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Azureの無料アカウントをフル活用しよう | 利用方法を解説

Azureの無料アカウントをフル活用しよう | 利用方法を解説

「Azureの無料枠を利用したいけど、どのサービスが無料で使えて、どこまで無料で使えるかわからない」
このような悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?

本記事では、その悩みを解消するためにAzureの無料枠を活用する方法について解説します。
常時無料で使えるサービスや無料枠を利用する際の注意点についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。

また、Azureのメリットや概要は以下の記事で詳しく解説しています。本記事と併せてご覧ください。

Microsoft Azureとは|何ができる?入門内容からわかりやすく解説

アプリケーション開発における課題別の解決方法とは? 〜Azureを導入するメリットも紹介〜

Azure 無料枠とは?

Azure 無料枠とは?

Azureは、Microsoftが提供するクラウドサービスです。
基本的には、使った分だけ料金が請求される従量課金制を採用していますが、無料枠が存在します。
しかし、無料枠には上限があり、その上限を超えると課金が開始されますので注意が必要です。
ここでは、その無料枠の特徴や無料枠を使ってできることを解説していきます。

Azureの無料枠でできることは?

Microsoft Azureを利用することで、Web上でマウス操作やキーボード操作のみで、仮想サーバーの構築や仮想ネットワークの作成、システムやアプリ開発を素早く行うことができます。

Microsoft Azureには無料枠があり、その無料枠を利用すれば、費用をかけずにアプリ開発を行うことも可能です。
無料アカウントかどうかにかかわらず、無料で利用可能なサービスについてはこの記事の最後に紹介します。

Azure無料枠の3つの種類

Azure無料枠には、主に3つの種類があります。

  1. 55種類以上のサービスが無料で利用できる期間を限定しない無料枠。
  2. 12カ月間にわたって一定の制限内で無料利用できる期間限定無料枠。
  3. 登録から30日間で最大200ドル分のクレジットを利用可能なクレジット無料枠。

Azure無料枠の3つの種類

55種類以上のサービスが無料

Microsoft Azure上では、250を超える数のサービスが利用可能です。
その中で、55種類以上のサービスを無料で利用できます。

  • アカウントの管理を行うための「Microsoft Entra(旧Azure AD)」
  • 構築した環境のコストを監視し、最適な提案を行ってくれる「Cost Management」
  • Webアプリやモバイルアプリの作成を行うための「Azure App Service」
  • Azureの代表的な非構造型のデータベースである「Azure Cosmos DB」
  • サーバーレスのコンピューティングサービスである「Azure Functions」

これらのサービスについては、無料で利用可能です。

無料で利用可能と説明しましたが、注意点があります。
Azure AttestationやCost Managementは、常時無料で利用可能です。
しかし、Azure App Serviceは、10個のアプリまで無料、ストレージ1GBまで無料のように日ごとや月ごとに無料枠に制限を設けているサービスもあります。

利用するサービスが常時無料で利用可能なのか、無料枠に制限があるのかMicrosoftの公式ページで確認をして利用を開始しましょう。

12カ月の期間限定無料枠を利用

Azureでは、新規ユーザーに向けて12カ月間の期間限定無料枠を提供しています。この期間中、一定の制限内でクラウドリソースを利用できるため、アカウント登録から1年間はコストを気にせずにサービスに触れることができます。

ネットワークの負荷分散を行うための「Load Balancer」やクラウド上でサーバーを構築する「Virtual Machines」が12カ月の期間限定無料枠の代表的なサービスです。

上記で説明した2つのサービスについては、毎月750時間分までと無料枠に制限を設けています。
そして、Virtual Machinesについては、メモリとコストを最小限に抑えたマシンである「B1sタイプ」のみが期間限定無料枠の対象です。

常時無料サービス同様に、利用前にどのタイプが無料なのか、無料枠に毎月の制限があるのかなどを公式ページで確認しましょう。

30日間で200ドルの無料枠を利用する

Azureへの初回登録者は、30日間で最大200ドル分のクレジットを無料で利用できます。
このクレジットを活用することで、クラウドサービスの広範な機能や用途を体験できます。仮想マシンの起動、データベースの設定、アプリケーションの作成など、さまざまなプロジェクトを無料枠内で実行できます。

ただし、30日間でクレジットを使い切った場合や、クレジット枠を超えて使用した場合は、課金が開始されるため注意しましょう。
特に、200ドル分を使った場合は、30日間経っていなくても料金が発生するため、Azureの費用管理ができるAzure portalでどの程度コストがかかっているかこまめにチェックしましょう。

Azureの無料アカウント作成方法

Azureの無料アカウント作成方法
Azure無料枠の概要について解説してきました。ここからは、初めてAzureを利用する方に向けてAzureの無料アカウント作成方法を解説します。

Azure 無料アカウント作成に必要なもの

Azureの無料枠を利用するための無料アカウント作成には、以下の3つが必要です。

  1. Microsoftアカウント(メールアドレス)
  2. 電話番号
  3. クレジットカード

この3点を準備したうえで、アカウント作成を始めてください。

Azure 無料アカウントの作成にクレジットカードの登録が必要

Azureの30日間の無料枠を使用するだけならばクレジットカードの登録は必要ないのでは?と感じる方もいると思います。

しかし、無料アカウントの作成にはクレジットカードの登録が必須です。
その理由として、ロボットによるアカウントの大量作成を防ぎ、Microsoft側でアカウントの管理や認証を強化する目的があるためといわれています。

Azureの無料アカウント登録手順

Azureポータルで、無料アカウントを作成する手順をご紹介します。以下のステップに従って、簡単にアカウントを作成できます。なお、画面ショットは一部変更になっている場合があり、実際の画面と異なることがありますが、全体の流れは同じです。

始めるボタンをクリック: Azureの公式ページで「Azureを無料で試す」ボタンをクリックします。

1. アカウント作成開始

「無料で始める」ボタンをクリックして登録を開始します。
Azureの無料アカウント登録手順-01

yahoo・Googleなどの検索エンジンで、「Azure ポータル」と検索しAzure ポータル - 無料アカウントをクリックします。
下記URLからも作成可能です。

Azureのアカウント作成はこちらから

Azureの無料アカウント登録手順-02

ページが切り替わったら緑のボタン「無料で始める」をクリックします。

2. Microsoftアカウントの作成 
Azureに登録はしたことが無い場合でも、Microsoftアカウントを所持している場合もあります。
すでに、Microsoftのアカウントを登録済みの方は、メールアドレスとパスワードを入力しサインインを行いましょう。
まだ、Microsoftアカウントも持っていない方は、青文字の「作成」をクリックしてアカウント作成を行います。

Azureの無料アカウント登録手順-03

メールアドレスとパスワードを入力後、メール認証を行います。
メール認証終了後は、ロボット操作ではないことを証明するための確認があるので、ここまでは手順に沿ってすすめてください。

3. 個人情報の入力
名前、電話番号、住所をそれぞれ入力します。
電話番号入力後は、SMSもしくは通話による電話番号認証が必要になります。

Azureの無料アカウント登録手順-04

4. クレジットカード情報の入力
クレジットカード情報を入力します。無料枠内で使用する場合でも、クレジットカードの登録が必要です。

Azureの無料アカウント登録手順-05

5. 契約内容の確認
契約内容を確認し、問題がなければチェックボックスにチェックを入れて「サインアップ」をクリックします。

6. 登録完了
これで無料アカウントの登録が完了しました。以下のような画面が出ていれば、すぐに無料アカウントでAzureを利用できます。

Azureの無料アカウント登録手順-06

Azure 無料アカウント利用時の注意点

Azure 無料アカウント利用時の注意点

Azureの無料アカウントを利用する際には、いくつかの注意点を把握しておくことが大切です。そこで、ここからは無料枠利用時の注意点を3つ紹介します。

無料枠で利用できるサービスを確認する

すでに解説した通りですが、Azureの無料アカウントでは、一部のサービスを無料枠内で利用できます。

無料枠に含まれるサービスは定期的に変更されるため、Microsoftの公式ページで最新情報を確認してください。
特に、Virtual Machinesはインスタンスの選択を間違えて料金が発生したというケースが多いです。
無料枠内でサービスを利用する際には、料金が発生する可能性があるため注意深くサービスを選択しましょう。

Azure無料枠2回目の申し込みは可能か?

Azureの無料枠は、1つのMicrosoftアカウントにつき1回利用することができます。すでに無料アカウントを利用した場合、同じMicrosoftアカウントで2回目の無料アカウント申し込みはできません。

別のメールアドレスや電話番号を利用していても、同一クレジットカードで無料枠を2回利用することはできません。
下の画面のように無料アカウントの対象外と表示されます。
この場合は、無料枠ではなく従量課金制でのサインアップが必要です。

従量課金制でも、無料で利用できるサービスはあるためそのサービスについて最後に解説します。

Azure無料枠2回目の申し込みは可能か?

Azure無料アカウントは12カ月後どうなるのか?

Azure無料枠は、申し込みから約12カ月間利用することができます。
また、30日間200ドルのクレジットで無料でサービスを利用することも可能です。
では、この無料期間を過ぎた場合、アカウントはどうなるのでしょうか。

無料期間を過ぎた場合は、メールアドレス宛てに無料期間終了の通知が届きます。
そこで、継続してサービスを利用する場合は、有料の従量課金制プランへのアップグレードを行いましょう。

無料枠からアップグレードせず、放置しておくと構築したサービス等は30日後に削除されるため注意しましょう。

Azureで常時無料で利用できる主なサービス

Azureで常時無料で利用できる主なサービス

最後に、12カ月の期間限定無料枠、30日間のクレジットでの利用にかかわらず常時無料で利用できるサービスを紹介します。
中には、毎月の無料枠に制限があるサービスも含まれますので注意してください。

Microsoft Entra ID (旧称 Azure AD)

Microsoft Entra ID(旧称 Azure AD)は、ユーザーとデバイスのアカウント管理をサポートするサービスです。
シングルサインオンの導入や多要素認証の設定など、セキュリティ強化に欠かせない機能を提供します。初心者でも使いやすいインターフェースで、組織内のアカウント管理を効率的に行えます。

このAzure ADに関しては、無料枠に制限がなく常時無料で利用できます。

★詳しくはこちら:
Azure ADでできることや導入のメリット、プランについて紹介

Batch

Azure Batchは、簡単にいうと、大規模な計算作業を並列処理の技術を用いて効率的に行うためのサービスです。

大量の画像や動画を変換・処理する場合を考えてみましょう。1台のコンピュータだけでこの作業を行うと時間がかかるかもしれませんが、Azure Batchを使用すると、複数の仮想マシンを利用して同時に処理を行うことができます。これにより、処理時間が大幅に短縮されます。
Azure Batchについては、常時無料で利用可能です。

Virtual Network 50ネットワークまで無料

Virtual Networkは、仮想的なネットワーク環境を構築するためのサービスです。
最大で50個のネットワークを無料で作成でき、クラウド内のリソース同士や外部リソースとの通信が可能になります。

App Service

App Serviceは、Webアプリケーションやモバイルバックエンドを簡単に構築するためのサービスです。
異なるプログラミング言語やフレームワークに対応しており、初心者でも簡単にアプリケーションを開発できます。
App Serviceは、10個のアプリまで無料で作成でき、ストレージも1GBまで毎月無料で利用可能です。

★詳しくはこちら:
Azure App Serviceの導入メリットとは? 使い方や料金、無料枠でできること

Azure Machine Learning

Azure Machine Learningは、Microsoftのクラウドプラットフォームで提供される機械学習(Machine Learning)のためのサービスです。簡単にいえば、データを活用して予測や分析モデルを作成し、それをビジネスや研究の課題に適用する手段を提供するものです。
このサービスは、常時無料で利用可能です。

Azure Kubernetes Service (AKS)

Azure Kubernetes Serviceは、Kubernetesというツールを利用してコンテナ化されたアプリケーションを管理・実行するためのサービスです。
コンテナは、アプリケーションやその実行に必要な環境や設定を1つのパッケージにまとめたもので、環境によらず一貫性のある実行が可能です。
しかし、複数のコンテナを組み合わせてアプリケーションを構築・管理することは難しいとされています。そこでKubernetesを用いることで複数コンテナの管理が容易になります。そしてKubernetes自体の管理をサポートできるサービスが、Azure Kubernetes Serviceです。
このサービス自体は常時無料で利用可能ですが、他サービスと連携させたりアプリを作ったりする際に費用がかかる場合があるため注意しましょう。

★詳しくはこちら:
AKS(Azure Kubernetes Service)とは?導入メリットや料金をわかりやすく解説

Azure Migrate 

Azure Migrateは、オンプレミスのサーバーや仮想マシンをAzureに移行するためのツールセットです。移行プロジェクトを簡素化し、初心者でも安全に移行作業を進めることができます。
Azure Migrateは、常時無料で利用可能です。

まとめ

本記事では、Azureの無料枠の概要やアカウント作成方法について解説しました。
Microsoftが用意している無料枠には、常時無料で利用できるサービスのほかに、登録から12カ月の期間限定無料枠と、30日間200ドルのクレジットが利用できるタイプの無料枠の両方を利用可能です。

Azure無料枠内でサービスを利用する際は、そのサービスの概要を事前に学ぶことに加えて、公式ページで無料で使えるかどうか随時確認するようにしましょう。
Azureの各サービスの使い方や概要については、別記事でも紹介していますのでそちらも併せてご覧ください。

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