ニューノーマルの時代に突入し、人々の生活は大きく変化しました。新しい働き方に移行する企業も増加しており、今後その数はさらに増えることが予想されます。本記事では、現代における新しい働き方の概要や変わったこと、メリット、企業における導入事例などを紹介します。
新しい働き方(ニューノーマル)とは?
ニューノーマルとは、新しい働き方や日常生活を指す言葉です。現在、多くの企業が非対面での営業やテレワークなどへシフトしつつあり、これらの働き方がニューノーマルの代表とされます。
ニューノーマルが認められるようになったきっかけとして、世界的に猛威を振るった新型コロナウイルスの影響があります。感染リスクを抑えるため、通勤・移動時やフェイストゥフェイスの業務による他者との接触を回避できるテレワークやフレックスタイムを多くの企業が導入しています。
他にも、職務内容に合わせた人材を採用するジョブ型雇用や、従業員に就業時間の裁量を与えるフレックス制度などがニューノーマルとして挙げられます。
新しい働き方で変わった3つのこと
ニューノーマルで大きく変わったこととして、オフィスの形態が挙げられます。また、リモートワークへとシフトする企業が増加したほか、リーダーシップの在り方も変化として挙げられます。
オフィスの形態
従来は、オープンオフィス化を進める企業が少なくありませんでした。部門間の壁をなくすことが、従業員同士の対面によるコミュニケーションの強化に有効と考えられていたためです。
しかし、コロナ禍においてオープンオフィスは好ましいオフィス形態とはいえません。感染リスクを高める可能性があるほか、テレワークの導入で出勤する従業員の数が減るため、オフィス環境に投資する必要性が下がりました。このような理由から、フロアのレイアウト変更やオフィスの縮小を進める企業が増えています。
リモートワークの定着
感染リスクを少しでも下げるため、多くの企業がリモートワークを導入しました。以前にも働き方改革の影響などでリモートワークを導入していた企業はありましたが、コロナウイルスの蔓延以降、爆発的な普及が進んでいます。
総務省が公開した「令和2年通信利用動向調査」の結果からも、コロナ禍以降のリモートワーク移行率の高さがうかがえます。同調査によると、2018年の時点でリモートワークを導入していると答えた企業は19.1%にすぎませんでしたが、新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年には47.5%まで増加しています。
ただ、リモートワークは従来の働き方とさまざまな部分が異なるため、生産性の低下やコミュニケーションの取りづらさなどに悩む企業も少なくありません。オフィスワークをバランスよく組み合わせたハイブリッドワークの導入など、さらに新しい働き方への移行が求められます。
リーダーシップの在り方
従来は、オフィスでリーダーが部下をけん引できましたが、リモートワーク環境下ではそれが難しくなりました。部下と直接顔を合わせられず、コミュニケーションも取りにくい状況であるため、これまでとは違った形のリーダーシップが求められます。
リモートワーク環境下では、従業員の勤務状況や遂行能力を把握することも、従来の勤務形態に比べて困難です。これらの課題を解決するためには、新たな評価方法の導入や従業員同士がコミュニケーションを取りやすい環境の構築が求められます。
ハイブリッドワークの登場
新たな働き方として、従来のオフィスワークとリモートワークを融合させた「ハイブリッドワーク」にも注目が集まっています。
リモートワークへ移行したものの、うまく働けない、仕事が捗らないと悩む人は少なくありません。このような背景から、個々の従業員が働き方を選べるハイブリッドワークが求められるようになったのです。
ハイブリッドワークなら、従業員は自分に合った働き方を選択できます。オフィスや自宅、フリースペースなど働く場所を自由に選べ、モチベーションの維持や生産性の向上にもつながるでしょう。企業にとっては、従業員が働きやすい環境を構築することで、優秀な人材を採用しやすくなるメリットもあります。
新しい働き方がもたらすメリット
新しい働き方が企業にもたらすメリットとして、優秀な人材の確保、コストの削減、デジタル化および業務改善の促進が挙げられます。
リモートワークやフレックス制度などを導入すれば、事情があり外へ働きに出られない人や働ける時間が限られている人などを採用できます。従来の環境では働きにくい事情を抱える人の中には、優秀な人材が隠れている可能性もあります。そのような人材を確保しやすくなるのは大きなメリットです。
また、従業員が自宅で業務を遂行できるようになれば、交通費やオフィスの維持費、水道光熱費、通信費といったコストを削減できます。特に、オフィスの賃料は大きな固定費のため、縮小により高い削減効果が見込めます。なお、業務目的で利用した通信費や電気代、機材購入費などは、会社負担が必要になる場合もあるため注意しましょう。
他にも、デジタル化や業務改善を進められるメリットがあります。リモートワークへの移行には、ペーパーレス化やコミュニケーションツールの導入など、業務のデジタル化が欠かせません。デジタル化とともに業務改善を進めれば、生産性向上にもつながるでしょう。
新しい働き方を導入した企業事例
新しい働き方の導入を検討する際には、すでに導入した企業の事例を参考にするとイメージが湧きやすいでしょう。導入で得られた効果もあわせて確認し、自社での施策の参考にしてください。
LIXIL
建築資材や設備機器などを扱う「LIXIL」は、従業員が働きがいを感じられる職場づくりと、柔軟かつ多様な働き方を推進しています。取り組みのひとつとして積極的な在宅勤務への移行を進め、2020年には99%近くの従業員がリモートワークにシフトしました。
リモートワークの強化にあたっては、Zoomを用いたオンライン会議を活用しています。世界各地の拠点で働く従業員ともスムーズにコミュニケーションがとれるようになり、営業活動においても非対面での対応が可能です。
またコアタイムを決めず、既定の就労時間を満たせば自由に休日を設定できるスーパーフレックスタイムという制度も導入し、時間・場所にとらわれない働き方を実現しています。
プラザクリエイト
プラザクリエイトは、「より自由で効率的かつ優しさと幸せを与えあう組織づくり」を目指し、ハイブリッドワークの体制を導入しました。この体制の導入により、従業員は自身の好きな場所で業務を遂行できるようになりました。
自宅で働けるのはもちろん、自社内に自由に使えるオフィススペースを用意しているのが特徴です。特にオンライン会議に力を入れ、一人用の快適に通話を行える個室を「One-Bo」として製品化しています。
また、同社はこの体制下で業務効率や生産性の低下を招かないようガイドラインを定めています。オンライン会議やコミュニケーションツール、セキュリティなどに関するルールを策定することで、効果的な業務効率の改善や生産性の向上につなげました。
引用元:
https://www.plazacreate.co.jp/wp-content/uploads/2021/02/plazacreate_pressrelease20210225.pdf
新しい働き方を実現するためのポイント
新しい働き方を実現するためには、セキュリティ対策の強化が求められます。リモートワークの導入に際して、従業員が個人の端末や公共のネットワーク環境を用いるため、サイバー攻撃やマルウェアへの感染などのリスクが高まります。適切なセキュリティ対策やアクセス権限の付与、ルール化が求められます。
また、オフィス外にいる人員とは書面でのやり取りが困難であるため、ペーパーレス化の推進も重要です。自宅で働く従業員が、わざわざ出社して書類に押印するなどの煩雑な手続きを必要とする場合、業務効率の低下を招きます。
これらの課題を解決するため、書面のデジタル化に加え、従業員間のスムーズなコミュニケーションを実現するツールの導入が欠かせません。
Microsoft Teamsは、セキュアな環境で社内外とのコミュニケーションの活性化に役立つツールです。データの共有やファイルの共同編集などの各種機能を用いれば、ペーパーレス化にも対応できるでしょう。
まとめ
新しい働き方の導入により、企業は優秀な人材を確保しやすくなるほか、コスト削減やデジタル化、業務改善などを実現できます。
新しい働き方を実現するには、コミュニケーションの活性化を促すMicrosoft Teamsがおすすめです。ツールを活用し、リモートワークによる生産性の低下といった課題を解決しましょう。