皆さんは「Exchange Online Kiosk」というプランをご存知でしょうか?これは、Office 365のエンタープライズラインナップに属するプランにて、格安でビジネスメールを取り入れられるというサービスです。
≪Office 365 エンタープライズラインナップ≫
- Office 365 ProPlus
- Office 365 Enterprise E1
- Office 365 Enterprise E3
- Office 365 Enterprise E5
これらのプランはユーザー数300人以下向けのプランである「Office 365 Business」「Office 365 Business Essentials」「Office 365 Business Premium」に比べて、高度なセキュリティ機能や管理機能を備えています。
本稿では、エンタープライズラインナップで追加できる、Exchange Online Kioskの概要や制限についてご紹介します。
Exchange Online Kioskの価格と機能
改めて、Exchange Online Kioskとはビジネス向けメールサービスのExchange Onlineが持つ機能をお得に利用できるプランです。その価格は1ユーザーあたり月額160円、100ユーザーで利用したとしても月間わずか1万6,000円です。
社内でExchange Serverなどビジネスメールシステムを構築している場合、運用費用だけで1万6,000円は優に超えるため、改めて、Exchange Online Kioskが如何に低価格でサービスを提供しているかがわかります。
ただし、Exchange Online Kioskには次のような制限があります。
≪Exchange Online Kioskの機能制限≫
- ユーザーごとのメールボックス容量は2GB(通常プランは50GB)
- アーカイブメールボックスは使用不可(通常プランは50GBまたは無制限)
- サイトメールボックスは使用不可(通常プランは50GB)
- パブリックフォルダメールボックスは使用不可(通常は50GBまたは100GB)
- 容量アラートは1.96GB(通常は49GBまたは98GB)
- クライアントアプリのOutlookは使用不可
このようにExchange Online Kioskには多くの機能制限があるため、利用できるシーンも限られてきます。では、反対にExchange Online Kioskと通常プランで変わらないところはどこでしょうか?
≪Exchange Online Kioskと通常プランの変わらない点≫
- Outlook Web App (OWA)を利用してビジネスメールのやり取りができる
- 50GBの共有メールボックス
- 50GBのリソースメールボックス
- メールボックスごとの最大メッセージ数100万
- 最大35MBの添付ファイルを送信可能
- 最大250個の添付ファイル
ご覧の通り、機能制限が多いExchange Online Kioskでも通常プランと変わらない点も多く、ビジネスメールとして十分活用できるサービスです。
Exchange Online Kioskは「Office 365 ProPlus」に追加するのがおすすめ
エンタープライズラインナップの中でもExchange Online Kioskを追加するならやはり、Office 365 ProPlusで追加するのがおすすめです。なぜなら、その他のエンタープライズラインナップではExchange Onlineが標準で備わっているため、Exchange Online Kioskを追加する利点がありません。
一方Office 365 ProPlusは、ExcelやPowerPointをはじめとしたOfficeアプリケーション、ユーザーごとに1TBのクラウドストレージを付与するOneDrive for Business、オンライン会議のSkype for Businessを提供するプランです。ビジネス向けメールサービスのExchange Onlineは含まれていないため、導入するには別途スタンドアロンサービスでの追加が必要です。
Office 365 ProPlusは1ユーザーあたり月額1,310円がかかります。これに1ユーザーあたり月額440円のExchange Onlineプラン1を追加すると月額料金は合計1,750円かかります。100ユーザーで利用するとなると、月間で4万4,000円のコスト増となるので、このコストを極力抑えたいという企業にExchange Online Kioskはおすすめです。
Exchange Online KioskならOffice 365 ProPlusに追加しても月額料金や1ユーザーあたり1,470円です。Exchange Onlineプラン1に比べて約300円お得に追加できます。
ただし、Exchange Online Kioskの機能制限では自社のビジネスメール状況にそぐわないという場合のあります。追加時は現状整理をしてからExchange Online Kioskが有効かを確かめ、その上でプランを追加しましょう。
Office 365 F1について
Microsoftが提供しているクラウドサービスには、Exchange Onlineの他にも低コストで利用できるプランがあります。それが「Office 365 F1」です。2017年9月以前は「Office 365 Enterprise K1」という名称で提供されていました。
Office 365 F1はExcelやPowerPointなどのOfficeアプリケーションを除き、Office 365で提供される機能の多くを1ユーザーあたり月額440円という低額で利用できます。Office 365 F1で利用できる機能は次の通りです。
≪Office 365 F1で利用できる機能≫
- Exchange Online(プランKioskが含まれる)
- SharePoint Online
- OneDrive for Business(1ユーザーあたり2GB)
- Skype for Business Online(プラン1が含まれる)
- Office Online
- Yammer Enterprise
- Microsoft StaffHub
いずれの機能も組織内と社外とのコミュニケーションを強化するためのものです。SharePoint Onlineはファイル共有スペースと簡素化されたサイト制作を提供し、Yammer Enterpriseは社内SNSで組織のフラットなコミュニケーションを実現します。
Microsoft StaffHubはOffice 365 F1のために開発されたOfficeアプリであり、チーム全体のスケジュール管理やタスク管理によって、円滑なコミュニケーションを支援します。
Office 365 Business Essentialsで提供されているグループウェア機能をもっとシンプルに、低コストに導入したいという企業におすすめです。
まとめ
いかがでしょうか?これまでOffice 365を導入しようと検討しても、プラン選定で迷っていたという方は、この機会にExchange Online KioskならびにOffice 365 F1をリストに追加し、改めて最適なプラン選択を行ってみてください。