Microsoft Officeのライセンス形態は大まかに分けて4つです。クラウドで利用するサブスクリプションタイプ、おまとめ購入がお得なボリュームライセンス、パソコン購入時にインストールされているプリインストール版(PIPC)、使用しているパソコンにインストールするパッケージ版(FPP)があります。
今回は、これらMicrosoft Officeのライセンス形態を概説した上で、サブスクリプションタイプの魅力についてご紹介します。
ボリュームライセンス、PIPC、FPPそれぞれの特徴
まずはサブスクリプションタイプ以外のライセンス形態について説明します。
≪ボリュームライセンス≫
大量のライセンスを一括で、かつ割引額が適用された状態で購入できます。従業員用にMicrosoft Officeを複数購入したい企業向けのライセンス形態です。大量といっても、100個も200個も購入しなければならないのではなく、中小企業向けに3個以上のライセンスで割引が適用される「オープンライセンス」というプランもあります。この他大企業向けに「オープンバリュー」「セレクト」「エンタープライズアグリーメント」といったプランも。
導入するMicrosoft Officeによっても価格が変動するので、都度導入パートナーに相談することをおすすめします。
≪PIPC≫
プリインストールとは予めインストールされていることです。パソコン購入時にMicrosoft Officeが搭載されている場合、ライセンス形態はPIPCとなります。PIPC最大の特徴はFPPと比べて価格が安いことです。Office Premiumの場合、最新のMicrosoft Officeを永続的に利用でき、最新バージョンが登場しても無償でアップグレードできます。
ただし、別のパソコンにライセンスを移行することはできないため、Microsoft Officeの利用期限はパソコンの寿命に依存します。
≪FFP≫
Microsoftホームページや家電量販店などで購入するいわゆるパッケージ版です。用途に応じてOffice Personal、Office Home&Business、Office Professionalから選べます。最大2台のパソコンにインストールできるので、デバイスを複数台所持している場合におすすめです。価格は最新版Office 2016で3万2,184円~6万4,584円かかります。
サブスクリプションタイプの特徴と魅力
「サブスクリプション」とはソフトウェア提供形態の一つで、ソフトウェアの利用期間やユーザー数などに応じて料金が発生するタイプです。Microsoft Officeの中では「Office 365」がこのタイプに該当し、利用するプランやユーザー数および期間で料金が確定します。
たとえばOffice 365 Business Premiumというプランの場合、1ユーザーあたりの月額料金は1,360円です。100ユーザーなら13万6,000円が月額料金になります。
サブスクリプションタイプは継続的にコストがかかることから、それ以外のライセンス形態よりも高い投資になるのではという不安の声もあります。しかし実際は、ボリュームライセンスなどより少額投資になることが多く、そこにはサブスクリプションならではの魅力が隠れています。
Microsoft Officeを最大15台のデバイスにインストール
ボリュームディスカウントおよびFPPでMicrosoft Officeをインストールできるパソコンの台数は最大2台です。Microsoft Officeを250台以上にインストールする環境となると、最大インストール台数は1台になります。
それに対し、サブスクリプションタイプであるOffice 365のインストール台数は最大15台です。その内訳は5台のパソコンおよびMac、5台のスマートフォン、5台のタブレットになります。
従来のライセンス形態に比べれるとインストール台数は圧倒的です。一人に2台以上のデバイスを所持するようになった現代、ボリュームディスカウントなどではコストが増大するというケースも少なくありません。
サブスクリプションタイプなら、コストを抑えて一人2台以上のデバイスへMicrosoft Officeをインストールできます。中には、残ったインストール台数を福利厚生として使用デバイスへのインストールを許可する事例も。
Microsoft Officeに留まらないサービス
Office 365はそもそも、Microsoft Officeライセンスを備えたグループウェアサービスです。従って、ユーザーはMicrosoft Officeをパソコンにインストールするだけでなく、様々なグループウェアサービスを活用して組織のコミュニケーション強化を図れます。
サーバ製品としてもお馴染みにExchangeやSharePoint、Skype for Businessもオンライン版として提供されているため、従来と同じ環境でクラウド基盤のコミュニケーションツールを導入できる企業もあるでしょう。
Office 365 Business Premiumの月額はユーザーあたり1,360円。ボリュームライセンス製品のOffice Standard 2016が1ライセンスあたり4万9,000円なので、3年間Office 365を利用するとコストはイーブンになります。ただし、先述のようにOffice 365にはMicrosoft Office以外にも様々なグループウェアサービスを提供しているので、表面上のコストだけでは測れないメリットがあります。
ライセンスの増減を自由に行える
サブスクリプションタイプはユーザー数に応じて料金が発生します。従って、利用環境に合わせて自由にライセンスを増減できます。ボリュームディスカウントやFPPでは、ライセンスを買い足すことはできても、返品はできません。そのため、もしも購入したライセンスが余ってしまったらMicrosoft OfficeのROI(投資対効果)が大きく低下します。
皆さんの会社では、Microsoft Officeが余ってしまい有効活用できていない。そんな折に最新バージョンのMicrosoft Officeが提供開始された、といった経験はないでしょうか?これでは結果的にライセンス費用を無駄にしてしまったようなものです。
ライセンスを自由に増減できるサブスクリプションタイプなら、こうした悩みは皆無です。ライセンスが必要なら買い足す、不要なら削減する。そうしたライセンスコストを常に適正に保ち、ROIを高めます。
「クラウドファースト」でOffice 365の検討を
サブスクリプションタイプを採用したOffice 365は、従来のライセンス形態から移行する企業が続々と増えています。先述した魅力に加えて、Office 365にはMicrosoft Office特有のライセンス管理問題が解消される、というのも大きな要因です。皆さんも、今後Microsoft Officeを買い足したり、環境を刷新させたい際は「クラウドファースト」でOffice 365を優先的に検討しましょう。