私たちの生活や仕事環境のいたるところにITが活用されている時代において、オフィスもまた例外ではありません。IoTやAIといったデジタルテクノロジーを活用したオフィスはスマートな場所になる時代です。いわゆるスマートオフィスとは何なのでしょうか?
スマートオフィスは単に時代の流れに乗ってIT化を推進するものではありません。そこには生産性向上やエネルギー消費効率の向上、新型コロナウイルス対策など、ビジネスや環境にとって欠かせない要素も含まれています。本稿では、これからのオフィスのあり方としてスマートオフィスとは何なのかをご紹介します。
スマートオフィスとは?
スマート○○という言葉をいたるところで見かけます。身近なシーンでいえばスマートフォンが最たる例かもしれません。ただし、現在はその範囲を拡大してスマート工場、スマート農業、スマートストア、スマートビルディングなど産業全体へと広がりを見せています。これらスマート○○とは、IoTやAIなどデジタル技術を活用・搭載して従来にはない付加価値を提供したものの総称と言えます。例えばスマートウォッチは時計に小型のタッチスクリーンとCPUを搭載し、脈拍測定やGPSなど様々な機能を備えています。さらに、スマートフォンと連携することで脈拍の推移や睡眠の質、移動距離などを表すことができ、ネットワークに接続することで通話やメールを可能にするものもあります。
では、スマートオフィスとはどのような付加価値を生むものなのでしょうか?一般的には会議室予約をスマートフォンから可能にしたり、フリーアドレススペースを設けたり、電気や空調などのファシリティを自動的に制御できるオフィスのことを指します。
スマートオフィスのメリット
スマートオフィスを導入すると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。スマートオフィスを導入するメリットをオフィスの利用者と提供者の視点で見てみましょう。
利用者のメリット
スマートオフィスによる利用者のメリットは「生産性の向上」です。生産性とは仕事に投じた時間や資源に対して、どれくらいの成果が得られたかを表します。この生産性を向上するのに欠かせない要素は何か?それは「快適な労働環境」です。生産性が高い企業というのは、総じて労働環境の改善へ継続的に取り組んでいます。
例えば日本マイクロソフトは過去10年で年間売上高を180%成長させる一方で、作業を徹底的に効率化させることで「週勤4日制度」を取り入れるなど職場環境の改善に積極的です。生産性向上はこうした制度だけでなく、実際に働く場所の環境も大きく影響しています。
スマートオフィスではフリーアドレスや集中ブース等を設けることで従業員各人が好きなように仕事ができる空間を提供し、それぞれに合った環境を作ることで生産性を向上させます。照明等をスマートフォンアプリから操作して最適にしたり、会議室予約もボタン一つで完了するのでストレスがありません。
近年ではリモートワークやフレックスタイム制など制度面での働き方改革が進んでいますが、それと同時に労働環境の改善にも取り組みスマートオフィスを導入することで、利用者の生産性向上が期待できます。
提供者のメリット
オフィスの提供者が抱えているニーズといえば、「オフィスの固定費を削減したい」「利用実態に合わせて稼働率を上げたい」「利用実態に合わない過剰な稼働は防止したい」などです。しかし、利用者の利便性を考慮すれば固定費の削減は必ずしも簡単なことではありません。また、稼働率を上げたり過剰な稼働を防止することも難しいという実情があります。そこで提供者にとってもスマートオフィスがニーズを満たすのに有効です。
例えば人の行動に応じたファシリティ制御を自動的に行えるようになれば、エネルギーの消費効率は良くなり、固定費も削減されます。照明も空調も人の行動に応じて自動で制御されるので、利用者にとっては居心地の良い空間に、そして提供者にとってはコスト効率の高い空間になります。
さらに、予約管理や入退室管理によってリアルタイムな利用状況が把握できるため、利用実態に応じた新しいオフィスの形を提案することも可能です。
セキュリティと初期投資の課題
スマートオフィス導入にあたり課題になってくるのが「セキュリティ」と「初期投資」です。IoTやAIなどの先端技術を採用して快適なオフィススペースを実現することは大きなメリットがある反面、オフィスがデジタル的に制御されるようになることでセキュリティのリスクは増します。特に注意しなければいけないのが、外部のフリーWi-Fiを使用した際に端末に何らかのマルウェアが感染されてしまわないかというリスクです。その状態でスマートオフィスにアクセスしてしまうと、ネットワークを介して機密情報漏洩など重大な事件が起きてしまう可能性があることも否定できません。このため、スマートオフィスでは基本的なセキュリティ対策に加えて従業員各人がセキュリティ意識を高めることが大切です。
また、スマートオフィスによってオフィスをシステム化することで、当然ながら初期投資がかかります。スマートオフィスに必要なシステムをゼロから開発するとなると多大なコストがかかってしまうため、クラウドサービスや既存のソリューションを選択するのがベターとなるでしょう。また、セキュリティの強化や今まで使用していなかったデバイスの導入など、これまでにない費用が計上される可能性もあるので、スマートオフィス導入の際は広い視野でコストを試算する必要があります。
これらの課題をクリアできれば、スマートオフィスを導入するメリットは大いにあります。利用者にとっても提供者にとっても様々なビジネス効果を生み出す、新しいオフィスのあり方です。
wecrewが提供するスマートオフィス
wecrewは株式会社電通国際情報サービス(ISID)が提供する次世代スマートオフィス・ビルティングソリューションであり、オフィススペースの予約管理機能と入退室管理機能でリアルタイムな利用状況が把握できる他、その利用状況に応じて空調や照明等を自動制御し、オフィスの稼働率向上と効率的なエネルギー活用を実現します。Microsoft Azure上の統合されたプラットフォームとして稼働し、堅固なセキュリティを維持しながらスマートオフィス・ビルティングの導入が可能です。
ダイダン株式会社と共同開発したクラウド型設備制御システム「REMOVIS」と連携することでファシリティの自動制御が可能になっており、利用者にとって常に快適な空間を、提供者にとってエネルギー消費効率良いオフィスを提供します。
これからのオフィスのあり方であるスマートオフィス。実現の際は、wecrewによる環境整備をご検討ください。