Office 365には一般ユーザー向けのサービスから、法人向けのサービスまで様々なプランを展開しています。その中で、小規模企業のOffice 365使用の選択肢としてよく検討されているのが、Office 365 Premiumというプランです。ただし、これはプランというよりも製品に近いもので、今回はこのOffice 365 Premiumを選択するメリットと考慮点について紹介します。
Office 365 Premium
改めてOffice 365 Premiumの概要について紹介すると、パソコンに付属しているソフトウェアであるため、端末購入時にOffice 365利用権が同時についてきます。そのため、業務用に購入したパソコンにOffice 365 Premiumが付属されていると、わざわざOfficeを購入する必要がありません。
あくまで一般ユーザー向けのサービスではあるものの、購入する製品によっては法人向けサービスと同等の機能を使いこなせます。簡単に、製品ごとの違いをまとめてみました。
≪Office 365 Personal Premium≫
Word、Excel、Outlookが使用できる一般ユーザー向け
≪Office 365 Home&Business Premium≫
Word、Excel、Outlook、PowerPoint、OneNoteが使用できるビジネスユーザー向け
≪Office 365 Professional Premium≫
Word、Excel、Outlook、PowerPoint、OneNote、Publisher、Accessが使用できる高度な機能を求めるユーザー向け
Office 365 Premiumを使用する利点
Office 365 Premiumをビジネスに導入する最大の利点は「安価」という点でしょう。予めパソコンにインストールされているため、追加料金を支払う必要がなく、製品自体も低価格で提供されています。
もう一つ安価なところは、Office 365 Soloで使用できる様々な機能を1年間無料で使用できる点です。ちなみにその機能とは、次のようなものになります。
≪Office 365 Premiumで1年間無料で使用できる機能≫
- 1TBのオンラインストレージサービス(OneDrive)が付き、ドキュメントをオンラインに保存できる
- Skypeから固定電話への通話料が毎月60分間無料になる
- パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットでもOfficeが使用できる
このように、ビジネスでも存分に活用できる機能が1年間無料で使えます。無料期間が過ぎた場合でも、年間6,264円という価格で延長可能です。Office 365 Soloの場合は年間12,744円がかかるので、その半額で使用できることになります。
その他の利点は、搭載されているOffice 2016が永続的に使用でき、かつ常に最新バージョンへアップデートできる点です。従来のパソコン搭載型Office製品にはバージョンアップ機能が無かったため、購入時点から機能が追加されたり、新しいデザインが適用されるようなことはありませんでした。もちろんセキュリティ対策のためのアップデートはあったものの、Office製品自体が進歩することはなかったのです。
それがOffice 365 Premiumになり一新され、定期的なバージョンアップデートによって、定期的に新しい機能が追加されたり、利便性が向上させるような更新がされるようになりました。
従って購入したパソコンの寿命が尽きるまで、ずっと最新バージョンのOfficeを使用できます。
Office 365 Premiumで考慮すべきポイント
安価で導入でき、1年間Office 365サービス無料期間があり、常に最新バージョンのOfficeが使える。一見メリットだらけに思えるOffice 365 Premiumにも、導入時に考慮すべきポイントがいくつかあります。
第一に、Office 365 Premiumはパソコン搭載型のサービスなので、ライセンスを他のパソコンに移せません。Office 365 SoloやOffice 365 Business Premiumといったサービスであれば、ライセンスを自由に割り当て、再構成もできます。そのため、日々変化するビジネス環境において有効です。
Office 365 Premiumのライセンスは搭載されたパソコンでした使用できないため、ラインセンスを移行したくてもできないという考慮点があります。
もう一つの考慮ポイントは、ビジネス向けの本格的な機能が搭載されていない点です。
たとえばOffice 365 Business Premiumは、Officeを最大5台のパソコン、さらに5台のタブレットに導入できるという特長の他、Exchange OnlineやSharePoint Online、Skype for Businessといったビジネス向けの高度な機能が使用できます。
「SharePoint Online」について詳しくご覧ください!
その点から考えると、Office 365 Premiumでは1TBのオンラインストレージと一般ユーザー向けのSkypeしか使用できないため、ある程度組織規模が大きくなると機能しない可能性があります。
ビジネスに最適なOffice 365とは?
従業員数が数人の組織規模であり、かつ会社設立の段階ならばOffice 365 Premiumは導入メリットがあります。ただし、組織の成長に合わせて別のプランに移行することはできない、という点を考慮する必要があります。
こうした点を考慮した場合、最適なOffice 365プランはやはり法人向けのものになります。例えば、Office 365 BusinessというプランはWord、Excel、Outlook、PowerPointといったビジネスに重要なOfficeの他、ユーザーごとに1TBのオンラインストレージが尽きます。Officeはライセンスごとに最大5台のパソコンとモバイル端末に導入でき、すべてのライセンスは管理センターによって一元管理が可能です。これらすべての機能を、ユーザーあたり月額900円で使用できます。
組織規模が成長してコミュニケーションツールの導入が必要になった場合は、Office 365 Business Premiumにプランを移行しましょう。Office 365 Businessの価格からプラス460円するだけで、ビジネスメールのExchange Online、ファイル共有のSharePoint Online、オンライ会議のSkype for Business、社内SNSのYammerなど多数のコミュニケーションツールを使用できます。
これらの機能はOfficeを含め相互に連携しているため、様々な活用方法によって組織のコミュニケーションを強化できます。
まとめ
現在Office 365 Premiumの導入を検討している方は、組織規模の成長を考慮し、法人向けのOffice 365を含めて再検討してみてください。すべてを比較した上で検討してみると、最初から法人向けプランを契約した方が実はコストメリットがあったりと、様々な発見があります。
自社環境に最適なOffice 365導入のために、今回紹介した点を十分に考慮した上で、慎重に検討していきましょう。