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CRM、ERPのデータ活用で注意したい6つのこと

CRMERPの導入が進んできている企業にとって、蓄積したデータを経営活動に活用したいと考えている企業は多いのではないでしょうか?また、現在CRM、ERPの導入を検討している企業でも、導入後に蓄積されたデータを活用することを前提にしている企業も多いと思います。

CRM、ERPの基幹業務アプリケーションは、マーケティング~営業活動、受発注、債権債務、財務会計と企業活動を進めるうえで必要なデータを入力、出力し日々の業務をサポートしています。CRM、ERPは、分析目的ではなくデータを入力、出力、連携、蓄積と業務運用をスムーズに遂行することに重きが置かれて設計されています。

CRM、ERPでは膨大な量の業務データを日々蓄積しています。蓄積されたデータは企業活動を数値的に表しているため、これらからのデータを活用して、今後の戦略を策定することはとても有効な活動になります。

ご存知の方も多いと思いますが、現在分析業務で用いられるツールがBusiness Intelligence(BI)ツールです。BIツールは、データ分析に特化した機能が提供されており、膨大なデータであっても意味のある数値に集計・加工し、視覚化をサポートしてくれます。最近では、BIツール側が勝手に傾向を分析し、ユーザに傾向分析を自動で算出してくれる機能も提供されてきています。

CRM、ERPのデータを有効活用するためには、BIツールを導入し、膨大なデータを経営活動に活かすための仕組みづくりが必要です。CRM、ERPとBIツールを連携させ、分析業務システムを構築する際に注意すべき点があります。今回は、CRM、ERPのデータをBIで有効に活用するために注意したい6つのことについてご紹介していきます。

CRMの利用実態と課題

データ活用、BI導入の目的の明確化

BIツールを導入してもなかなか活用が進まないという話をよく耳にします。CRM、ERPで蓄積されたデータをBIで分析できるようになったが、実際はCSVやExcelの形で出力して、その後自分のクライアントPCにあるACCESSやEXCELでクエリ、マクロなどで集計しているといったこともよく耳にします。また、BIは良いツールだが、使い方がよくわからないため利用しないなど浸透しない理由は様々あります。

BIツールを有効利用するためには、データの活用目的をはっきりさせることが最も重要です。CRM、ERP側で蓄積されたデータを組合わせて、企業活動の何を分析し、どのようなアクションに繋げたいのかはっきりさせる必要があります。例えば、財務会計データからセグメントごとの利益や着地見込みを参照し、社内リソースを最適化するなど、データの活用目的やBI導入目的がはっきりしていないと社内に浸透せず、有効に活用されず、無駄な投資になってしまいます。

ダッシュボード、レポートはシンプルにする

データ活用の目的がはっきりしたところで、ダッシュボードやレポートの検討が始まりますが、ダッシュボードやレポートはできるだけシンプルに一目でわかるように設計することが重要です。シンプルでないと、ダッシュボードやレポートが何を意味しているのかがわかりにくく、ユーザの意思決定を支援することができないためです。よくダッシュボードやレポートを複雑にしてしまい、結局何が言いたいのかがわかりにくくなってしまっているものをよく目にしますが、それでは社内で利用されることはほとんどありません。

特に経営層がみるダッシュボードやレポートは、重要なKPIに絞り込んで、一目でどのような傾向になっているか視覚的に表現されているものがよいダッシュボードやレポートになります。タブレットやスマートフォンで確認して、すぐに内容が理解できるレベルが理想的です。

CRM、ERPに分析軸が存在するか?

BIツールで分析する場合、分析するための分析軸(項目)がCRM、ERPに存在するかを考慮する必要があります。分析目的もはっきりし、ダッシュボードやレポートの設計をしたが、それらを取得するためのCRM、ERP側にそもそも分析するための軸がなかったというケースがあります。その場合、分析したい軸でデータを表示させることができなくなり、ダッシュボードやレポートは当初設計の見直しが必要になります。

軸がない場合には、BIでの分析を意識してCRM、ERP導入時に項目をあらかじめ用意しておくか、CRM、ERP導入後に項目を追加するかのいずれかの対応になります。導入時に分析軸を意識して設計しておくと、導入は非常にスムーズですが、導入後に項目を追加する場合は影響調査が必要になるため、追加コストがかかります。CRM、ERP導入時に、BIでの分析軸を意識して項目設計を行うことが必要です。

CRM、ERPのデータが正しいか?

CRM、ERP側に分析に必要な分析軸(項目)が存在しているが、適切に運用されていないために値が入っていない、もしくは適切な値が入っていないということがあります。この場合、当たり前ですがBI側で分析軸としてダッシュボードやレポートを設計しても値が適切ではないため、正しい分析結果を得ることができません。

CRM、ERPに適正な値が入っていない理由として大きく、運用面の問題とシステム面の問題があげられます。運用面の問題は、システムとしては正しく設計されているが、ユーザが決められた運用ができておらず正しい値が入っていないケースです。この場合、CRM、ERPの運用が適正に行われていない原因を分析し、運用が適切に行われるための業務プロセスの見直しが必要です。場合によってはCRM、ERP側の修正が必要になります。

システム面の問題は、運用設計は正しくできているがシステム側の設計に不備があり、正しく値が設定されていないケースです。この場合、正しい値を得るためにシステム側の設計の見直しが必要になります。

CRM、ERPとBIツールがシームレスに連携可能か?

CRM、ERPのデータを分析したい場合、BIツールがシームレスに連携可能であることも重要な要素です。CRM、ERPのデータが日々蓄積されていくため、状況をリアルタイムでダッシュボードやレポートに反映できるBIツールが求められます。

昨今、CRM、ERPもクラウドで提供されることが多くなってきましたので、クラウドで蓄積したデータをクラウド上で自動連携できる組み合わせが有効です。例えば、Microsoft 社が提供するクラウドのCRM、ERPサービスであるMicrosoft Dynamics 365とクラウドのBIツールであるPower BIではあらかじめ両者を連携するサービスが提供されているため、シームレスな連携が可能です。そのため、連携機能を追加で開発の必要がないため、コストを抑えて、すぐに分析のためのダッシュボードやレポートを設計することができます。

スモールスタート

CRM、ERPのデータ分析やBIツールの導入でよくある失敗が、最初から多くの分析のダッシュボード、レポートの作成を計画してしまい、利用されないダッシュボードやレポートが増えてしまうことです。計画時点からシステム構築までの時間が長くかかってしまい、利用時点ですでに要件が変更になっていることも多々あります。これらを防ぐために、まずは分析目的に応じて範囲を絞りこんでスタートすることをお勧めします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?CRM、ERPに蓄積されたデータを活用する際のポイントについてご紹介してきました。先ほどもご紹介しましたが、CRM、ERPとBIツールがこれまではそれぞれ別のシステムで構築されることが多かったですが、最近ではこれらがクラウド上でシームレスに連携され、以前よりも早く柔軟に分析業務システムを構築することが容易になってきました。今回ご紹介したポイントを踏まえてCRM、ERPのデータを企業経営に有効活用してみてはいかがでしょうか?

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