カスタマーサービス/顧客満足

CRMの導入で顧客満足度を向上するための方法

類似する商品やサービスが次々に生み出される現代社会において、否が応でも価格競争へ巻き込まれていきます。最終的には消耗戦に持ちこまれ、資金力のある企業だけが生き残る市場へと変化していくことが予測されます。

そうした市場で生き残りを図るために欠かせない取り組みがCRM(Customer Relationship Management:カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)です。顧客と新たな関係性を築くことにどんな効果があるのか?そして、CRMを導入し顧客満足度を向上するための方法とは何でしょうか?

CRMの導入で顧客満足度を向上するための方法

一歩先行く顧客対応!

CRMが必要とされている理由

現代ビジネスにCRMが必要とされている理由は、価格競争から脱却するためだけではありません。他には、多様化する顧客ニーズへの対応と、業務効率化による応対品質向上、顧客体験の向上という理由があります。

多様化する顧客ニーズへの対応

従来通りのビジネスを展開していれば安泰の企業は多くありません。顧客無くして企業が成り立たない以上、顧客の変化に追従していくのが企業の使命のようなものです。顧客ニーズが多様化している要因は様々です。インターネット普及による情報流通量の劇的な増加、多くの産業において商品やサービスのコモディティ化が進んだこと、情報武装した顧客の選球眼が厳しくなっていることなどが挙げられます。

そうして現状において、多様化する顧客ニーズに対応するためには顧客の思考や今求めているモノ・コトをよく理解し、それに沿った商品開発やサービス展開を行わなければいけません。良い商品やサービスを開発し、それを如何に売り込むか?ではなく、最初から顧客視点を大いに採り入れて顧客や市場が今求めているモノ・コトを見極めることが大切です。

業務効率化による応対品質アップ

莫大なコストをかければ、顧客満足度を向上することも可能かもしれません。しかし、それでは事業が赤字になってしまいます。企業は限られた資源の中で顧客満足度を向上するための最大限の努力を行わなければいけないのです。そこで有効的なのが、CRMを導入して業務効率化を図り、応対品質を向上する施策です。今、消費者は商品やサービスに満足するだけでなく、その企業や商品、サービスから得られる体験が最上であることを望んでいます。このような背景もあり、顧客との接点のためのデータベースであるCRMは不可欠と言えます。

CRMは顧客との関係性を管理する観点から、顧客の基礎情報から取引履歴、過去の対応履歴などあらゆる情報を管理します。そうして蓄積された顧客情報を分析すれば、要件ごとに最適な応対パターンを見つけ出したり、過去の応対履歴を参照にしながらスムーズに話を進めたりと、業務効率化を図りつつ応対品質を向上できます。そうすれば顧客満足度は向上し、ひいては利益として還ってきます。

そもそも顧客満足度とは何か?

CRMによる顧客満足度向上の方法についてご紹介する前に、少しだけ顧客満足度の本質についてお話します。

顧客満足度とはつまり、商品やサービスに対してどれくらい満足できる品質なのか?期待を超えるような品質なのか?を表す指標です。顧客満足度が高いほどリピート率も高くなり、必然的に売上高や利益も大きくなります。

この顧客満足度を構成する要素が、機能的価値と感情的価値です。機能的価値とは、商品やサービス自体が持つ品質による生み出される満足度です。製造業なら商品が想定通りに機能することや不良が無いこと、飲食業なら料理が美味しく店内が清潔に保たれているなどの要素が関係します。

一方、感情的価値とは主にカスタマーサービスなどの体験を通じて生み出される満足度を意味します。例えば、とある有名ホテルに宿泊した際に誕生日を覚えていてくれてメッセージカードが送られてくるなどカスタマーサービス面で顧客を感動させるような要素が該当します。

機能的価値と感情的価値の両方を最適化することが今の時代には求められているのです。

CRMで顧客満足度を高めるには?

それでは、CRMで顧客満足度を高めるにはどうすればよいのか?最初に取り組むべきことは、感情的価値の強化です。

商品やサービスの品質を高めて顧客満足度を向上する施策はとても大切です。しかし、顧客ニーズを把握してから商品開発やサービス展開に反映し、市場投入、さらに市場からフィードバックを受けて商品・サービスを改良するというサイクルはあまりに時間がかかり、一朝一夕で成るものではありません。機能的価値による顧客満足度向上は、中長期目線で取り組むべき施策です。

一方、感情的価値による顧客満足度向上はより短期間で取り組むことができます。まずは営業活動やカスタマーサポートでCRMを活用することをお勧めします。あらゆる顧客情報をCRMに蓄積し、それを基に営業活動やサポートを提供すれば、スムーズな応対によって顧客満足度は確実に向上するはずです。サポートにおいては、たとえクレーム目的での問い合わせであっても、それをチャンスと捉えて応対することができます。

CRM運用でやってはいけない注意点

CRMで顧客満足度を向上するには、機能的価値と感情的価値に注目して施策を展開するだけではいけません。CRM運用時には、さまざまなことに注意していかないと、思うような成果が得られない可能性があるでしょう。ここではその注意点をご紹介します。

1. 主観的な想いで顧客を理解しようとする

CRMには、多くの場合において対象となる顧客へ気軽にアンケート調査を実施する機能が付いているので、自社の商品やサービスに対する意見を採り入れることができます。しかし、アンケート調査を実施すると想定していたよりも意見や要望がバラバラなことが多く、それに困惑する企業も多いようです。

場合によっては一見信じがたい結果となり、アンケート内容や調査対象が間違っていたと結論付けることもあります。しかし、自社が想定していた結果が出なかったとして、それを事実と受け止めるのがとても大切です。

主観的な想いだけで顧客を理解しようとするのではなく、ありのままの事実を受け止めて自社の商品やサービスを見つめ直すことが非常に重要となります。

2. CRMの機能を過信し過ぎる

CRMには顧客満足度向上をサポートするような機能や新技術が多く盛り込まれています。最近ではAIなども搭載したCRMも登場しています。しかしながら、CRMの機能に頼り切った問題解決を目指してしまうと、思わぬ落とし穴に引きずり込まれる可能性があります。

CRMとはあくまでツールであり、機能はサポートするためのものです。機能そのものが問題を解決してくれるわけではないので、結局は業務プロセスをどう構築し直すか?どうやって顧客満足度中心の組織へと変化するか?ということをチームで話し合い、方向性を決めることが重要です。

CRMで顧客満足度向上を目指そう!

CRMは導入後すぐに効果を実感できるようなツールではありません。しかし、適切な運用方法に従ってコツコツと運用すれば、中長期的に大きな利益をもたらすツールとなります。まだCRMを導入していない場合は、この機会に顧客満足度を向上するための施策として、導入をぜひ検討してみてください。

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