ユーザー同士の共同作業や情報共有スペースとして提供されているSharePoint Online。そしてユーザーごとに1TBのクラウドストレージが不要されるOneDrive。この2つのサービスの違いについて「よく分からない」という方が多いのではないかと思います。
似ているようでまったく別のSharePoint OnlineとOneDrive、違いは一体何なのでしょうか?
そして、どのように使い分けていけばいいのでしょうか?
OneDriveには2つのサービスが存在する
まずOneDriveについて少し整理すると、個人向けのOneDriveと法人向けのOneDrive for Businessという2つのサービスが存在します。機能面やインターフェースで目立った相違点はないのですが、大きな違いは管理機能です。
クラウドストレージを組織で利用する上で注意しなけらばならないのが“過失や故意による情報漏洩”です。「サイバー攻撃に遭って情報漏洩しちゃわない?」と外部セキュリティ面を心配する方が多いのですが、実は内部からの情報漏洩の方が圧倒的に多い上にリスクも高いのです。
外部セキュリティに関してはMicrosoftが徹底した防御でデータを保護しているので、そうそう情報漏洩するものではありまんせん。しかし内部セキュリティは組織自身が行わなければならず、不十分なセキュリティが多くの情報漏洩事件を招いています。
そこで管理機能が登場するわけですが、管理者は各ユーザーのアクセス範囲やドキュメントの取り扱いについてポリシーを設定することができるので、効率的にドキュメントを保護することができます。
例えば他部署のドキュメントへはアクセスできないようにするといった管理です。こうすれば過失や故意による情報漏えいを防ぐことができますね。
OneDrive for Businessにはこうした内部セキュリティを強化するための管理機能が備わっているのです。
OneDrive for BusinessはSharePoint Onlineに包括されている
本題の2つのサービスの違いについてですがOneDrive for BusinessはSharePoint Onlineに包括されているサービスであり、独立しているサービスでもあります。
例えばユーザー同士の共同作業やファイル・情報共有プラットフォームを求めていてSharePoint Onlineを導入したとします。するとそこにはユーザーごとに1TBのストレージが付与されたOneDrive for Businessも付いてくるのです。
加えてOneDrive for Businessは単体サービス(スタンドアロンサービス)としても導入できます。この場合SharePoint Onlineとしての機能は使用できないので注意が必要です。
「SharePoint Online」について詳しくご覧ください!
SharePoint Onlineで出来ること
社内外のユーザーとドキュメントの共同編集ができる
SharePoint Online上に保存されたWordやExcelといったドキュメントは、複数ユーザーと共有し共同編集することができます。また招待メールや権限設定も可能で、SharePoint Onlineを操作したことがない方でも簡単使用可能です。
チームサイトを作成して情報プラットフォームを提供
SharePoint Onlineはドキュメントと情報の総合プラットフォームなので、共同編集ができるだけでなくチームサイトも作成可能です。プロジェクト関係者全てへメールで情報伝達するといのは手間がかかる上に情報を見逃してしまう危険性もあります。
その点チームサイト上で情報を更新すれば手間も見逃しも少なくなるでしょう。
魅力的なWebサイトができてしまう
SharePoint Onlineでは追加費用0円で公開用Webサイトも作れてしまうのです。豊富なテンプレートが用意されているのでデザインに悩むこともなく、自社ドメインも設定できます。
ドキュメント、ライブラリ、サイト単位の権限設定
気になるセキュリティに関しても万全なのがSharePoint Onlineです。管理者はドキュメント。ライブラリ、サイト単位に権限設定ができるので不正なアクセスをブロックすることができます。
OneDrive for Businessで出来ること
OneDrive for Business上のドキュメントにいつでもアクセス
クラウドストレージサービスであるOneDrive for Businessは時間や場所を選びません。インターネット環境とデバイスさえあれば害外出先からでも目的のドキュメントにスピーディにアクセスできます。
OneDrive for Businessで共有ができる
個人用ストレージとして提供されているOneDrive for Businessですが、実は他ユーザーとドキュメントを共有したり共同作業までできてしまいます。
チームや組織全体で共有する必要があるドキュメントはSharePoint Onlineに、全体と共有する必要がなかったり特定のユーザーとのみ共有したい場合はOneDrive for Businessに保存するといった使い分けをするとドキュメント管理がスッキリとします。
高度なデータ損失防止機能で安心のセキュリティ
OneDrive for Business上に保管されてるドキュメントは常にDLP(データ損失防止機能)によって保護されています。また、ISO27001やHIPAA といったグローバルスタンダードにも準拠しているので安心して利用できます。
どうせならOffice 365で導入するのがお得?
OneDrive for BusinessはSharePoint Onlineに包括されてると説明しましたが、2つのサービスはさらにOffice 365に包括されています。
加えてOffice 365ではWordやExcelといたったOfficeアプリケーション、ビジネスメールのExchange Online、Web会議のSkype for Business、社内SNSのYammer、プレゼン・レポート資料作成のSwayなど様々なサービスを包括的に提供しています。
これら全てのサービスはスタンドアロンサービスとして月額540~1,090円程度で導入することができますが、全てを併せ持つOffice 365は月額1,360円(Office Premiumプラン)で導入できてしまいます。
この圧倒的お得感はMicrosoftにしかできないサービスでしょう。
まとめ
なかなか分かりづらいですが、蓋をあけてみればSharePoint OnlineとOneDrive for Businessには明確な違いがありますね。2つの違いをしっかりと理解して活用することで、ドキュメント管理や情報共有が加速することは間違いないでしょう。
皆さんならどのサービスを導入しますか?あるいは、包括的なサービスを提供するOffice 365を導入しますか?
いずれにせよ大切なのは自社環境と課題をきちんと把握した上で、最適なサービスを導入することです。Office 365では5つのプランが用意されていて今回紹介したサービス以上のものが提供されているプランもありますので、気になる方は一度確認してみてください。
検討期間に余裕を持ちつつ成功するクラウドサービスの導入を目指しましょう。