プラン数が多く混乱することも多いOffice 365。今回違いを解説するのはOffice 365 Solo(以下Solo)とOffice 365 ProPlus(以下ProPlus)です。
そもそもSoloは個人向けに提供されているサービスであり、基本的には法人名義で導入することはできません。法人として導入するのであればProPlusを含めて6つのプランから自社にとって最適なプランを選択する必要があります。
しかし中には「うちは小規模だし管理機能も特にいらないから、個人向けプランで安く利用したいな」と考えている場合もあるでしょう。
果たして個人向けプランだからと言ってお得に利用できるのでしょうか?コスト面の違いについても触れていくので注目してください。
違い1.サブスクリプション料金はやはりSoloが安い
Soloのサブスクリプション料金は月額1,062円。ProPlusは1,310円とやはりSoloの方が低コストで導入できるのは事実です。
こうして表にして料金差も見てみると、確かにSoloを導入して低コストで済ませたいという意見も理解できます。10ユーザーで利用するなら5年間で148,800円の料金差となるので意外と大きいですね。
しかし、上記のような表面上の料金だけでは判断できないのがOffice 365。これから紹介する違いに着目していただきたいと思います。
違い2. ProPlusはインストール台数が圧倒的
2つのプランの中核でもあるOfficeアプリケーションに注目してみると、どちらもWord、Excel、PowerPoint、Outlook、Publisher、OneNote、Accessの全てを利用できるのでこれといった差はないように感じられます。
もちろん対応プラットフォームに関しても両者Windows PCとMac、としてモバイルに対応しています。
しかし違いはインストール台数にあるのです。
Soloで上記のOfficeをインストールできるのはPC、スマートフォン、タブレットで最大2台ずつ。プライベートで利用する分には問題ないインストール台数かと思います。
一方ProPlusのインストール台数は各5台ずつと、最大で15台ものデバイスにOfficeをインストールできてしまうのです。今や一人の社員が2台3台のPCを利用するのが当たり前の時代なので、このインストール台数はかなり高ポイントでしょう。
福利厚生として社員の私用デバイスへのインストールOKとすれば、組織としての高感度もアップしそうです。
違い3.「OneDrive」と「OneDrive for Business」
SoloとProPlusではOfficeだけでなくどちらも1TBのクラウドストレージが付与されます。これ自体は非常に嬉しいことなのですが、2つのプランの違いに注意が必要です。
なぜならSoloで提供されているクラウドストレージはOneDrive。そしてProPlusで提供されているのはOneDrive for Businessだからです。
一見何が違うの?と思える2つのクラウドストレージですが、実はまったく別のサービスとして提供されています。といってもユーザーインタフェース的にはあまり変わりません。しかしもっと重要な部分、管理機能が備わっているかが違います。
OneDrive for Businessは法人向けサービスであることから管理者による管理機能が備わっているので、セキュリティ性を確保しつつコンプライアンスへ対応することができます。しかしOneDriveは個人向けサービスなので管理機能が備わっていないのです。
組織規模が数人程度ならそこまで問題にはならないでしょう。常に経営者の目を行き届かせることができるので。
では20人30人と組織が成長していけばどうでしょう?当然末端まで管理者の目を行き届かせることは難しいですし、そもそもクラウドストレージの利用状況に目視で気を配るほどの時間もないかと思います。
そうなると社員のコンプライアンス違反が発生しやすくなります。個人ファイルの保管場所としてクラウドストレージを利用したり、推奨していない使用方法を行ったりなどが横行するとセキュリティ性が低下。
結果的に情報漏洩事件などを起こすことも考えられます。
「じゃあ組織規模が大きくなってきたら移行すればいいじゃないか」と考えることもできますが、そうもいかないのが個人向けと法人向けの壁です。
OneDriveとOneDrive for Businessは双方で連携できないサービスなので、まずデータ移行に苦戦します。
中には操作ミスなどで消失してしまうデータもあるかもしれません。
加えてSoloからProPlusへの移行は多くの手順を踏む必要があるので、管理ミスも発生する可能性があるのです。
こうした危険性に対してリスクヘッジを行うためには、やはり法人向けのProPlusを推奨したいと思います。
違い4. ProPlusにはOfficeとクラウドストレージの他にもサービスが
個人向けプランのSoloが他に持っているサービスはSkypeによる60分の無料通話です。組織間のコミュニケーションをLINE等で行っているのであれば、あまり必要性は感じないでしょう。
ではProPlusが持つその他のサービスを見ていきましょう。
- Sway:テキストを入力するだけで誰でも簡単にプレゼン・レポートが作成できるツール
- Planner:今年6月に導入されたばかりのチーム・タスク・ドキュメント管理ツール
- Power BI for Office365:Ecxelベースで提供されるビジネスインテリジェンスツール
- DLP(データ損失防止):過失または故意によるメール誤送信をブロックするセキュリティツール
これ以外にも法人プランならではの強固なセキュリティ性を持ち合わせるなど、明らかに月額差分248円以上の価値があります。
まとめ
今回Office 365 SoloとProPlusの違いを紹介しましたが、ここまで目を通していただいてもなお「やっぱい安い方がいい」「Officeさえあればいんだ」という方がいればOffice 365 Businessの検討をおすすめします。
Office 365 Businessは6つの法人プランの一つでOfficeとクラウドストレージ、そしてSwayを月額900円で利用できます。もちろん、最大15台へのインストールやOneDrive for Businessなど提供しているものはProPlusと変わりありません。
ただし、ユーザー数は300人までとなるのでその点だけ注意が必要です。
このようにしっかりと比較してみると、実は個人向けよりも法人向けをしっかりと導入した方がお得だったりするのです。ですのでOffice 365 Soloで検討していた方はこれを機に法人向けプランに着目してみてください。
知れば知るほどコストパフォーマンスの高さに驚くでしょう。