カスタマーサービス/顧客満足

カスタマーサポートに最適なチャットボットの導入事例やメリットを紹介

多くの企業のカスタマーサポートは、オペレーターの高い離職率などを受けて、慢性的な人手不足や大きな業務負担に悩まされています。このような課題に対応するためのソリューションが、チャットボットの導入による問い合わせ対応業務の自動化です。本記事ではチャットボットの導入事例やメリットを解説します。

カスタマーサポートに最適なチャットボットの導入事例やメリットを紹介

一歩先行く顧客対応!

カスタマーサポートとは

そもそもカスタマーサポートとは、顧客(カスタマー)からの問い合わせや意見・要望に対応する業務またはその担当部署を意味します。カスタマーサポートを実施するための機関としてはコールセンターが挙げられます。
カスタマーサポートの主な業務は以下の通りです。

  • 電話、メール、チャットなどのツールを使用し、問い合わせやクレームなどへ対応する。
  • 顧客情報の管理。顧客からの問い合わせ情報などをシステムに入力し、一元管理する。
  • FQAサイトを作成し、顧客が問題を自己解決できるようにする。
  • 問い合わせ対応などのナレッジを社内で共有し、顧客対応の品質を全体的に向上させる。
  • カスタマーサポートに最適なチャットボットとは

上記のようなカスタマーサポート業務を支援するITツールとして近年注目を集めているのがチャットボットです。続いては、チャットボットとはどのようなソリューションなのかを解説していきます。

チャットボットとは

チャットボットとは、会話を意味する「チャット」と「ロボット」を組み合わせた造語です。チャットはリアルタイムにコミュニケーションできるITツールですが、チャットボットとはいわば、このチャットの相手を人間に代わってロボット(プログラム)が務めてくれるソリューションです。

昨今では、人工知能(AI)を搭載したチャットボットも登場しており、そうしたAIチャットボットは人間が話しているのと近しい感覚で受け答えすることが可能です。また、文字でのやりとりだけでなく、音声(電話)にも対応できるものもあります。

チャットボット導入が注目される背景

昨今、チャットボットを導入する企業は年々増加傾向です。たとえば、矢野経済研究所の市場予測によると、2017年に11億円規模だった対話型AIシステムの市場規模は、2022年にはその10倍以上の132億円にまで達するとされています。

チャットボットがこのように注目を集めている背景としては、AIをはじめとするデジタル技術が発展したことや、働き方改革を推進する企業が増えていることが挙げられます。従来、コールセンターのオペレーターは離職率が高いことで知られており、その対応は企業にとって喫緊の課題となっています。

この点、先に触れたようにAIチャットボットは顧客からの問い合わせ対応を自動化し、人手不足を解消したり、オペレーターの業務負担を軽減したりすることが可能です。今後少子高齢化が進行し、人材の確保がさらに難しくなるにつれ、チャットボットの需要はますます高まっていくでしょう。

チャットボットの機能について紹介

チャットボットの主な機能として、以下のようなものが挙げられます。

顧客からの問い合わせに対する自動応答

チャットボットの形式やAIが搭載されているか否かによって回答方法や回答精度は異なりますが、顧客からの問い合わせに自動応答できる点はどのチャットボットにも共通の特徴です。

有人対応への切り替え

チャットボットで解決できなかった案件については、オペレーターによる有人対応に切り替えられます。その際、チャットボットで問い合わせた内容をオペレーターが参照することでスムーズに対応できるでしょう。

FAQサイトとの連携

チャットボットはFAQサイトと連携したり、過去の類似の問い合わせ内容と照合したりすることによって顧客に解決策を提示し、顧客が自ら問題を解決することを可能にします。

カスタマーサービスへチャットボットを導入するメリット

チャットボットを活用することで、カスタマーサービスにはどのようなメリットがあるのでしょうか。続いては、チャットボットの主な導入効果を紹介します。

顧客満足度が向上する

メリットその1は、顧客満足度の向上です。チャットボットの導入によって問い合わせ対応が自動化されることで、顧客は24時間365日いつでも好きな時間に問い合わせができます。また、限られた人員で問い合わせ対応をしていると、混雑時などに顧客を長く待たせてしまいますが、チャットボットを併用することで有人対応の待ち時間を短縮できるでしょう。このようにして顧客満足度を向上させたり、商品購買の機会損失を防いだりすることが可能です。

業務負担削減や効率化につながる

メリットその2はオペレーターの業務負担を軽減し、業務効率化を行えることです。簡単な問い合わせはチャットボットが自動回答するだけで済み、問い合わせ対応件数を大きく向上させられます。同時に、オペレーターは全ての問い合わせに対応しなくてよくなるため、業務負担の軽減が期待できます。
先に触れたように、コールセンターの離職率は一般に非常に高い水準にあります。そのため、オペレーターの負担を軽くして働きやすい体制を作ることは、安定した業務運営をするために欠かせません。

マーケティングに活用できる

メリットその3は、マーケティング業務にデータを活用できることです。チャットボットが対応した問い合わせ記録はシステムに蓄積されていくため、それを活用したデータ分析が可能になります。データ分析を通して、顧客のニーズを的確に把握できれば、マーケティング業務において適切な情報発信ができるようになるでしょう。

チャットボットをカスタマーサポートに導入した事例

続いては、カスタマーサポートにおけるチャットボットの導入事例を紹介します。

金融機関でコールセンター業務の高品質化を実現

株式会社三井住友銀行は、日本マイクロソフト社と共同開発したAIチャットボット(SMBCチャットボット)を導入しました。SMBCチャットボットは、Microsoft Azure上で動き、ユーザーと自然な仕方で対話し、最適な回答案を提示することが可能です。

同社はコールセンターに同チャットボットを導入し、オペレーターの業務負担削減および対応品質の向上を実現したほか、行内照会窓口にも導入し、照会応答業務の迅速化や効率化に役立てています。

自社通信販売サイトで利用し業務改善やコスト削減を実現

事務用品を中心とする通信販売会社、アスクル株式会社は自社が運営する通信販売サイトにAIチャットボット「アオイくん」を導入しました。「アオイくん」はテキストベースで応答するチャットボットで、「領収書の発行」、「請求書の再発行」、「注文のキャンセル」、「配送状況の確認および配送日変更」などの手続きを受け付け可能です。

これによって同社は問い合わせ対応の一部を自動化し、業務改善とコスト削減を実現しました。なお、「アオイくん」には性格や口癖などのキャラクター設定もされており、同社のブランドイメージにも良い影響を与えています。

まとめ

コールセンターにチャットボットを導入することで、企業は顧客からの問い合わせ対応を自動化し、顧客満足度の向上、オペレーターの業務負担の軽減、顧客データの効率的収集などが可能になります。

MicrosoftのCRMMicrosoft Dynamics 365」は、コールセンター向けのチャットボットと連携し、顧客情報の一元管理が可能です。DXや働き方改革の一環としてチャットボットを導入する際には、Microsoft Dynamics 365もぜひ同時にご活用ください。

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