当者と各部門の責任者、さらには導入パートナーが一丸になって最適な導入を進めていきます。苦手意識を持つ前に、まずは今回紹介した選定ポイントと選定手順で、最適なERPと信頼できる導入パートナーを選んでいただきたいと思います。

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