クラウドストレージはメールと並びみなさんが利用しているクラウドサービスです。市場は年々成長傾向にあり、米国の調査委事業およびコンサルティング事業を提供する「MarketsandMarkets」によれば、クラウドストレージ市場は2017円の307憶ドル(約3兆3,700億円)から2022年にはその約3倍の889億ドル(約9兆7,700億円)に達する見込み※1です。
本稿を読まれているみなさんも、何らかの形でクラウドストレージを利用しているのではないでしょうか。というのも、マイクロソフトが提供する無償サービスのOutlook.comやOffice OnlineはMicrosoftアカウントを作成することで簡単に利用できますが、OfficeドキュメントのデータはクラウドサービスであるOneDrive上に保存されています。
同じように、Googleが提供する各種サービスに関してもGoogleドライブというクラウドストレージを保存場所としているので、あまり意識していなくても実際には多くの方が利用しているものなのです。
今回は、マイクロソフトが提供するクラウドサービスのOneDriveおよびOneDrive for Businessのプランをご紹介し、その機能と料金を比較していきます。
大きな位置づけとしては、OneDriveは一般消費者向けのクラウドサービス、OneDrive for Businessはビジネス向けのクラウドサービスというのが基本的な違いです。それではプラン内容からご紹介します。
OneDriveのプラン、OneDrive for Businessのプラン
OneDriveで利用できるプランは3つあります。まずは無償で利用できるストレージ容量5GBのプランです。これはMicrosoftアカウントを作成すると自動的にサービス登録したことになり、すぐに5GBのストレージ容量が使えます。ちなみに5GBというストレージ容量は800万画素のカメラで撮影した写真が最大で1,250枚程度保存できる容量です。
5GBのストレージ容量では足りないというユーザーはこれを有償で50GBに拡張できます。10倍のストレージ容量なので、個人利用としては十分な容量でしょう。50GBに拡張するための料金は月額249円です。
OneDriveを個人利用ではなくビジネスでも活用したいという場合、50GBではストレージ容量が足りなくなる可能性があります。特に最近では大容量ファイルをやり取りするのが当たり前の時代なので、少なくとも500GB以上のストレージ容量は欲しいというケースも多いでしょう。そこで1TBのストレージ容量を提供するOffice 365 Soloというサービスがあります。
Office 365 SoloにはOneDrive(1TB)をはじめ、固定電話や携帯電話への通話が毎月60分間無料で使えるSkypeや、最新の全Officeアプリケーションを含むOfficeライセンスが付帯したりと1TBのストレージ容量だけではないメリットがあります。このサービスを利用するには月額1,274円または年額12,744円(月額よりも2,544円安い)の料金がかかります。
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5GBプラン |
50GBプラン |
Office 365 Solo |
料金 |
無償 |
月額249円 |
月額1,274円 または 年額12,744円 |
機能 |
一般的なクラウドストレージとしての機能 Outlook.com Skype Office Online |
1TBのクラウドストレージ 毎月60分無料のSkype通話 Officeライセンス (最大2台までインストール) Office Online
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次にOneDrive for Businessのプランについてご紹介します。OneDrive for BusinessもOneDrive同様に単体サービスとして利用する場合と、Office 365サービスの一部として利用する場合があります。ただしプランの構成はもう少し複雑です。
まずOneDrive for Businessを単体サービスとして利用する場合はプラン1とプラン2という2つの選択肢があります。どちらも1TBのストレージ容量を提供していますが、プラン2の場合は条件によって5TBやそれ以上のストレージ拡張が可能です。料金はプラン1が月額540円、プラン2が1,090円です。
料金が倍以上の差がある理由は、プラン2ではコンプライアンス維持やセキュリティ強化といった高度な管理機能が付属しているためです。クラウドストレージは便利である反面、不適切な利用によって情報漏えいなど重大な事態を招くことがあります。プラン2にはそれらを防ぐための管理機能が備わっています。もちろんプラン1も企業で利用することを想定しているため、管理者がユーザーを管理するための機能があります。
では、Office 365サービスの一部としてOneDrive for Businessを導入する場合はどういったプランがあるのか?まずは各プランを一覧で紹介し、表にて機能や料金の違いを確認していきましょう。
- Office 365 Business Essentials
- Office 365 Business Premium
- Office 365 Enterprise E1
- Office 365 Enterprise E3
- Office 365 Enterprise E5
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Office 365 Business |
Office 365 Enterprise |
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Essentials |
Premium |
E1 |
E2 |
E3 |
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料金 |
540円 |
1,360円 |
870円 |
2,180円 |
3,810円 |
ストレージ容量 |
1TB |
1TB(拡張可能) |
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Officeライセンス |
× |
〇 |
× |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
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〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
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〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
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OneDrive for Business |
プラン1に相当 |
プラン2に相当 |
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〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
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Planner |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
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Staff Hub |
× |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
Delve |
× |
× |
〇 |
〇 |
〇 |
電子情報開示 |
× |
× |
× |
〇 |
〇 |
標的型攻撃対策 |
× |
× |
× |
〇 |
〇 |
ビッグデータ解析 |
× |
× |
× |
〇 |
〇 |
ご覧のようにOffice 365サービスでOneDrive for Businessを利用すると様々なサービスが利用可能になり、1TBのクラウドストレージだけでなく企業全体のコミュニケーション促進につながります。ちなみにOffice 365 Enterprise E3およびE5ではプラン2同様に条件によってストレージ容量の拡張が可能です。
ビジネスではクラウドストレージだけでなく、様々なサービスやアプリケーションを組み合わせることで業務を遂行したり、企業のコミュニケーションを促進する必要があります。皆さんのビジネスにとって今必要なサービスとは何でしょうか?クラウドストレージに着目する場合でも、Office 365サービスのように様々なサービスを提供するものに注目してみてください。そうすることで、自社ビジネスにとって本当に必要なサービスが発見できるはずです。