オンラインでOfficeアプリや様々なサービスが利用できるOffice 365。
個人向けプランではOffice 365 Soloを提供し、法人向けではOffice 365 Businessを始め7つのプランを提供しています。これからOffice 365を導入したいと考えている方がまずつまづくのが、異なるプランの比較だと思います。
何が違うのか?結局どっちがいいのか?かなり悩むポイントですよね。
Office 365は多くのプランを提供してるので、ネックになるのが複雑なプランの違いを把握することでしょう。ここではそんなOffice 365 Soloと、Businessラインナップを代表としてOffice 365 Businessを機能面・価格面で比較していきたいと思います。
まずは2つの比較表をご覧ください。
違いがあるのはAccess、OneDriveとShare Point、Skype無料通話、スマートフォン対応、インストール台数、そして価格ですね。Officeアプリとして一般的な機能はどちらも問題なく完備しています。
※2017年3月のライセンス改定により、Office 365 BusinessにもAccessがバンドルされました。
それでは比較ポイントを見ていきましょう。
機能面は用途によって選ぶ
Accessの利用
第一にAccessを頻繁に利用しているユーザーは絶対的にOffice 365 Soloの利用がおすすめです。ビジネスラインナップではOffice 365 Businessを含め7つのプランが提供されていますが、Accessが利用できるプランはありません。
Accessは簡単にデータベースが作成できるアプリであり、在庫管理や受発注管理など使い方次第で様々なカスタムアプリを作成することができます。ちなみにExcelと混同されがちですがまったくの別物です。
普段Accessを使ったこともなければ聞いたこともないという方は、恐らく今後も使用しないアプリなので重要性は低いでしょう。ただ、Accessを使用しなければOffice 365 Businessがいいのかと聞かれれば一概にそうとは言えません。
OneDriveとShare Pointの違い
注目して欲しいのがOneDriveとShare Pointです。この2つはいわば個人向けとビジネス向けのオンラインストレージなのですが、Share PointではOneDrive for Businessを包括しています。
どちらもOneDrive系なので問題ないと思いきや、実はまったくの別アカウントだったりします。つまり現在オンラインストレージとしてOneDrive(無料・有料問わず)を利用しているユーザーは、Office 365 Soloで継続してOneDriveを利用できてもOffice 365 BusinessのShare Pointへは移行できないのです。
この点を知らずにOneDriveユーザーがOffice 365 Businessを利用して失敗するケースがあるので、十分注意する必要があります。
Skype無料通話そんなに重要じゃない?
Office 365 Soloでは60分のSkype無料通話が付帯しますが、この点にメリットを見出すユーザーは少ないと思います。現在国内の各携帯キャリアが提供しているプランはほとんどでかけ放題が備わっているので、あまり必要性を感じることはないでしょう。
ただしMVNO(主にSIMフリーなどを提供しているキャリア)を利用しているユーザーは無料プランでない場合がほとんどなので、Skype無料通話で毎月の通話料を抑えることができます。
インストール台数3台以上ならOffice 365 Business
インストトール台数に関してはOffice 365 Businessが5台と圧倒的ですね。Windows・MacとOSを問わずにインストールできるので、PCを3台以上所持している方は間違いなくOffice 365 Businessがお得でしょう。
また、スマートフォンやタブレットへのインストールについても同様です。
価格重視ならOffice 365 Businessがおすすめ
価格に関してですが、年間で見るとOffice 365 Businessの方が約2,000円お得になっています。「ビジネスラインナップなのになぜ?」と思われるかもしれませんが、AccessがないことやSkype無料通話がないことで低価格になっていると考えられますね。
5年間の利用で考えると1万円程度の差があるので、「絶対的に価格重視!」という方はOffice 365 Businessがおすすめです。
結局どっちがいいの?
機能面と価格面でOffice 365 SoloとOffice 365 Businessを比較してみましたが、「どっちがいいのかさっぱり分からない」というのが正直なところかと思います。そこで様々な利用シーンを考慮して、それぞれどんなユーザーにおすすめなのか?をまとめてみます。
Office 365 Soloはこんなユーザーにおすすめ
- 日頃Accessを利用していて今後も欠かせない
- OneDriveヘビーユーザーで移行ができないのは困る
- 所持PCが2台以下で、携帯がかけ放題プランではないので月々の通話料金を抑えられるとありがたい
Office 365 Businessはこんなユーザーにおすすめ
- Accessは利用せず、携帯はかけ放題プランなので特に無料通話は必要ない
- 現状OneDriveを利用していないので移行できなくても問題ない
- 何はともあれ安い方がいい
- 所持PCが3台以上で全てにOfficeアプリをインストールしたい
- 数人のチームで利用するので、ファイルの共同作業を行いたい
皆さん上記のいずれかに当てはまるとも思うので、それに合わせてプランを選択して頂ければと思います。また、Officeアプリは利用したいけどそれ以外に要望はないという方は低コストなOffice 365 Businessがいいでしょう。
社内で利用するならOffice 365 Business Premiumを選ぼう
本稿を読まれている方の中には、おそらく自社への導入を検討されている方も多いと思います。そんな方にはOffice 365 Business Premiumがおすすめです。
Office 365 Business PremiumではOffice 365 Businessで提供している機能以外に以下のような機能が備わっています。
- メールスケジュール管理のExchange Online
- Web会議ができるSkype for Business
- コミュニケーションがスムーズになる社内SNSのYammer
- Webベースでレポートやプレゼンテーションが作成できるSway
この中で注目して欲しいのが、2015年8月に正式公開となったSwayです。SwayはPower Pointよりも動的な資料を簡単に作成できるアプリで、Sway自体が自動的にレイアウトを作成してくれます。Power Pointよりも自由度は低いですが、簡単な資料を作成してその場でプレゼンするといったケースで利用できますね。ちなみにメールやWebでの共有も簡単です。意外と知られていないアプリなのですが、使いこなせればビジネスの幅が広がることは間違いありません。
Office 365 Business Premiumの機能を見ると単なる“クラウドサービスで提供されているOfficeアプリ”ではなく、“包括的なグループウェアサービス”だということが分かりますね。コミュニケーションの促進という観点から考えても、Office 365 Business Premiumは非常におすすめです。
価格に関してはユーザーあたり月額で1,630円、年額で16,320円とやはり年額で利用するのがお得ですね。Office 365 Soloと比較すると1年で約3,600円、Office 365 Businessと比較すると1年で約5,500円の差がありますが、ワンストップで多くの機能が利用できることを考えると大きなメリットがあるでしょう。
ちなみにOffice 365 Business Premiumはユーザー数〜300のプランなので、利用規模が300人を超える場合は別のプラン利用が必要です。各プランの詳細と選び方についてはこちらで解説しているので、是非参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしょうか?今回Office 365 SoloとOffice 365 Businessを機能面・価格面で比較してみましたが、自身に最適なプランを決めることはできましたか?OneDriveとShare Pointの違いはしっかりと比較しないと分からないことなので、今までより具体的に比較できたという方が多いのではないかと思います。
大掛かりな業務システムとは異なり簡単にリプレースできることにはできますが、少しのコストでも損失は避けたいところですよね。ですので個人でも企業でもやはり慎重な比較を行い、最適なプランを選ぶことが重要でしょう。
今回の比較が、皆さんのOffice 365導入を決心付けるきっかけとなれば幸いです