B2B向けWebサイトで達成したい目的が達成できていない場合、Webサイト自体に問題が潜んでいる可能性があります。この問題点を浮き彫りにしてくれるのが、Webサイト分析です。そこで、本記事では、Webサイト分析の重要性と分析で見るべき項目、B2B向けWebサイトで抑えるべきポイントなどについて解説します。
Webサイト分析の重要性
近年は、サービスに関する問い合わせを増やしたい、自社商品を販売したい、自社の魅力を発信したいなど、さまざまな目的で多くの企業がWebサイトを運営しています。その目的が達成されていない場合、何かしらの問題が潜んでいると考えられますが、分析なしに問題の原因を突き止めることは難しいと言えます。
たとえば、自社商品を販売する目的のWebサイトで、製品の注文数が想定を下回っていたとしましょう。製品紹介の段階でユーザーがサイトから離脱をしているのであれば、製品紹介を魅力的なものに改善すれば、注文数の改善が見込めます。Webサイトを訪れるユーザー自体が少ないのであれば、広告やまとめサイトからの流入を増やすような対策をすればよいでしょう。
しかし、これはユーザーがサイトから離脱するポイントや、Webサイトを訪れるユーザーの数がわかるからこそできる対策です。言い換えれば、Webサイトでの目的を達成しようとする場合、分析によって現状と課題を抽出し、ユーザー目線で改善を繰り返していく必要性を示しています。
また、企業のWebサイトは多様化しており、最新のツールやシステムを導入しているサイトもたくさんあります。こうした他社サイトとの差別化を図るためにも、Webサイト分析による改善によってサイトの質を高めていくことが大切です。
B2B向けWebサイトの分析で見るべき項目
B2B向けWebサイトの分析に取り組みたいと考えてはいるものの、具体的に確認すべき項目がわからないケースは少なくありません。ここからは、分析で見るべき項目をピックアップして解説します。
アクセス状況
Webサイト分析における基本中の基本ともいえるのが、アクセス状況の分析です。どれほど素晴らしいWebサイトであっても、アクセス数が少なければ意味がありません。まずは、目的の行動を取るユーザー数の割合と目標から必要なアクセス数を算出して、サイトのアクセス数が目標を達成できているかどうかを確認します。たとえば、1,000人に1人が企業のWebページから購入する製品を扱っていて、1日に3個販売したいのであれば、1日あたり3,000のアクセスが必要です。
もし、目標のアクセス数を下回っているのであれば、知名度や注目度を上げるためのキャンペーンや広告戦略を練る必要があるでしょう。逆に、増加したアクセス数から、Webサイトの注目度の変化やマーケティング施策の効果を評価することもできます。
1日にどれだけのアクセスがあるかだけでなく、ページビュー数や滞在時間、直帰率、離脱率なども分析する必要があります。それに加えて、どのような経路で流入したのかもチェックしましょう。直接アクセスしたのか、それとも広告や外部サイト、SNSを経由したのか、その経路を分析します。流入経路が分かれば、具体的な改善策を打ち出せます。
コンバージョン率
コンバージョン率とは、 Webサイトを訪問したユーザーのうち成果に結びついた割合を示す数値です。B2Bサイトにおいてアクセス以上に重要になるのが、資料請求や問い合わせ、商品購入などのコンバージョンにつながっているかどうかです。
同じ製品を扱っているのであれば、1日に1,000人がアクセスするコンバージョン率0.1%のサイトよりも、1日に1,000人がアクセスするコンバージョン率5%のサイトの方が、利益が5倍も高くなります。この例からも分かるようにアクセス数があっても、成果につながっていなければ意味がありません。
コンバージョン率の分析では、Googleアナリティクスが活躍します。まずは、広告などからWebサイトを訪問してコンバージョンに至る「直接コンバージョン」と、一旦離脱した後の再訪問でコンバージョンに至る「関節コンバージョン」を確認します。さらに、ターゲットのマッチ度合いも分析します。
アクセスは多いのにコンバージョンへ結びついていないケースでは、ターゲットにマッチしていない可能性があります。その場合、サイトデザインや設計などを含め、ターゲットにマッチしたWebサイトへ改善する必要があります。
ユーザー行動
アクセスしたユーザーの流入経路や、サイト内の行動も分析しなくてはなりません。ユーザーの行動を把握できれば、そこから改善ポイントが見えてくるでしょう。
Googleアナリティクスには、ユーザーの行動を確認できるメニューがあります。[行動]メニューでは、ユーザーがどのページを最初に訪れ、どのような順番でページを移動したかを確認します。こちらでは実際のユーザーの導線を確認できます。
これらに加えて、アクセスしているユーザーの性別や年齢など、属性の分析も大切です。属性ごとの行動を分析できれば、自社のターゲットにマッチしたサイト設計になっているかどうかを評価できます。
キーワード分析
ユーザーがWebサイトに流入する際に、検索したキーワードについて分析します。B2Bサイトであれば、社名や商品名、サービス名などで検索されるケースが多いでしょう。
Google広告を利用しているのなら、キーワードプランナーで設定キーワードの検索数などをチェックできます。もし、社名や商品名などの検索数が多くを占めているのなら、すでに自社のことを知っているユーザーがアクセスしていると判断できます。こうした社名や商品名などからの流入が多いのはB2Bサイトの特徴です。そこで、一般的にはサイト内に社名や商品名以外の関連性の高いキーワードを盛り込み、アクセス数を増やしていきます。
抑えておきたいWebサイト改善のポイント
Webサイトを改善するにあたり、まず取り組むべきは課題の抽出です。PDCAでも、プランを作成するためのチェックを最初に実施することからもわかりやすいでしょう。具体的には、先述した分析ポイントを参考にして、総アクセス数が少ない(知名度が低い)、離脱率が高い(コンテンツが魅力的ではない)、コンバージョンにつながらない(訴求力に欠けている)など、現状から課題を抽出しましょう。
特にコンテンツの質は重要です。徹底したSEOによりアクセスを増やせても、コンテンツの質が悪ければユーザーは短時間で離脱してしまいます。離脱率の高いコンテンツを中心に、ユーザーへの有益な情報発信ができているか、わかりやすいかなどを重視してコンテンツを差し替えていきます。その際には客観的な視点でサイトをチェック、分析することも大切です。客観的に見ることで、サイトの課題や改善点が見えてきます。自社以外の人物に、チェックしてもらう方法も検討してください。
こうした一連の改善作業は、PDCAサイクルを意識して回すようにします。このサイクルを回すことで、少しずつ着実にサイトの改善を進められます。PDCAサイクルによりサイトの最適化を続ければ、成果につながりやすいWebサイトへと洗練していけるでしょう。
「SAP Marketing Cloud」を活用して高度なデータ分析を実現
「SAP Marketing Cloud」は、顧客関係管理の活用によって収益の最大化を図るツールです。機械学習や人工知能を活用した高度な分析機能も搭載しており、顧客のニーズを正確に反映した効果的なマーケティングを実現します。ニーズや行動の深掘りの機能によって、顧客へのベストな提案を実現します。
また、さまざまなデータへの迅速なアクセスを可能にしており、なおかつリアルタイムな予算管理も可能です。使いこなせれば、スピーティかつ的確な意思決定にも貢献します。さらに、拡張分析や予測分析、プランニング機能などが統合されており、高度なアナリティクスも実現します。「SAP Analytics Cloud」と連携すれば、より高度なビジネスインテリジェンスやインサイトを獲得できるでしょう。
どちらも、30日間の無料体験版を利用できるため、機能や操作性などを事前に確認できます。気になる方は、まずは体験版を利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
Webサイト分析は、目的を達成できるWebサイトへと改善するための第一歩です。まずは分析結果から現状や課題を正確に把握します。分析にあたっては、アクセス状況やコンバージョン率、ユーザー行動、キーワード分析などをチェックしましょう。
次に、コンテンツの質を高め、PDCAを回し続けることが大切です。必要に応じて「SAP Marketing Cloud」など外部ツールを使用した分析も導入してみてください。正確な分析と適切な改善を継続して、目的としている成果を得られるWebサイトを目指していきましょう。