皆さんは日ごろメモアプリケーションとしてどのサービスを利用していますか?マイクロソフトが提供するOneNoteでしょうか?それとも、定番のEvernoteでしょうか?2016年にEvernoteのサービス改訂(料金アップなど)がされてから、OneNoteに移行したというユーザーは多いでしょう。今年4月にはプラスプランの受付も終了したので、これからメモアプリケーションを利用したいという人はOneNoteかと迷っているのではないでしょうか?
そこで今回は、OneNoteとEvernoteどっちを選ぶべきなのか?と悩んでいる方に向けて、両サービスを徹底比較してまいります。
OneNoteとEvernoteのプラン
最初にOneNoteとEvernoteのプランを確認します。まずはEvernoteから。
Evernoteでは無料で使えるベーシックプランとストレージ容量を拡張したプレミアムプラン、さらにビジネスユーザー向けのビジネスプランの3種類があります。各プランの料金と使用できるストレージ容量は次の通りです。
Evernoteプランごとの料金とストレージ容量 |
|||
プラン |
ベーシック |
プレミアム |
ビジネス |
料金 |
無料 |
5,200円/年 |
1,200円/月 |
ストレージ容量 (月間アップロード) |
60MB |
10GB |
20GB |
Evernoteは他のクラウドサービスと違い「保存容量」ではなく「月間アップロード容量」で容量制限をカウントします。例えばプレミアムプランの場合は、毎月10GBのデータアップロードを許容するものであり、サービス全体として10GBしか保存できないというわけではありません。1年間毎月10GBのデータアップロードを行えば、総保存容量は120GBになります。
つまり、月間でのアップロード容量制限はあるものの、サービス全体としての保存容量には実質制限がないということです。
次のOneNoteのプランを確認していきましょう。と言いたいところですが、実はOneNoteにはプランというものはなく基本的には無料で利用できます。というのも、OneNoteで作成したノートの保存先はOneDriveというクラウドストレージサービスになるため、料金や保存容量は利用するOneDriveのプランによって変わるのです。なのでここではOneDriveの各プランの料金と保存容量をご紹介します。
OneDriveプランごとの料金とストレージ容量 |
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プラン |
無料プラン |
50GBプラン |
Office 365 Solo |
料金 |
無料 |
249円/月 |
1,274円/月 または12,744円/年 |
ストレージ容量 (サービス全体) |
5GB |
50GB |
1TB |
OneDriveは一般的なクラウドストレージと同じようにサービス全体の保存容量でプランが決まります。無料で利用できるプランの場合は5GBです。Evernoteの無料プランは月間アップロード容量が60MBなので、その約85ヵ月分の容量ということになります。Evernoteの無料プランを使い続けて5GBの総容量に達するのはピッタリ7年後です。
有料プランになると月額249円で50GBのストレージ容量が利用できます。Evernoteは月額約433円で月間アップロード10GBですが、5ヵ月を経過すれば総容量50GBを超えるため、これはEvernoteの方が利点は高いかもしれません。
Office 365 Soloというのは正確にはOneDriveとは違ったサービスです。ただし容量拡張の選択肢として最上位に位置しているサービスなので同列にて紹介しています。後述しますがOffice 365には1TBのOneDriveストレージ容量だけでなく、様々なサービスが付帯しますのでEvernoteのビジネスプランと一概には比較できないものです。
ただし容量だけで比較するなら、Office 365 Soloが提供する1TBという容量はEvernoteのビジネスプランが提供する月間アップロード容量の約51ヵ月分です。Evernoteのビジネスプランは4年3ヵ月が経過した時点で総保存容量が1TBを超えます。
こうした料金とストレージ容量の比較だけでは見えてこない部分もあるので、プランごとに機能を比較してみましょう。
OneDriveとEvernoteの機能比較
それではOneDriveの無料プランとEvernoteのベーシックプラン。OneDriveの50GBプランとEvernoteのプレミアムプラン。Office 365 SoloとEvernoteのビジネスプラン。という順に、OneNoteの機能を含め比較していきます。
プラン |
OneDrive 無料プラン |
Evernoteベーシックプラン |
料金 |
無料 |
無料 |
ストレージ容量 |
5GB(サービス全体) |
60MB(月間アップロード) |
機能 |
● ワンクリックでノートを作成する ● ワンクリックで新しいページを追加する ● パスワードをかけて保護する ● 印刷範囲を指定してプリントアウトする ● Web情報の好きな場所を切り取って貼り付ける ● ペンを使用してイラストを描く ● 図形を作成して貼り付ける ● 表を作成して貼り付ける ● 録音・録画しながらメモを書く ● スマートフォンからメモを書く ● 手書き文字をスキャンしてメモにする ● ファイルを添付する ● 音声・動画を添付する ● テキストや画像にリンクを付ける ● OneNoteでビデオを録画する ● スマートフォンから写真をノートに挿入する ● Windows PhoneからOneNoteの音声録音する ● Excelファイルをスプレッドシートとして表を挿入する ● ノートを他者と共有する ● ToDoとしてOutlookと連携する ● 他のパソコンでノートを共有する ● 他のスマートフォンでノートを共有する ● 全文検索でノートを見つける ● ノートをメールに添付する ● 内容をWordに変換する ● Outlook.comで無料のメールアドレスを取得 ● Skypeで無料の音声通話とビデオ通話を使用 ● WindowsエクスプローラーやMac Finderと連携したデータ同期 ● 無料で利用できるOffice Online |
● 2台の端末にデータを同期 ● Web ページ、画像、PDF をクリップ保存 ● 画像に含まれる文字を検索 ● 友人や同僚とノートを共有 ● モバイル版アプリにロックを追加 ● サポートはセルフサービス ● ノートをオフラインで使用(デスクトップ版のみ) |
プラン |
OneDrive 50GBプラン |
Evernoteプレミアムプラン |
料金 |
249円/月 |
5,200円/年 |
ストレージ容量 |
50GB(サービス全体) |
10GB(月間アップロード) |
機能 |
無料プランと同じ |
ベーシックプランの内容に加えて ● お使いの全端末にデータを同期 ● ノートをオフラインで使用(スマートフォン含む) ● メールを Evernote に転送 ● PDF や Office 文書のファイル内を検索 ● PDF に注釈を挿入 ● ノートをプレゼンテーションに即変換 ● 名刺をスキャンしてデジタル化 |
プラン |
Office 365 Solo |
Evernoteビジネスプラン |
料金 |
1,274円/月 または12,744円/年 |
1,200円/月 |
ストレージ容量 |
1TB(サービス全体) |
20GB(月間アップロード) |
機能 |
OneDrive各プランのの内容に加えて ● Word、Excel、PowerPointなどOneNoteも含め全7つのOfficeアプリケーションが利用可能なライセンス ● Officeを最大2台のデバイスにインストール可能 ● 固定電話や携帯電話への通話が毎月60分無料になるSkype通話 ● ランサムウェアの検出と保護 ● ファイルの復旧 ● パスワードで保護されたリンク |
プレミアムプランの内容に加えて ● モバイル版アプリにロックを追加 ● 専任の担当者によるサポート対応 ● シングルサインオン (SSO 認証) ● 一元化されたユーザ管理 ● 同じワークスペースで共同作業 ● SCIM でユーザのプロビジョニングを自動化 ● NEW! 新機能「スペース」で情報共有がさらに簡単に |
機能面を考慮するとOneDriveやOffice 365 Soloの方が圧倒的にパワーユーザー向きの機能を提供しています。ただし、用途によって何が最適かは変わるので、しっかりと比較してから導入すべきメモサービスを選択しましょう。
また、企業や組織においてはメモはコラボレーションの一環として位置づけるほうが適当でしょう。その際にはOffice 365などの統合ソリューションがより適切になるでしょう。