製造業

現場DXで注目されるスマホカメラの活用

近年では主にオフィス業務においてDXが推進されており、企業のデジタル化が急速に進んでいますが、一方で現場におけるDXは様々な課題を抱えています。この記事では、私たちの生活に身近なスマホカメラを、現場DXに活用する方法について解説します。

現場DXで注目されるスマホカメラの活用

Factory of the Future

現場業務が抱える課題

製造業やデータセンター、建設業などの多くの現場業務では、様々な課題を抱えています。それは、深刻な人手不足やグローバル競争の激化、フィールドワーク需要の増加といった、各分野にまたがるものです。

現在の日本において、少子高齢化による労働力人口の減少が大きな問題になっています。とりわけ製造業では、いわゆる「3K」(きつい・汚い・危険)のイメージを持たれているため、特に若年層の人材確保は難しくなっています。そのため、企業は労働者のワーク・ライフ・バランス実現のための働き方改革にも対応しなければなりません。人材不足に加え長時間残業をなくして働きやすい環境作りをするため、業務の効率化による対応が求められています。新型コロナウイルスの感染拡大も影響し、製造業の深刻な人材不足は今後も悪化が続くと予測されています。

製造業では製造コストの低い諸外国の企業が成長していることに起因する、グローバル競争の激化も大きな課題のひとつです。原材料をはじめ設備、人件費などのコストがかかります。製造コストが抑えられないと、安い輸入品と比べて商品の価格競争で不利になり、売上の減少につながります。

また、主に建設業における現場では、高度経済成長期に建設された建物や道路、上下水道などといった社会インフラの老朽化が問題となっています。修理・改築の対応に先立って、現状確認のための巡回や保守点検などといったフィールドワークの需要が高まっているのです。

今こそ求められる現場DX

各現場における様々な課題を解決するために求められているのが現場のDXです。これは、データやデジタル技術を駆使して現場の業務をサポートし、業務効率化を図るものです。とりわけ、レガシーシステムをめぐる課題やユーザーの消費行動の変化、人材確保といった問題に対応するDX導入が求められます。

まずレガシーシステムをめぐる課題ですが、これは「2025年の崖」というキーワードとして唱えられています。経済産業省が2018年に発表したDXレポートでは、2025年には日本の多くの企業で既存のレガシーシステムのサポートが終了し、システムトラブルのリスクが急増する恐れがあると指摘しています。このようなレガシーシステムは、トラブルによる経済損失や既存システムにかかる高額の維持費が予想されているため、DXによるシステム刷新が早急に必要となっているのです。

ユーザーの消費行動がこれまでとは大きく変化してきている点においてもDX対応が求められています。現在、多くの消費者が「物」だけでなく「感覚・経験」などを重視した消費活動に注目しています。ただ昔ながらの「良い商品」を製造・販売するだけでなく、SNS上でのユーザーサポートや提案型のマーケティングなどといったきめ細かい顧客対応を実現するため、顧客情報や売上などの膨大なデータを収集・分析するDX活用が求められます。

労働力の確保も喫緊の課題です。これまでの社員教育では、新人に熟練の技術者が付きっきりになり、手取り足取り指導する方法が主流でした。しかし、それでは技術の習得に時間がかかり、熟練者の人手もとられてしまいます。そこで、作業を行う現地と熟練の技術者とをリモートでつないで教育したり、動画マニュアルを作成したりするといったデジタル化を導入することで、業務の削減や教育の標準化を可能にします。

DX推進で注目されるスマホカメラのビジネス活用

現場DXを導入するには、大規模なシステム改修や体制の刷新が必要と思われるかもしれません。一方で、身近なものを活用することからDXの実践を始められます。それがスマートフォンに内蔵されているカメラ、いわゆる「スマホカメラ」の活用です。

スマホカメラは年々性能が向上しているため、気軽にきれいな写真を撮ることが可能です。撮影した画像はそのままSNSへと投稿したり、スマートフォンで簡単に加工・編集したり、友人や家族と共有したりできるなど、日常生活では幅広いシーンで活用されています。

しかし、スマホカメラの潜在能力はそれだけにとどまりません。各種アプリケーションを組み合わせることで、現場での各種作業をサポートする役割も果たしてくれます。たとえば、外で資料をスキャンしたい場合でも、事務所に戻ってスキャナーを使うことなく、カメラで撮影してスキャナーアプリでPDF化することが可能です。名刺や必要な資料、メモや経費の領収書など、なくしては困るものをなんでも撮影して保存できる便利さが現場業務の効率化に役立ちます。

2016年の「e-文書法」改正から、条件を満たしていれば領収書をスマホカメラで撮影して保存することも認められることになりました。企業によって領収書の保存方法は異なりますが、今後スマホ保存に対応する企業は増加するでしょう。

スマホカメラを活用したDX事例

スマートフォンは普段から持ち歩いて使う人が多いため、操作に慣れていることから業務でも抵抗なく利用しやすいといえるでしょう。外出先で急に撮影する必要がある際、手元にあるスマホカメラを利用して書類や現場の状況などを撮影し、デジタル画像に残すことが可能です。ここでは、スマホカメラを用いたDXの具体的な事例を考えていきましょう。

まず、巡回や保守点検などといったフィールドワークでのケースです。建物などの補修が必要な箇所を詳細に検査する前に目視で確認し、スマホカメラで撮影して即座に送信・報告するといった使用方法が考えられます。また技術の向上により、画像を収集した膨大な画像をAIで分析することで、迅速に補修必要箇所を検出することが可能になるでしょう。

社員教育においては、熟練の技術者が実際に作業している様子を動画撮影し、それを視聴することで技術の向上を図る方法が考えられるでしょう。テキストでのマニュアルや講義形式では得られない情報が、動画で伝えられるのです。また、店舗内の様子や商品などをスマホカメラで撮影してSNSに投稿することで、自社の魅力をアピールしてユーザーとのつながりを維持するという、現代的な活用方法もあります。

ただし、スマホカメラで撮影した画像は自動的にクラウドと同期してアップロードされるケースには注意が必要です。また、撮影してもネット上で共有できない画像は選別する必要もあります。プライベート利用とビジネスでの利用も使い分けながら、情報漏洩には気をつけなければなりません。

ビジネスでも安心して使える「KAITO セキュアカメラ」

ここからは、スマートフォンやタブレット端末で扱う業務用の画像データを安全に撮影、転送するための法人向けサービスとして、「KAITO セキュアカメラ」を紹介します。

スマートフォンにアプリをダウンロードするだけで手軽に使用できます。無駄な機能がついておらず、画面デザインもシンプルで簡単に操作できるため、導入コストが低く抑えられます。

セキュリティ面での機能も充実しています。撮影後のデータは分割・暗号化されて安全に保存され、動画を転送する際、通信が途中で切れても通信状態が復活すれば自動的に転送が再開されます。転送後のデータは自動削除されるため、端末を紛失しても情報が漏洩するリスクが避けられます。オフラインで撮影した画像の転送忘れにも対応、二重送信といった誤送信も防止できるので安心です。

KAITO セキュアカメラの活用事例

「KAITO セキュアカメラ」は、現場ごとに様々な活用方法が考えられます。

たとえば、各種書類を撮影した後にパソコンへデータを転送・消去する手順で運用することで、既存の申請業務を簡略化することが可能です。また、重要なデータをペーパーレスで運用できるようにもなるでしょう。

また、設備点検・管理での現場では、広い設備を隅々まで点検し、細かい文書で記録を残していく時間や労力を削減できます。点検箇所が膨大にあったとしても、画像によってひと目で確認できるため、書面での記録を削減することにもつながります。

他にも、会議で使用したホワイトボードを記録するような手軽なものから、機密書類の持ち運びを画像転送で置き換えるといったことまで、多岐にわたる利用シーンが想定できます。

まとめ

現場業務は、深刻な人手不足やグローバル競争の激化、フィールドワーク需要の増加などさまざまな問題を抱えています。これらの課題の解決が現場DXに求められていますが、私たちにとって身近なスマホカメラを活用することから始められるかもしれません。

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