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社内改革の進め方とは? 改革の方法や意識すべきポイントを紹介

社内改革の進め方とは? 改革の方法や意識すべきポイントを紹介

労働人口の減少や新型コロナウイルスの感染拡大など、さまざまな社会の変化に対応するため、近年では企業にも大きな変革が求められています。そこで重要となるのが、企業の課題解決に欠かせない社内改革です。本記事では、社内改革の種類や進め方、押さえておきたいポイントについて解説します。

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社内改革の進め方

業務効率や生産性の低下、利益不信など、企業が抱えるさまざまな課題を解決するためには、目的を定めて社内改革を進める必要があります。社内改革を実行するうえでは、まず何について改革を行いたいのか、改革後に目指すものは何かといった目的を定めることが大切です。それから、目的を達成するために適切な方法を選んで進めていきます。

4つの社内改革とその方法

社内改革の目的は企業によってさまざまですが、主に社内の組織や業務、従業員の働き方などにおける課題解決が挙げられます。社内改革には、大きく分けて「組織改革」「意識改革」「業務改革」「働き方改革」の4つの方法があり、組織面や従業員の意識、業務内容など多角的な観点から適した方法を選んで実行します。

1. 組織改革

組織改革とは、企業内部の組織の風土や体制、構造などについて改革を行うことです。企業は日々の業務をスムーズに行うために、組織の体制やルールを決めたうえで活動しています。しかし、時代の流れなどで外部環境が大きく変化したり、新しく経営目標を立てたりしたことで、従来の組織のままでは問題が生じると予想される場合は、組織改革を行う必要があります。

企業の組織は、McKinsey&Company社が提唱するフレームワークによって「7S」に分解できます。これは、組織制度などの部分を「ハード」、組織の目に見えない部分を「ソフト」として括る考え方です。ハード面は「Strategy(戦略):方向性」「Structure(組織):組織体制」「System(システム):制度やルール」の3種類、ソフト面は「Shared Value(価値観):事業活動における価値観」「Skill(スキル):組織に必要な能力」「Staff(人材):人材」「Style(スタイル):経営スタイル・企業文化」の4種類で構成され、この「7S」を意識することで組織改革の取り組みに活かせます。

2. 意識改革

意識改革は、仕事を行う際の考え方や態度、価値観などを変えるための改革です。価値観の変化を目的とするところなど、組織改革との共通点もあります。ただ、ルールを設けてそれに従う体制をつくるだけでは、従業員の意識まで変えることにはなりません。意識改革においては、従業員が自分の考えを持って行動する必要があるため、経営陣だけでなく従業員全員の意識を変えることが大切です。

また、意識改革はわかりやすい数値などで表せないため、具体的な目標のない精神論で終わりやすい点に注意が必要です。従業員全員の意識を変えるためには、まず明確なビジョンを示し、目標を策定します。そして、目標達成に向けて行う内容を具体的に決定してから、それを従業員全員で共有し、経営陣が率先して働きかける形で改革を進めていきましょう。

なお実行前には、従業員への業務負担は適正か、職場環境が整備されているか、企業への信頼関係が築かれているかなど、従業員の意識に影響を与える問題を先に解決しておかなければなりません。従業員が自発的に行動できる体制を築き、取り組んでいくことが大切です。

3. 業務改革

業務改革はBPR(Business Process Re-engineering)とも呼ばれている、業務プロセス業務フローに関係する改革のことです。主に業務効率化や生産性向上を目指す際に行われます。業務改善のように一部作業を改善するだけにとどまらず、組織体制や企業の事業戦略、業務プロセス全体など、さまざまな課題について根本から変更・改善していきます。

業務改革は、最初に目標を設定することから始めます。現在の業務で生じている課題を洗い出し、優先順位を明確にしてから見直しを行うことが重要です。

また、これまでの業務プロセスを大きく変更し、業務の再設計を行うにあたり、情報システムを導入するケースが多く見られます。たとえば、業務改革でERPなどの基幹システムを導入した場合、業務の標準化や品質の向上が期待できます。ERPは他システムとの連携による業務効率化や、労働時間の短縮などにもつながり、ヒューマンエラーの防止や無駄な作業の削減に役立ちます。

4. 働き方改革

少子高齢化による労働人口不足を解消すべく、政府主導のもと推進されているのが働き方改革です。働き方改革では、従業員のワーク・ライフ・バランスを考慮した多様かつ柔軟な働き方の実現が求められます。具体的な施策としては、従業員が自分の事情に合った働き方を選べるよう、リモートワークやフレックスタイム制を導入するなどが挙げられます。

また、事業者は従業員に適切な休みを与えるために、有給休暇を付与し取得させることが義務づけられています。長時間労働を是正しつつ、年次有給休暇を取得しやすい環境づくりに努めなければなりません。

「同一労働同一賃金ガイドライン」においては、正規・非正規社員の待遇格差をなくすため、待遇に関する理由の説明が義務化されています。現在では育児や介護などの事情により、正社員として働けないため非正規を選ぶ方も増加していますが、その場合にも正社員と同一の給与を支給する必要があります。多様な働き方の実現と従業員の働き方改善に向けて、就業環境の整備に取り組みましょう。

社内改革で意識すべきポイント

最後に、社内改革を行ううえで意識すべき3つのポイントについて解説します。以下のポイントを押さえ、計画的に取り組みを進めましょう。

改革によって起きる事象を把握しておく

社内改革の実行時には、社内に混乱や反発が起きる場合があります。「改革前の状態がよかった」「改革前に戻したい」など、改革による大きな変化に不満を感じる従業員が現れることは、予測できる事象のひとつです。また、経営層が主導して行う社内改革に従業員の意識がついてこないなど、改革が表面的なものになってしまうケースもあります。このように改革の過程で生じ得る問題は、あらかじめ予測・把握しておくことが大切です。

改革のプロセスには、「既存の体制の解凍」「改革による混乱」「定着のための再凍結」の3段階があります。「解凍」期は、既存の体制をやめる段階です。ただやめるのではなく、従業員全員になぜ変えなければならないのかを説明し、理解を得なければなりません。

「混乱」期には、既存の体制が変わってしまうことへの混乱あるいは反発、なかなか切り替えできない厳しさなどが発生します。そして、混乱を経て新しいシステムが定着した段階が「再凍結」です。この頃になると、新システムの使いやすさに慣れ、改革の効果が見え始めます。改革で生じる事象や状況の変化に素早く対応するためにも、実際の事例などを参考にしながら対策を立てておく必要があります。

目的やビジョンを的確に定めて伝える

組織改革においては、なぜ行うのか、何を目的にしているのかをはっきり決めておくことが大切です。最終的な目的やビジョンを具体的に定めることで、改革の方向性が決めやすくなり、適切な内容を設定できます。目的を明確にするためには、現在の状況を詳細に確認し、解決しなければならない問題点を抽出・把握しておく必要があります。

さらに、定めた目的とビジョンを従業員全員に正しく伝え、共有することも重要です。ビジョンをただ知らせるのではなく、目的意識をしっかりと共有し理解してもらうことで、従業員が自ら考えて行動するようになり、個人レベルでも改革への積極性が強まります。改革の目的達成により企業・従業員が得られるメリットを共通認識にしておくと、社内改革がより成功しやすくなります。

反発や抵抗勢力への対応を丁寧に行う

先述したように、これまでの組織や業務などを大きく変える場合、それに対して反発や抵抗勢力が生まれるケースもあります。大規模な改革の実行にあたっては、どこに反発が生まれるか、どのような不満が生じるかなどをあらかじめ想定し、それらとどう向き合うのかを考えておく必要があります。

抵抗勢力を排除するのは簡単ですが、そのやり方では禍根が残り、改革へのモチベーションや従業員の信頼を大きく損ねかねません。改革をスムーズに進めるためには従業員の理解を得ることが不可欠なので、きちんと話し合いの場を設け、反発意見や指摘にも耳を傾けることが大切です。そうした意見や指摘を集める中で、改革に有益なヒントやアイデアを得られることもあるため、抵抗勢力をないがしろにせず丁寧に応じるよう心がけましょう。

まとめ

社内改革は、まず何について改革を行うのか、最終的に目指すものは何かを定めてから進める必要があります。また、改革にあたっては新しい体制を構築する都合、社内に大きな変化が生じることが予想されるため、その点を踏まえた対策を検討のうえ進めていくことも重要です。

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