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設備保全業務のあるべき姿とは

デジタル化の波が大きくなるにつれて、「設備保全業務のあるべき姿」が変わりつつあります。

デジタルトランスフォーメーションは日本の企業、特に製造業における喫緊の課題であり、経済産業省が提唱した「2025年の崖」を乗り越えるための重大なプロジェクトでもあります。デジタル技術を駆使した革新的な取り組みにより、現状を大きく変える必要があります。そのうちの1つが設備保全業務です。

本稿では「設備保全業務のあるべき姿」について過去と現在からその在り方を紐解いていきます。

※2018年9月7日発表の「DXレポート」にて紹介された

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設備保全業務の過去と現在

デジタルトランスフォーメーションの重要性が叫ばれるようになる以前、製造業における設備保全業務では「予防保全」と「事後保全」という2種類の業務が遂行されていました。

予防保全とは設備・機械を持続的かつ安定的に稼働させるために、点検・修理・部品交換などのメンテナンスを保全計画に従って実行するものです。部品交換の目安としては一定期間で交換する「時間基準」と部品の劣化具合に応じて交換する「状態基準」の2パターンがあります。定期的なメンテナンスを実施することで不調や、故障の予兆に気づくきっかけとしたり、設備・機械を最適な状態に維持できます。

一方、事後保全とは設備・機械の機能が停止したり、不具合やパフォーマンスが低下した設備・機械に対してその原因を究明し、対処する保全業務です。機能が完全に停止してしまう故障を機能停止型、設備・機械の動きが悪くなり性能が低下する故障を機能低下型と呼びます。設備・機械に何らかの不調・故障が発生するとそこにどんな原因があるのかを速やかに究明し、修理や必要な部品発注等を行います。

「予防保全」と「事後保全」は従来のやり方です。もちろん今でもこのやり方は実施されております。しかし、デジタルトランスフォーメーションが重視されている時代では、今までに枠組みに囚われない新しい設備保全業務が必要になります。それが「予兆保全」です。

予兆保全とは?

予防保全では設備・機械のトラブルを予防し、事後保全では設備・機械に生じた不調や故障の状況に合わせた修理や部品交換を行います。それに対し予兆保全とは、設備・機械の継続的な監視を通じて不調・故障の兆候を捉え、その都度メンテナンスを行う設備保全業務です。

これを可能にするのがIoT(モノのインターネット)です。IoTに関する詳細の説明はもはや不要でしょう。今では至る所でIoT技術が活用されており、様々なモノがネットワークに接続することで製品やサービスに新しい付加価値を生んでいます。つまり、機械・設備にIoT技術を取り入れて様々なデータを収集・蓄積・解析し、機械・設備の状態が把握できる状態にすることで予兆保全を実現します。

予防保全が実現すれば、従来の設備保全業務にかけていた労力を最小限に押さえながら、最大限の効果を生み出すことが可能です。設備・機械の停止も回避して稼働率が向上しますし、保全業務担当者の人員不足や後継者問題なども解決できます。

着々と進むスマートフィールドサービス

設備保全業務において変わりつつあるのは保全方法に限りません。顧客に対して設備保全業務を実施するフィールドサービスにおいてスマート化が促進しています。スマートフィールドサービスはIoTやAI(人工知能)、モバイルなどの先進技術を利活用しながら展開する設備保全業務であり、これらにいち早く着手した製造業ではすでに設備保全業務の収益化に成功しています。では、具体的にどのようにスマート化されるのか?

①スマートグラス&ウェブ会議によるリモート作業支援

スマートグラスとはAR(拡張現実)技術を搭載したウェアラブルデバイスであり、グラス越しにモノに対して情報を投影できるものです。例えばMicrosoftのHoloLens(ホロレンズ)が有名です。フィールドサービスエンジニアがスマートグラスを装着して作業を行うことで、目の前の光景をオフィスに控えている作業支援者と共有しながら作業を進めることができ、作業支援者は実際の映像をウェブ会議越しで確認しながら適切な指示が下せます。

さらに、スマートグラス越しに必要な情報を投影することで、より正確な作業指示が可能です。こうすることでフィールドサービスエンジニアは現場でマニュアルを確認する必要がなく、電話での作業指示によるミスコミュニケーションも発生しなくなります。

②AIによるコンタクトセンター支援

スマートフィールドサービスに欠かせないのがコンタクトセンターとエンジニアの効率的な連携です。例えばAIを活用することで、顧客から寄せられた問い合わせ内容をテキスト化し、関連するFAQを表示することでオペレーターの作業支援を行なって対応品質を向上します。さらに、フィールドサービスエンジニアの手配効率化も促進できるので、フィールドサービス全体の質を向上できます。

③モバイル端末1台で完結する保守作業実行管理

フィールドサービスエンジニアは現場に大量の資料を持ち込んだり、帰社後に活動日報を作成したりとこれまでの設備保全業務ではあまりに負担が多すぎたため、適切な情報管理等が難しかったのが大きな問題です。

これはモバイル端末を利活用したソリューションで解決できます。作業スケジュールや指示確認もモバイル端末を通じて行い、活動日報作成もその場で行えるので帰社後に作成する必要はありません。また、必要な入力項目を選択形式にすれば作成負担も大きく軽減でき、フィールドサービスエンジニアの作業効率を大幅に向上できます。

NTTコミュニケーションズが提供する設備保全業務ソリューション

製造業のデジタルトランスフォーメーション促進では、豊富な実績とノウハウを持ったパートナー企業との協業が欠かせません。特にスマートフィールドサービス等を実現するには幅広い業務内容への理解とシステムをうまく活用するスキルが必要です。そこでお勧めしたいのは、NTTコミュニケーションズが提供する設備保全業務ソリューションです。

情報通信の大手NTTグループ傘下だから持っている、幅広い製品知識と豊富な運用実績によって適宜必要なシステムを組み合わせて、企業ごとに最適なソリューションを提供できるのが強みです。

予兆保全やIoTデータ活用コンサルティングに「Things Cloud」、スマートグラス&ウェブ会議を活用したリモート作業支援、コンタクトセンター支援によるフィールドサービス効率化に「COTOHA & Foresight」、そしてモバイル端末による保守作業実行管理に「Microsoft Dynamics 365」をといったように、最適な設備保全業務環境を整えていきます。

設備保全業務は製造業のデジタトランスフォーメーションにおいて重要な役割を持ちます。この機会に、NTTコミュニケーションズが提供するソリューションを考慮した、設備保全業務改革をご検討ください。

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