Exchange Onlineの機能の一つとして提供されている「階層型アドレス帳」は、アカウントが増加したことで見づらくなった連絡先表示を整理し、直感的で分かりすい連絡先表示を提供する機能です。
今回は、このExchange Onlineの階層型アドレス帳の特徴や、活用方法などについて紹介していきたいと思います。
細かい部分での業務効率化効果ではありますが、メールシステムとしてExchange Onlineの利便性を高めることができるので、ぜひ参考にしてください。
階層型アドレス帳とは?
グローバルアドレス一覧(GAL)の実装により、組織内の連絡先を一覧で表示することができるExchange Onlineですが、ユーザー数が多くなるにつれ表示される連絡先も多くなり、目的の連絡先を探すのにひと手間かかってしまうことがあります。
メール業務は日々発生するものなので、こうした細かい部分での業務効率化から始めたいという企業も多いでしょう。
Exchange Onlineの階層型アドレス帳とは、言わばこの課題を解決するための機能です。
階層型アドレス帳を使用すると、ツリー形式で連絡先を表示することができます。
このようにグループやユーザーの一覧表示を避け、階層構造でアドレスを表示させることにより、素早く目的の連絡先を見つけることができます。
今回は階層型アドレス帳の基本やメリットになどについて紹介しているので、階層型アドレス帳の利用方法については次のページをご参照ください。
階層型アドレス帳を利用するメリット
Exchange Onlineの階層型アドレス帳を利用することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
階層構造で組織体制を把握できる
階層型アドレス帳はそのまま組織体制を表しているので、新入社員などはアドレス帳を見るだけで組織体制を把握することができます。
コミュニケーションコストの削減
部門間のコミュニケーションが少ない企業においては、業務上連絡を取る必要性がありつつも、誰に連絡を取ればいいのか分からないという状況があります。
このとき、特定部門に連絡し、場合によっては2人3人と経由してから連絡を取るべき人物にたどり着くというケースが少なくありません。
階層型アドレス帳を利用していると、業務ごとに「誰に連絡を取ればいいのか?」を素早く判断できるため、コミュニケーションコストを最小限に抑えることが可能です。
役職順に並べることができる
デフォルトでは五十音順位並んでいる連絡先ですが、階層型アドレス帳では役職順に連絡先を並べ替えることができます。
日本企業の場合、商習慣的に五十音順での表示よりも役職順での表示の方が好まれる傾向にあります。
Outlookからも利用できる
Office 365を利用することで、Outlookから階層型アドレス帳を利用することも可能です。日々使い慣れたメールアプリケーションから利用できるので、毎日のちょっとした業務効率化につながります。
よく使う連絡先をお気に入り登録できる
階層型アドレス帳ではよく使う連絡先をお気に入り登録できるので、Outlookからの利用と合わせて日々の業務効率化ができる機能です。
階層型アドレス帳の活用方法
プロジェクトごとの重要グループを分類する
各プロジェクトでは中心に動いているメンバーと、支援的に関わっているメンバーの2つが存在します。情報の種類によっては中心メンバーでしか共有を許されていないものなどもあるでしょう。
こうした時、プロジェクトの中心メンバーとそうでないメンバーをグループ分けし、情報の種類によってグループを使い分けるという活用方法を取ると、重要情報の誤送信などを防ぐことが可能です。
Notesからのグループウェア乗り換えに
IBM社が提供するグループウェアシステムのNotesは、メールシステムに階層型アドレス帳を採用しています。
近年Notesからクラウド型のグループウェアサービスへ乗り換える企業が増えていますが、階層型アドレス帳に対応している製品はそう多くありません。
しかし、この連絡先表示に慣れてしまうと、通常の連絡先表示では不便を感じることが多いため、可能なら階層型アドレス帳を採用しているグループウェアサービスを導入したと考える企業も少なくありません。
そこでNotesからの乗り換えでOffice 365を選ぶことにより、クラウドサービスとして統合されたグループウェアサービスを導入すると共に、Exchange Onlineの階層型アドレス帳機能でNotesと変わりない連絡先表示を可能とします。
Exchange Onlineを利用する様々なメリット
階層型アドレス帳という機能一つとっても便利なExchange Onlineですが、これ以外にも様々なメリットを提供しているのが特徴です。
大容量のメールボックス
Exchange Onlineではユーザーごとに50GBの大容量メールボックスが用意されています。さらに、上位プランでは容量無制限のアーカイブボックスを提供するなど、大量のメールも難なく保管できるメールシステムです。
会議室や備品管理も可能
Exchange Onlineなら、システム上で会議室や備品管理も可能なので、会議室をわざわざ抑える手間やを削減し、システム管理者は適切な備品管理を行うことができます。
外出先から職場と同じ環境にアクセス
Exchange Onlineはクラウドサービスなので、インターネットを経由しメールシステムへとアクセスします。このため外出先や自宅にいても、職場のデスクとまったく同じ環境にアクセスすることができるのです。
仕事をする時間や場所を選ばなくなり、多様なワークスタイルを提供することも可能です。
安心安全なメールシステム
もともとセキュリティ性に定評のあるMicrosoftのデータセンターですが、Exchange Onlineではスパム検出機能など多層防御を可能とするセキュリティ機能を標準で搭載しています。従ってExchange Onlineを導入することで、自然とセキュリティ性まで強化できるのです。
まとめ
いかがでしょうか?今回はExchange Onlineの階層型アドレス帳について紹介しました。階層型アドレス帳はExchange Onlineを構成する一つの機能に過ぎませんが、設定することで日々の業務効率性を高めることができる機能です。
組織体制に沿った階層構造を取ることで、コミュニケーションコストを抑え、最適な情報共有環境を整えることができます。