従来のオンプレミスERPには、導入までにある程度の時間を要するという課題があります。どのようなシステムも、早く導入できるに越したことはないでしょう。そこで検討したいのは、短期間で導入できるクラウド型ERPパッケージです。
オンプレミスERPは導入期間の長さが課題と言われてきた
従来のERP製品の特徴は、オンプレミス型であるがゆえの導入期間の長さです。これはオンプレミスERP導入における課題の一つとして、多くの現場で指摘されています。オンプレミスのERP製品の導入には、なぜ時間がかかるのでしょうか。
まず、ERP導入の際の工程を見てみましょう。
- 要件分析
- テスト環境構築
- ERPを導入する
- 導入後のユーザートレーニング
- 稼働する
- 稼働後のサポート
これらの工程は、完了までに3~9ヵ月ほどかかるとされています。企業がERPを導入することを決めても、実際にERPが稼働するまでにはかなりのタイムラグがあるのです。さらに、そのERPがクラウド型でなくオンプレミス型だった場合は、初期段階で行われる要件分析やテスト環境の構築にも、長い時間を要します。
オンプレミス型のメリットは、既存のシステムに合わせてカスタマイズ可能という自由度の高さです。しかし上記のように、その分環境構築や設定に時間がかかるというデメリットがあります。この長い導入時間が、オンプレミス型の問題です。
日立ソリューションズが短期間で導入できる理由
日立ソリューションズのERP製品は、短期間で導入できます。これは、「ERP導入プロジェクトの開始から本稼働までかなりのタイムラグがある」という大きな課題の解決につながるでしょう。日立ソリューションズは、なぜ短期間でERPを導入できるのでしょうか。
クラウド型のERP導入で短期納品を実現
短期での導入・本稼働が可能となるのは、従来のオンプレミス型ではなくクラウド型ERP製品を取り扱っているためです。
クラウド型ERPはネットワークを通じてシステムを利用できるため、オンプレミスの場合と違って新たにシステムを構築する必要がありません。サーバー構築時のサイジングや要件定義についても作業量が少なくなるため、導入は非常にスムーズです。
また、クラウド型ERPは従量課金制による料金体系・プランを取り入れています。オンプレミスと違って買い切り型の製品ではないため、すぐに始められるという特性を活かせます。このような理由で、日立ソリューションズは短期でERPを導入できるのです。
豊富なグローバルテンプレートを保有
豊富なテンプレートが準備されていることも、日立ソリューションズが短期でERPを導入できる理由の一つです。
日立ソリューションズのERP製品導入実績は豊富であり、現在もあらゆる企業が日立ソリューションズのERPを利用しています。日立ソリューションズはその実績を活かし、あらゆる形態のERP導入工程やソリューションをテンプレート化しています。
例えば、グローバル製造業の企業にはSCMテンプレート、原価管理テンプレート、会計テンプレート…といったように、業種ごとに用意されたソリューションが豊富にあります。日立ソリューションズは、これも活かして短期でのクラウド型ERP導入を実現しているのです。
日立ソリューションズのMicrosoft Dynamics 365 導入事例
ここからは、実際の導入事例を見ていきましょう。
事例1: スターライト工業株式会社様
最初に紹介するのは、高性能なエンジニアリングプラスチックを使用した自動車部品メーカーとして知られるスターライト工業株式会社様の事例です。
課題となっていたポイントは以下の2点です。
- 協力会社が保有する在庫を都度正確に把握しなければならないため、システムを運用していくうえで常に負荷がかかっている
- 製品の原価構造の把握が難しく、それらを改善するための活動も困難になっている
日立ソリューションズのMicrosoft Dynamics 365を導入したことで、以下のような改善が見られました。
- 発注や入庫、支給の実績を入力することにより、理論在庫をリアルタイムで把握可能に
- 原価管理テンプレートを活用することで原価構造のスムーズな把握が可能に
スターライト工業株式会社様は、Microsoft Dynamics 365統合ERP構築サービスを導入した結果、理論在庫把握の精度が高まり、原価についても製品別・大分類別に的確に把握できるようになりました。その結果、在庫管理と原価把握の効率化が進みました。
事例2: 株式会社ジンズ様
続いて紹介するのは、アイウェア業界で販売数日本一を誇る株式会社ジンズ様の導入事例です。
グローバルな事業展開を目指すうえでコストを見直しました。その結果、日立ソリューションズのMicrosoft Dynamics 365を導入し、国内・国外の両方におけるERPを統一することになりました。
課題となっていたポイントは以下の3点です。
- 運用コストの高さが業務標準化の妨げになっている
- さらなる事業展開に向けてこれまで以上に創造的な時間を設ける必要があるため、現場の業務を効率化したい
- システム管理部門の業務が全体的に重く、迅速な対応を可能にしたい
国内外ともにERPをDynamicsに統一した結果、以下のような改善が見られました。
- 基幹システムが統一されたことで無駄なコストが削減され、業務標準化が実現
- それまで使用してきたExcelがそのまま使えるため、業務効率化が実現
- 同じバージョンのERPを使用することで、少ない人数でもスムーズな運用が可能に
国内外すべての基幹システムを使用することで、ITコストを約8分の1に抑えることができました。
さらに業務標準化も可能になったため、逐一システム部門を介して操作を確認するという非効率的な工程がなくなったのです。これらは、基幹システム統一化がもたらした効果と言えます。また、DynamicsではExcelファイルをインポートできるため、これまで使用していたツールをそのまま活かせるという効率の良さも喜ばれました。
まとめ
ERPの導入・稼働をスムーズに行いたい場合は、クラウドERPが不可欠です。クラウドソリューションの普及が進む現代においては、ERP製品もオンプレミスからクラウドに移行しつつあります。
よりスムーズにクラウド型ERPを導入するためには、導入テンプレートを豊富に持つ企業のサービスを利用するのが効果的です。日立ソリューションズは豊富な導入実績を持つからこそ、導入テンプレートも充実しています。クラウド型ERPの導入を検討している場合は、ぜひお問い合わせください。