開発

業務アプリケーションとは?開発方法やおすすめのツールを解説

IT技術の急速な進化に伴い、さまざまな業務でもデジタル技術の活用が広がってきています。今では各業務ごとに「業務アプリケーション」が多数登場しています。
本記事では、業務アプリケーションの概要や種類、開発する際のステップなどについて解説していきます。

Microsoft PowerApps はじめてのアプリ開発

業務アプリケーションとは

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業務アプリケーションとは、該当の業務を行う際の業務効率化を目的として開発されたアプリケーションのことです。略称として「業務アプリ」とも呼ばれており、その種類は多岐にわたります。
業務を効率化するために、従業員が利用するモバイル端末やパソコンなどから簡単にアクセスできるものが多いです。

業務アプリケーションは、大まかに2つの系統に分かれています。1つはシステム開発会社が開発した、どの企業にも当てはまるような汎用型のアプリケーション。もう1つは、特定の企業の業務内容に合わせてオーダーメイドで開発されたものです。
一概にどちらがいいというわけではありませんが、使いやすさや業務体系に適しているかといった観点から、自社に適したものを選択していきましょう。

業務アプリケーションの種類

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業務アプリケーションには、本章で解説していく「生産管理」「販売管理」「人事給与」など、さまざまな種類があります。それぞれのアプリケーションについて、簡潔に解説していきます。

1. 生産管理システム

「生産管理システム」とは、製品を製造する際に必要な原材料の原価や納期・在庫などを管理するものです。具体的な原価や納期をシステム上で管理でき、余剰在庫や過剰発注、欠品などのリスクを減らします。そのため、生産計画を無理なく立てることが可能になるでしょう。
製造業では多くの企業が導入を進めており、今後もニーズの拡大が見込まれています。

2. 販売管理システム

「販売管理システム」とは文字通り、製品やサービスなどの販売を管理するシステムのことです。販売する製品やサービスがどれくらいの価格で設定されているか、在庫はいくつあるかなどを管理してくれます。また製品を受注したら自動的に請求書を発行できるようにもなっているシステムが多く、必要書類の抜け漏れの心配がなくなるのも魅力的な点です。

3. 在庫管理システム

「在庫管理システム」とは、自社で抱えている製品の在庫数を正確に管理することができるシステムです。製品の需要に応じた在庫数を管理できるようになっており、余剰在庫などのリスクを回避できます。在庫管理システムでは、主にバーコードや「QRコード」を活用して製品の管理を行います。現場の従業員がバーコードで製品を読み取ると、システムが自動的に在庫数を更新してくれます。またバーコードを用いて製品の検索などもできるため、現場作業の効率化にもつながります。

4. 受注管理システム

「受注管理システム」とは、受注に関連する業務のすべてを管理するシステムです。受注業務では、見積書の送付、注文内容の確認、製品の在庫数・納期の確認、実際の納品、請求書の送付などを一連で行います。
細かい業務が多いことからヒューマンエラーが起きやすいですが、受注管理システムを導入することで、受注に関連する業務がすべてシステム上で行えます。

5.情報系システム

「情報系システム」とは、業務をスムーズに遂行するためのシステムのことです。例えば、業務に関するコミュニケーションを円滑にするための「ビジネスチャット」や、業務資料やデータの共有などを容易に行える「グループウェア」などが情報系システムに分類されます。
受注管理システムや生産管理システムとは異なり、特定の業務だけでなく、さまざまな業務に利用ができるシステムです。

6. 人事給与システム

「人事給与システム」とは、従業員の勤怠管理や給与計算などを行うシステムのことです。複数の勤務体系を抱えている企業では、従業員の給与計算が煩雑になりやすく、担当者の工数が増えてしまうことに加え、ミスが発生しやすい業務の代表例として知られています。
人事給与システムでは、システム上で従業員の勤怠と給与計算がひもづけられているため、ミスのないスムーズな業務が可能になります。

7. 財務・会計システム

「財務・会計システム」とは、業務を行った際に発生した経費や実際の売上金額などを管理するシステムです。貸借対照表や損益計算書を自動で作成してくれる機能がついているサービスもあります。
そのようなサービスを利用していると、書類に不備がないかの確認だけで決算書類の作成が行えます。加えて、システムに入力されたデータから、財務状況の分析や将来予測を行うことも可能なため、経営戦略にも活用できます。

業務アプリケーションを導入するメリット

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業務アプリケーションを導入することは、自社に大きなメリットをもたらします。本章では、特にメリットがある3点について解説していきます。

業務を効率化できる

業務アプリケーションの導入で、業務の効率化ができます。紙で管理していたり、表計算ソフトから転記作業が発生していたりと、担当者の工数を取っていた作業がアプリ上で完結することで、大幅な工数削減につながります。また、アプリ上の情報を常に最新情報にできれば、各方面への確認作業など無駄な工数も削減することができます。
例えば、これまで手書きで行っていた勤怠実績を表計算ソフトに打ち込んで給与計算を行っていた場合、転記の手間などがかかっていました。しかし業務アプリケーションではシステムを活用し自動化されるため、手作業をする必要がほとんど発生しません。
担当者の業務を効率的に行えるようになることが、業務アプリケーションを導入する最大のメリットです。

データの管理・分析が可能になる

業務アプリケーションを導入することで、業務をさまざまなデジタルデータとして扱えるようになります。業務アプリケーションで活用するデジタルデータは、リアルタイムで情報が更新されるため、常に最新の情報を管理することが可能です。
また、業務アプリケーションにはさまざまなデータが蓄積されていきます。例えば生産管理システムでは、原材料のコスト、納期、生産工程などです。これらのデータが蓄積されることで、具体的な生産計画を立てられるようになり、売上の予測にもつながります。
つまりデータを利用して、将来の分析にも役立てることが可能になるのです。

リモートワークの促進につながる 

従来、在庫管理や生産管理などを行うバックオフィス系の業務は、会社に出社しなければシステムに入ることができませんでした。しかし業務アプリケーションを導入することで、モバイル端末や自宅のノートパソコンからでもシステムを利用することが可能です。リモートワーク用の端末に業務アプリケーションをインストールしておけば、会社に出社することなく、自宅やサテライトオフィスなどどこからでもシステムにアクセスできます。
昨今活発になってきたリモートワークの促進にも、業務アプリケーションは貢献します。

業務アプリケーションの導入方法は3つ

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業務アプリケーションの導入方法には、主に以下の3つが挙げられます。

  1. 既存のアプリケーションを活用する
  2. 業務アプリケーション開発会社に開発を依頼する
  3. 独自の業務アプリケーションを自社で開発する

どの導入方法でもメリットやデメリットはあるため、自社の状況と目的に合わせて選択していくことが大切です。
次章から、それぞれの導入方法について解説していきます。

導入方法1. 既存の業務アプリケーションを活用する

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まずは、既存の業務アプリケーションを活用して導入する方法です。既存の業務アプリケーションは、システム開発会社が一般向けに開発しており、汎用性が高いのが特徴です。
すでに完成されている業務アプリケーションのため、システム開発会社に依頼をするよりも導入コストを抑えることが可能です。また、導入から運用までにかかる期間も短いため、すぐにでも業務アプリケーションを活用したい場合は非常に有効な導入方法でしょう。

既存の業務アプリケーションの活用がおすすめのケース 

既存の業務アプリケーションの活用がおすすめのケースとしては、導入してすぐに運用を開始したい、コストを抑えたい、自社の業務に適しているアプリケーションである、などのケースが挙げられます。
業務アプリケーションは汎用性が高い反面、カスタマイズ性に乏しいため、自社の業務に適合するかどうかはしっかりと見極めたいポイントです。

既存の業務アプリケーションの選び方

実際に既存の業務アプリケーションを選ぶ際は、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

  • 操作性や使用感はどうか
  • 必要な機能は備わっているか
  • セキュリティ対策は万全か
  • 利用しやすいデバイスで使えるか

操作性や使用感はどうか

業務に適したアプリケーションであっても、操作性や使用感が乏しいと、導入する目的である業務効率化は達成できません。そればかりか、導入前よりも業務効率が落ちてしまうことも考えられます。
特に会社には、ITが得意な人から不得意な人までさまざまです。ITが苦手な人でも、使いやすく、見やすいと感じてもらえる操作性を兼ね備えていることで、業務効率化は達成しやすくなります。そのため、導入する際は「誰でも使いやすいアプリか」という視点を持つことが大切です。
多くのアプリケーションでは、無料トライアルやデモ版など導入前に使用感を確認できます。

必要な機能は備わっているか

業務アプリケーションを導入したとしても、自社の業務にとって必要な機能が備わっていなければ、アプリケーションでカバーできない業務が出てきてしまいます。
基本機能はもちろんのこと、オプション機能なども確認して、自社の業務に必要な機能が備わっているかを確認しておくことが大切です。導入前には業務を整理し、どの機能がどの業務に当てはまるかを照らし合わせましょう。

セキュリティ対策は万全か

業務アプリケーションには、自社が事業を行う上で重要なデータが多く蓄積されていきます。こうしたデータが外部に流出してしまうと、信頼がなくなり、取引が減ってしまう可能性があります。どのようなセキュリティ対策が施されているか、しっかりと確認してください。
また、アプリケーション自体のセキュリティ対策はもちろんのこと、セキュリティ規約や個人情報保護方針なども併せて確認しましょう。

利用しやすいデバイスで使えるか

業務アプリケーションを導入したとき、どのデバイスでの運用を考えているでしょうか。従業員が倉庫で利用する場合、一般の従業員はスマートフォン、管理者はタブレットなどが向いているかもしれません。
自社で業務アプリケーションを導入した後の運用方法をイメージして、考えているデバイスで利用できるかを確認しておくことが大切です。例えばパソコンでは利用できますが、タブレットでの操作には適していないなどもあります。
業務効率化を達成するために、利用しやすいデバイスで使用できるかは大事なポイントです。

導入方法2. 業務アプリケーション開発会社に開発を依頼する

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続いては、アプリケーション開発会社に依頼する方法です。アプリケーション開発会社は文字通り、アプリ開発を行うプロフェッショナルなので、複雑なアプリケーションや大規模な業務アプリケーションなど、用途に合わせた開発をしてもらえます。
一方で依頼する場合は、既存の業務アプリケーションを導入する場合よりもコストがかかってしまうことがほとんどです。運用開始後の費用対効果を見極めて依頼することも求められます。

業務アプリケーション開発会社に依頼するのがおすすめなケース 

開発会社に依頼するのがおすすめのケースとしては、自社が特殊な業務運用を行っている、既存のアプリケーションでは補えない大規模なアプリケーションが必要、などが挙げられます。自社独自のオーダーメイドアプリケーションとなるため、業務のかゆいところまで手が届くアプリケーションが可能です。

業務アプリケーション開発会社に依頼する際の費用相場

業務アプリケーションの開発費用は、小規模のものであれば100万円前後、大規模なものになれば1,000万円以上かかるなど、さまざまです。
もちろん必要な機能が多くなればなるほど、費用も上がっていきます。大切なことは、自社にとって必要な機能は何なのかをはっきりとさせておくことです。明確にした上で、開発会社に費用の概算を見積もってもらうとよいでしょう。

業務アプリケーション開発会社の選び方

依頼する業務アプリケーション開発会社を選ぶ際は、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

  • 得意分野が開発したいアプリの分野と合致しているか
  • 予算は適しているか
  • これまでの開発実績はどうか
  • アフターサポートはどうか

得意分野が開発したいアプリの分野と合致しているか

アプリケーション開発会社は多くありますが、それぞれに得意分野が異なります。どんなに実績がある開発会社でも、自社の業務に適した分野での開発実績は乏しいといったケースは少なくありません。
依頼する開発会社の得意分野が、開発したい分野と合致しているかを確認しておくことが大切です。開発会社のホームページなどを確認して、ミスマッチがないようにしましょう。

予算は適しているか

自社の開発予算を超えて依頼すると、費用対効果が出てくるまでに時間がかかり、経営を逼迫(ひっぱく)してしまう可能性があります。
開発会社に依頼する際は、複数の開発会社から見積もりを取り、予算に合った会社に依頼することが大切です。また開発会社に依頼した場合、仕様変更などによって、後から追加費用が発生するケースは多々あります。なるべく修正などが起こらないように、正式依頼をする前に要件定義を固めておくことも大切です。

これまでの開発実績はどうか

開発実績が多数ある会社は、これまでのノウハウや経験を活かして開発を行ってくれます。また開発実績の数が多いことは多くの企業から依頼されている証でもあるので、信頼性も高いといえるでしょう。
もちろん前章で解説したように、得意分野での開発実績であるかは見極めるべきポイントです。自社が求めている分野での開発実績が豊富であれば、安心して依頼できます。開発実績はホームページなどから確認できるほか、開発会社へ直接問い合わせることも可能です。

アフターサポートはどうか

業務アプリケーションは導入することが目的ではなく、きちんと運用を行い、業務効率化を達成することが目的です。また導入期間よりも運用期間の方が長くなるため、開発会社がきちんとアフターサポートを行ってくれるかは大切なポイントです。
アフターサポートが万全であれば、操作で不明点があってもすぐに相談でき、システムエラーが発生した際も迅速に対応してくれます。依頼をする際には、開発のみならず、アフターサポートまで目を向けて選択するとよいでしょう。

導入方法3. 独自の業務アプリケーションを自社で開発する

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環境があるのであれば、業務アプリケーションを自社で開発することも可能です。その場合、開発に関するノウハウや高い専門知識が必ず必要となります。
自社で開発するメリットは、開発した業務アプリケーションの適合性に心配がいらない点です。自社開発のため、実際の現場で操作する担当者と連携が取りやすく、必要な機能はもちろんのこと、操作性の確認も容易に行えます。

独自の業務アプリケーション開発がおすすめのケース

自社で独自のアプリケーションを開発するのがおすすめのケースとしては、既存のアプリケーションが自社の業務に合っていない、開発するノウハウを持っている、などが挙げられます。初期コストがかかりますが使用料などはかからないため、運用後のコストは開発会社に依頼した場合と比較して割安です。長期的な視点でコストを安くしたいケースでもおすすめと言えます。

自社開発する際の費用

自社開発を行う際の費用も、システムの規模や開発期間によって変わってきます。そのため開発会社に依頼する場合と同様に、一概にいくらであるとは言えません。
システム開発を行う際に最もかかる費用は、エンジニアへの人件費です。人件費は「人月 × 人数 × 期間」で計算されます。開発に関わるエンジニアの人数、スキルなどによっても変動するため、事前にシステム開発担当の部署とすり合わせを行い、予算を策定することが大切です。

独自の業務アプリケーションの開発方法

実際に独自の業務アプリケーションを開発するには、以下の方法が挙げられます。

プログラミングを用いて自作する

プログラミングを用いて自作することは、システム開発で最も一般的であるといっても過言ではありません。しかし開発に関わる言語は、習得するのにどれも非常に難易度が高く、プログラミング言語により特徴も大きく異なります。
高いレベルでプログラミング言語を操るエンジニアがいれば、質の高い業務アプリケーションを開発することも可能です。人材が自社で用意できない場合は、短期的にエンジニアを雇うことも必要になってくるでしょう。
業務アプリケーションを開発する際に利用する代表的な開発言語は、「JavaScript」「Python」「PHP」「C/C++」「C#」などが挙げられます。

ローコードを用いて自作する

ローコードとは、ゼロからのコーディングではなく、少ないプログラムコードを活用して開発できる手法です。利用するプログラムコードが少なく、開発期間を短縮できることがメリットです。また、少ないプログラムコードを活用して構築するため、開発するエンジニアによっては拡張性の高い機能を追加することも可能になります。
ローコードツールは他のソフトウエアとの連携も行いやすいため、自社のシステムとの連携を考えている場合は重宝できる開発方法と言えます。

ノーコードを用いて自作する

ノーコードとは、ソースコードを利用せずに、業務アプリケーションの開発が可能な開発手法のことです。ノーコードではテンプレートが定められており、専門的な知識が必要なく、エンジニアとしてのスキルが問われないのがメリットです。
ソースコードの記述が必要ないことで、開発期間を短くすることも可能です。一方でテンプレートに沿って開発を行うため、複雑で大規模なアプリケーションの開発には向いていません。また機能面の拡張性も制限されてしまい、自社が開発したい機能をノーコード開発で賄えるかどうかは事前に確認しておく必要があります。

業務アプリ開発初心者におすすめのツール「Microsoft Power Platform」とは?

「Microsoft Power Platform」とは、Microsoft社が提供している業務アプリケーション開発ツールです。ノーコードを活用する簡易的な開発から、プログラミングを用いた高度なアプリケーション開発までを行えるのが大きな特徴です。
Power BI」「Power Apps」「Power Automate」「Power Virtual Agents」「Power Pages」と、5つのアプリケーションが備わっており、開発工数の削減や、リモートワークでの開発も可能です。

独自の業務アプリケーション開発の具体的なステップ

本章では、自社で独自の業務アプリケーションを開発する際の具体的なステップについて解説していきます。ステップは、以下の順で進めていきます。

  • 要件定義
  • 基本設計
  • 詳細設計
  • 開発
  • テスト
  • 運用

1. 要件定義:アプリの目的や必要な機能を明確化

要件定義とは、開発したいアプリケーションの全体像や方向性を決めていくことです。同時に、開発するアプリケーションで実装したい機能についても、要件定義で固めていきます。この後のステップの骨格となるため、要件定義がぶれてしまうと開発に大きな影響が出てしまいます。そのため、目的や機能をきちんと明確化することが大切です。

2. 基本設計:機能や画面などの設計

基本設定では、要件定義で固めたことについて設計を行っていきます。例えば、どのような画面にしたいのか、どのようなデザインしたいのか、開発チームの体制やいつまでに開発するのかのスケジュールなどです。アプリの使いやすさや、分かりやすさはこの基本設計の良し悪しによって変わってくるため、重要なステップとなります。

3. 詳細設計:システム内部の設計を行う

詳細設計とは、システムの詳細部分の設計を行うことです。基本設計で定めた内容を実現するために、どのようなプログラムを利用するのかなどを記載していきます。
この後の開発では、詳細設計を確認しながら進めていくため、エンジニアが迷わないように設計することが求められます。具体的には、必要な情報や開発手順など、細かい部分まで設計することが大切です。

4. 開発:設計に基づいてプログラミングを行う

開発では文字通り、これまで設計してきた内容に基づいて、エンジニアがプログラミングを行っていきます。開発のフェーズでは、設計書に定められた手順やスケジュールで進めていくことが大切です。反対に、開発フェーズに入るにもかかわらず設計を変更してしまうと、開発に大きな遅れが生じてしまうため、注意が必要です。

5. テスト:想定通りの仕様か確認

開発フェーズで行ったプログラミングがきちんと動作するか、テストしていくフェーズです。設計で定められた画面の表示になっているか、デザインは問題がないか、操作感は問題ないかなどを確認していきます。
また業務アプリケーションであれば、一連の流れがスムーズに運用できるかどうかも大切です。例えば、受注管理システムを開発しているのであれば、見積書の送付から請求書の送付までの一連の流れを行えるかなども見ていきましょう。
また他システムと連携を行う場合には、問題なくデータのやり取りが行えるかなどを確認していきます。

6. 運用:完成した業務アプリを導入

すべての工程をクリアしたら、いよいよ運用を開始します。開発したアプリケーションに応じた手続きを行い、審査を通過するとリリースが可能になります。
運用開始後は、快適な環境を維持するために、定期的なメンテナンスや日々のシステム監視は欠かせません。また、アプリケーションに不具合が出た場合は、すぐに対応ができる体制も必要です。開発して終わりではなく、適切なアプリケーション運用が行えるように努めていきましょう。

自社で業務アプリケーションを開発するときの注意点

自社で業務アプリケーションを開発する場合の注意点としては、以下の3点が挙げられます。

  • 専門的な知識やノウハウのある人材が必要
  • 開発にコストがかかる
  • 障害発生時やバグ発生時の対応が大変

専門的な知識やノウハウのある人材が必要

業務アプリケーションを自社で開発する際は、高いスキルと専門的な知識、アプリ開発に対するノウハウを兼ね備えた人材を登用することが欠かせません。
担当するエンジニアのスキルが低いと、その分開発が遅れてしまうばかりか、最悪の場合、開発が中止になる可能性もゼロではありません。また自社に適した人材がいなければ外部から登用する必要がありますが、高いスキルを持っている人材のニーズは各企業とも高いため、人材を確保することは容易ではありません。

開発にコストがかかる

自社で業務アプリケーションを開発するにも、一定のコストがかかります。繰り返しになりますが、業務アプリケーションは開発して完了ではありません。運用開始後の保守費用や、メンテナンス費用までを見越して開発を行っていくことが大切です。
業務アプリケーションの開発には、多くの人件費が必要なため、費用対効果を見極めて、開発する規模などを確認していくことが求められます。

障害発生時やバグ発生時の対応が大変

自社開発した業務アプリケーションを運用する際は、基本的に保守やメンテナンスも自社のリソースで行っていきます。既存のアプリケーションであれば、開発元の会社やベンダー企業に保守を依頼することも可能ですが、自社開発の場合は、保守運用を行えないなどの理由で断られてしまうケースも少なくありません。そのため障害発生時などは、迅速な対応ができる体制が求められます。
なお、保守運用を外部委託する場合は、委託先の運用体制やコストはどのようになっているかをしっかりと確認することが大切です。

まとめ

業務アプリケーションとは?開発方法やおすすめのツールを解説08
業務アプリケーションを導入し、運用することは、自社の業務効率化に大きく貢献します。さまざまな業務アプリケーションがあるため、一気に導入するのではなく、自社が改革したい部分の優先順位を決め、スモールスタートをしていくとよいでしょう。
大事なことは、導入することが目的ではないということです。業務アプリケーションを導入することで自社の業務をどのように向上させたいかを具体的にイメージして、進めていきましょう。

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