申し込みや問い合わせの入力フォームが煩雑だと、途中で記入をやめてしまうユーザーは少なくありません。より多くの顧客をコンバージョンに繋げるためには、EFOを実施して適切な入力フォームを構成することが重要です。
本記事では、EFOとは何かをはじめ、具体的な方法やツールを紹介します。
EFO(入力フォーム最適化)とは
EFO(Entry form Optimization)とは、申し込みや問い合わせの際に利用する入力フォームを最適化する施策です。
ユーザーにとって入力フォームが適切であるかどうかは、「離脱率」や「コンバージョン」から判断できます。
たとえば、入力フォームが200件のページビュー数を獲得しているのに対し、実際の成約が10件に留まるという場合は、10件のコンバージョンに対して95%が途中離脱していることになります。このように離脱率が高い場合には、フォームになんらかの問題を抱えている可能性があるでしょう。
そこで、EFOを通してフォームを改善できれば、離脱率の減少とコンバージョンの向上が見込めます。さらに入力フォームを変更前後で比較し、これらの値がどの程度改善したかを分析することでEFOの効果を確認できます。
EFOはなぜ必要?
入力フォームの途中離脱に関する調査として、以下のようなデータがあります。
- 入力フォーム記入中に81%が途中で離脱
- 一度離脱した顧客が戻ってくる確率は67%
さらに入力を中断する理由として以下の4つが挙げられています。
- セキュリティへの不安:29%
- フォームが長い:27%
- 広告や押し売りへの不安:11%
- 情報収集の意図がわからない:10%
セキュリティへの不安に次いで、離脱する人の四分の一以上がフォームの長さに不満があることがわかります。これらは海外での調査ですが、日本のWebページでも多くが同様の問題を抱えていると言えます。
問い合わせや要望、資料請求をスムーズに完了できるフォームを整えることで、相応のコンバージョンが得られるとともに顧客満足度の向上に繋がるでしょう。
EFOの具体的な対策方法
EFOを行う上での具体的な施策方法について解説していきます。
入力項目はわかりやすくする
入力項目は、「どこに何を入力するのか」が一目見てわからなければなりません。
そのため、入力箇所は最低限に抑え、さらに必須項目はボックスを大きくして色を付けるなど、可視性を高めることが重要です。また、「電話番号にはハイフン入れるのか」「名前と苗字の間にスペースを入れるのか」といった入力上のルールを指示したい場合には、ボックス内に入力例を表示するとよいでしょう。
ほかにも「クレジットカード番号」における「セキュリティーコード」など、入力項目が多数あり、対応する数字がわかりにくいといった場合には、補足の説明書きを記載します。「セキュリティーコード」の例では、「クレジットカード裏面にある3桁の数字」と記載してあればわかりやすくなります。
エラーメッセージを適宜表示する
不親切な入力フォームとして「入力が終わって送信を押したら、エラーが出て再度入力画面に戻される」というものがあります。データに不備があった場合に行われる動作ですが、ユーザーからすれば「記入し終わったと思ったが、また再入力しなくてはいけないのか」という心理が働きます。
これが原因で離脱することもあるため、入力に不備がある場合にはエラーメッセージをリアルタイムで表示する機能を付けるとよいでしょう。必須項目については「入力されていません」などと赤文字でアラート表記されていれば、不備を起こしにくくなります。
アシスト機能を付ける
長文の住所などを、全て手入力するのは手間がかかります。アシスト機能を付けることで、ユーザーの負担を軽減できます。よくある機能としては、郵便番号を入力したら市区町村が自動入力されるものがあります。ユーザーは町名や建物名を入れるだけで済むため、ストレスを軽減できるでしょう。
また、メールアドレスのドメインにサジェスト機能を付けるのもおすすめです。サジェストは、入力した文字から予測する文字を提案表示する機能です。たとえば「@d」と入力すると、「@docomo.ne.jp」のように、予測される文字列へと変換されます。
さらに、英数字の半角全角の違いで不備を起こさないよう、アシスト機能で自動的に半角または全角に統一するといった対策ができます。このように少しの手間を短縮し、入力の間違いを自動で修正できれば、ユーザーの負担が減って離脱率の低下が見込めます。
不要な情報は省く
フォーム入力に不要な情報があると、顧客の不安を煽りかねません。これは前述したセキュリティの不安に相当する問題で、「この情報は何のために必要なのか」「もし情報が漏れたら」といった懸念が生まれます。たとえばアンケートでは10代・20代といった年齢層がわかれば十分な場合が多いため、名前や住所、生年月日など具体的な個人情報を入力する項目は削りましょう。
また、ユーザーに手間をかけさせないためにも、フォーム上に遷移先を多く配置することは避けるべきです。「入力ボックスの説明としてほかのページに誘導」「送信前の再確認」などでも手間に感じられ、離脱の原因となり得ます。
コンバージョンボタンを目立たせる
「送信」などのコンバージョンボタンは、目立つ配色で大きく設置します。特にキャンセルや戻るボタンも同位置に配置する場合、優先度に合わせて大きさ・配色・位置を考えます。
優先度の高いコンバージョンボタンは、目立つ色で大きく上部に配置して、優先度の低い戻るボタンは目立たない灰色などで小さく下部に配置します。
また、コンバージョンの文言を「利用規約に同意して送信」とすると不安を招くため、必須でない限りは「送信」のみのようなシンプルな言葉を置きましょう。
おすすめのEFOツール3選
EFOの実施にはツールの活用がおすすめです。フォーム作成に困ったり、改善方法がわからなかったりする場合に、補助機能の追加や離脱データの分析を行うことができます。
ここからは、EFOツールの中から3つの製品を紹介していきます。
Gyro-n
Gyro-nは、EFO以外にもSEO、MEOなど、さまざまなデジタルマーケティング支援ツールを提供している企業です。有名企業の導入実績も多く、Web全体に知見があるのが強みです。EFOツールとしては、以下の特徴があります。
- 多彩なフォーム分析
- 経験豊富なチームによるサポート
フォーム分析機能では、ログ解析が可能です。ユーザーの細かな動きを分析して、どのタイミングでエラーが起きたのかがわかります。また、入力フォームでは、Yahoo!・FacebookのIDから自動入力するといった機能を搭載でき、専門スタッフによるA/Bテストから改善策を提案してくれるサービスもあります。そのため、改善方法がわからない企業にもおすすめのツールです。
EFO CUBE
EFO CUBEは、デジタルマーケティング支援などを行う「株式会社F-CODE」が提供するEFOツールです。搭載できる入力補助機能が業界最多の26種という特徴があります。
入力補助機能はYahoo!・FacebookのIDから自動入力をはじめ、企業データベースを参照して会社名から会社情報を自動入力するなど、他社にない機能を備えています。
さらにデータ解析機能として、以下のようなものがあります。
- 離脱を3分類にして分析
- 入力ボックスごとの分析
- レポートの自動作成
離脱したユーザーのうち、さらに「未入力離脱」「入力途中離脱」「入力完了離脱」の3つの割合を測定できます。また入力ボックスごとにエラー判定を記録し、不備を起こしやすい項目や離脱の原因を分析します。また期間を指定するだけで、分かりやすいレポート形式の分析結果を短時間で出力可能です。
GORILLA EFO
GORILLA EFOは、デジタルマーケティングやコンサルティングを行っている「Bruce Clay Japan」によるEFOツールです。入力補助では、「自動フリガナ入力」「住所郵便番号入力」「入力成功アラート」など定番の機能のほか、チャットフォームやポップアップといった変わった機能を備え付けています。
チャットフォームは、チャット上で入力を行う機能で、会話感覚で項目を提示し、返答内容から情報の記入が可能です。一方、ポップアップ機能はフォームごとに説明をポップアップさせる機能です。そのほか、画像を元にしたA/Bテスト機能を付属しています
また、分析機能では、デバイスやブラウザごとのユーザー動向分析や、「期間別」「項目別」「ブラウザ別」ごとに3つのレポート出力ができます。
さらにツールの導入はタグを設置するだけで既存の入力フォームに手を加える必要がないため、対応に手間を要しないという特徴があります。
まとめ
EFO(入力フォーム最適化)を行うことで顧客の離脱を防ぎ、コンバージョンの向上が狙えます。入力までたどり着いた顧客を逃さないためにも、フォームはわかりやすく不要な要素を省いて作成しましょう。
EFOの実施には、ツールの利用をおすすめします。EFOツールは、入力フォームの作成と顧客の動向分析が簡単に行えるソリューションです。
ツールを導入すれば、入力補助機能の追加や、離脱の原因を探ることが可能となります。フォーム作成やコンバージョンの向上に悩んだ際には、積極的に活用しましょう。