建設・ビル管理

withコロナにふさわしいオフィスとは?4つの要素と使い方の変化について解説

新型コロナウイルスの感染拡大により、働き方の変化を求められる時代になりました。企業は何よりもまず社員の安全を守ることを念頭に置き、オフィス環境もこれまでの基準から改める必要があります。本記事では、コロナ禍のオフィス環境に求められる要素や座席のレイアウト変更例などについて詳しく解説します。

withコロナにふさわしいオフィスとは?4つの要素と使い方の変化について解説
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withコロナのオフィス環境に求められている4つの要素

withコロナの時代に入った現在では、社員の安全を守ることを第一に、「3密(密集・密接・密閉)」を避けるオフィス環境が求められます。厚生労働省が定める「新しい生活様式」を踏まえたうえで、具体的に織り込むべき要素について解説していきます。

1.ソーシャルディスタンスの確保

まず、社員同士の席は2メートル以上を目安に離し、ソーシャルディスタンスを確保するのが基本です。居室があまり広くない場合でも、最低1メートル以上は離すようレイアウトを工夫しましょう。横の距離だけでなく、前後の距離も2メートル以上を目安に離す必要があります。座席のレイアウトが対向式で固定されている場合は、飛沫感染を防ぐために可能な限り真正面を避けるのが鉄則です。

2.パーソナルスペースも広めに

ひとり当たりのワークスペースもできるだけ広く設定し、密度を下げる工夫をしましょう。もっともシンプルな解決法は、オフィスあたりの定員を少なくすることです。具体的には後述しますが、オフィスへの出社はローテーション制を取り入れて定員を減らすのも対策のひとつです。

パーソナルスペースを広めにしたうえで、さらにそれぞれのスペースをパーテーションで仕切ると飛沫感染防止に大変効果的です。パーテーションは、業務内容に適した色を選ぶとよいでしょう。透明のパーテーションであれば圧迫感も少なく、周囲の様子も見渡せます。白など透けていないものを選ぶと、個室感が高まり業務に集中しやすいでしょう。

3.換気・衛生も徹底

コロナ禍では、換気や衛生の重要性が注目されています。作業する場合は原則窓のある部屋で行い、常時窓や扉を解放、あるいは定期的な換気ができる環境を求められます。可能な限り空気清浄機も導入し、新鮮な空気を保つとよいでしょう。

換気・衛生を徹底するには、社員の協力が不可欠です。手指消毒液や手指や共有物の消毒を促すパネルを随所に設置し、衛生に対する社員一人ひとりの意識を高めましょう。業務上のルールに組み込むと、徹底されやすくなります。一例として、「オンライン会議を推奨する」「対面で行う場合にはマスクと換気を必須とする」などのルールを新設し、幅広い手法で社員に周知しましょう。

4.共有物の撤去・利用停止

衛生管理を徹底しなければ、オフィスの共用物や共有スペースも感染源になってしまいます。社員数が多くルールの徹底が難しい場合は、呼びかけを繰り返すよりも、共有物や共有スペース自体を撤去し、社員同士の接触の機会を減らすほうが合理的かもしれません。たとえば、ペーパーレス化を推奨して紙の共有ファイルを撤廃したり、共有ロッカーから個人ロッカーへ移行したりといった対策が有用です。

収納スペースが不要になればオフィスのスペースにも余裕が生まれ、その分3密回避の効果も期待できます。給湯室や休憩室など、物理的に撤去が難しいスペースに関しては、当面の間、利用停止にするのもひとつの手です。

withコロナのオフィスレイアウトについて

コロナ禍のオフィスに求められる4つの要素を理解したところで、ここからはオフィスレイアウト変更の具体例を紹介します。3パターンのレイアウト変更例について、特徴を踏まえて紹介しますので、自社にとって最適なレイアウトを検討してみてください。

従来の島型を前提としたケース

日本企業に多いのが、対向式で縦横左右の距離が近い島型レイアウトです。チームの一体感が生まれやすく、スペース効率のいいレイアウトですが、コロナ禍では推奨されません。しかし、床面積や配線の関係などで物理的に大幅なレイアウト変更が困難、チームワークが主体で島型の方が効率的というケースもあるでしょう。そのような場合は、以下のやり方で島型の問題点を緩和しましょう。

島型を維持する場合は、左右を1席ずつ空けて座り、真正面の席は基本空席にします。役職者の定位置になりやすい、いわゆるお誕生日席は廃止とし、全員が均等にソーシャルディスタンスを保てるようにしましょう。島同士も2メートルを目安に距離を取り、背中合わせであっても真後ろに人が座らないように注意する必要があります。島型では、常時マスク着用とこまめな換気が必須です。

並列式に変更するケース

レイアウト変更がフレキシブルに行え、個々の作業がメインであれば、対向しない並列式の採用も視野に入れて検討するとよいでしょう。並列式とは、個々の席を離して独立させ、全員が同一方向を向いて業務するレイアウトです。日本の学校で採用されている座席配置に近いため、「スクール型」と呼ばれることもあります。

並列式を採用する一番のメリットは、島型と比べて人口密度を減らせ、対面を避けた配置となるため、飛沫感染リスクを軽減できます。もちろん並列式であっても、業務中はマスクの着用が欠かせません。並列式の難点は、左右の人以外とのコミュニケーションが取りづらいところです。また、真後ろの人に画面が丸見えになってしまう恐れもあります。採用する場合は、横に並ぶ人数を4人→3人→4人というように変えて真後ろの席をつくらない、覗き見防止の保護フィルムを画面に貼る、といった対策が必要です。

背面式に変更するケース

高い集中力を必要とする個々の作業が中心であり、かつテレワーク導入などで出社人数が少ないケースでは、より安全性の高い背面式も検討するのもよいでしょう。背面式とは、壁に沿って机を配置し、背中合わせに座るレイアウトです。並列式よりもさらに独立性が高く、飛沫感染のリスク軽減への高い効果が期待できます。全員が背を向けているので後ろから画面を覗き見される心配もなく、プライバシーも保たれやすいでしょう。

難点は、リーダーがメンバーの業務状況を把握しづらく、スペース効率が悪くなりやすい点です。対策の一例ですが、リーダーのみメンバーに対して真正面を向く配置が叶えば、常時メンバーの様子を見渡せます。加えて、可動式のデスクやチェアを導入しておけば、その日の出社人数や業務内容に合わせてフレキシブルにレイアウトを変更できます。

withコロナのオフィストレンド

withコロナでは、オフィストレンドにも変化が生まれています。オフィスレイアウトを見直すにあたり、押さえておきたい2つのトレンドについても紹介します。

「個人ブース」の需要拡大

新型コロナウイルスの感染拡大を機に、テレワークが急増している昨今、オンライン会議の活用は企業にとって必須といえます。テレワーク同士はもちろん、出社している社員とテレワーク社員をオンライン会議でつなぐ場面も多いことでしょう。出社してる社員が自席からオンライン会議に参加するのは、ヘッドセットをつけていたとしても、話し声で周囲の集中力を妨げてしまったり、関係者以外に機密情報が漏れてしまったりする恐れがあります。これらの問題を解消するために、オンライン会議専用の「個人ブース」の設置ニーズが高まっています。レイアウトを見直す際は、使わなくなった会議室を個人ブース用のスペースに変更するのもよい工夫でしょう。

席は「固定化」

beforeコロナでは、フリーアドレス制を支持する風潮もありましたが、感染防止対策の観点においては、社員の席は可能な限り「固定化」にするほうが安全です。誰がいつどこに座っていたのかわからないフリーアドレス制では、感染者が出ても感染経路を追いにくくなります。加えて、デスクやワークチェアなど、共有物を都度消毒する手間も増えます。

そのときの気分や業務内容によって席を変えられる自由度の高さがフリーアドレス制の売りですが、新型コロナウイルスとの相性はあまりよくありません。業務の都合でフリーアドレス制を継続する場合でも、コロナ禍においては少なくとも終日にわたって使う席を固定化し、どこに着席したのか履歴を残すべきでしょう。

withコロナで推奨される勤務スタイル

レイアウト変更に加えて、社員の勤務スタイルを見直すことで、感染防止効果が高まります。最後に、withコロナで推奨される3つの勤務スタイルについて順番に解説します。

テレワークの本格導入

新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした暫定的な措置ではなく、業種・職種的に可能であれば、これを機にテレワークを前提とした勤務スタイルに舵を切っていくのもよいでしょう。テレワークは働き方改革の切り札といっても過言ではありません。業務のオンライン化によって、手間のかかっていた作業を自動化・効率化できれば、労働時間を削減しながら、今までのアウトプットを保てるでしょう。

本格的にテレワークに移行できれば、オフィススペースを縮小し、代わりにサテライトオフィスを増設することも視野に入ってきます。自宅や取引先から近いサテライトオフィスの存在は、長時間労働の是正や社員のワークライフバランス向上に効果的です。

フレックス勤務や時差出勤

全面的にテレワークに切り替えるのが難しい場合は、フレックス勤務や時差出勤を解禁するといよでしょう。出社時間を個々でずらせば、同時間帯でのオフィス密度を減らせます。満員電車を避けられれば、通勤時の感染リスクも軽減できるでしょう。出張の翌日は出社時間を遅らすなど、社員本人が出社時間を調整できるので、体調管理もしやすくなるはずです。テレワークほどの大きな効果ではないかもしれませんが、社員のワークライフバランスの改善にもつながるでしょう。

ローテーション勤務

コロナ禍を機に、ローテーション勤務を導入する企業も増えています。ローテーション勤務は、どこに区切りを設けるかによって、3つのパターンに分けられます。まずは午前勤務と午後勤務に分けるパターン、次に曜日で分けるパターン、そして在宅勤務とテレワークを交互で行うパターンです。

出退勤管理の煩雑さが懸念される場合は、勤務シフトと座席の位置を連動させるとよいでしょう。一例として、シフトをAとBに分けてそれぞれの席も固定席化すれば、遅刻者や欠勤者が一目瞭然となり、運用管理もスムーズです。業務との兼ね合いも踏まえて、シフトを決定・調整してみましょう。比較的ローテーション勤務を導入しやすいのは、定常業務が多い職場です。

まとめ

コロナ禍においては、オフィス環境や働き方の見直しが必須です。共有スペースの利用方法についても改めましょう。ISIDが提供するスマートオフィスソリューション「wecrew」は、共有スペースの予約と利用を管理でき、感染経路や濃厚接触者の特定にも役立つアプリです。この機会にぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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