マーケティング

デジタルマーケティングの最新トレンド・先進事例

大企業、中小企業問わず、デジタルマーケティングは企業の営業活動においてなくてはならないものとなりました。しかしIT技術は進化のスピードが速いため、常に情報を追っていないとデジタルマーケティングのトレンドを把握することは困難です。本記事では、押さえておきたい基本知識やトレンドについてご紹介します。

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは、Webサイトやアプリ、SNSなど、さまざまな種類のデジタルメディアを駆使して行うマーケティング活動のことです。これにはインターネットを通じたWebマーケティングに加え、IoTやビッグデータなどを活用したマーケティングも含まれます。

デジタルマーケティングが登場する前は、TV広告や新聞の折り込みチラシ、担当者が架電して営業活動するテレマーケティングなどのアナログマーケティングが主流でした。しかし、スマートフォンをはじめとするモバイルデバイスを介して消費者と接点を持てるデジタルメディアが主流となったことに加え、ビッグデータや消費者の生活情報などを活用した施策が展開され、デジタルマーケティングが重要視されるようになりました。

デジタルマーケティングの市場規模

どのような施策を講じるとしても、まずデジタルマーケティングの市場規模を把握しておいた方がよいでしょう。国内の市場規模を示す1つのデータをご紹介します。

IT専門調査会社であるIDC Japanが2020年8月に発表した「国内デジタルマーケティング関連サービス市場セグメント別/産業分野別予測(2020年~2024年)」に掲載した「国内デジタルマーケティング関連サービス市場 支出額予測」で、デジタルマーケティングの市場規模の現状と展望が示されています。同社が主要事業者の動向について調査した結果、2019年の国内デジタルマーケティング市場は前年比9.2%増の4,189億円で、これが2024年には5,299億円へ上昇すると予測しています。

これはIT市場でデジタルマーケティング施策に必要なマーケティングツールの導入が活性化すること、ビジネスサービス市場でCX(顧客体験)の設計などコンサルティング需要が伸びることが寄与すると考えられているからです。市場規模は今後、拡大の一途をたどると見られていることがわかります。

【動画】マーケティング担当者必見!スタートアップCEOと考えるCXの未来

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デジタル技術の進化と共に購買プロセスが大きく変化し、B2B・B2C に関わらず、購買者はあらゆるタッチポイントで一貫したサービスを求めるようになりました。この変化の激しい時代において求められる顧客体験とはどのようなものか?

本動画は、過去 SAP.iO のプログラムに参加し、当領域の最前線で活躍されているスタートアップ各社の CEO をお招きし、日本企業が目指すべき将来の CX のあり方などについてディスカッションした内容を収録しています。

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デジタルマーケティングの最新トレンド

消費者の行動変化やAIの進化などを背景に、デジタルマーケティングのトレンドもめまぐるしく変化しています。いくつものトレンドがありますが、ここでは2021年に押さえておきたいトピックとして、「音声検索・動画コンテンツ・ソーシャルコマース」の3つを取り上げて解説します。

音声検索

音声検索とは、その名のとおり音声でインターネット検索をすることです。人間の発話をコンピューターがテキストに変換して検索します。代表的なツールにAppleの「Siri」やGoogleの「Google Home」、AmazonのAlexaを搭載した「Amazon Echo」などがあります。

AIの進化により音声認識の精度も飛躍的に向上し、日常的に音声検索を利用する人も増えてきています。Googleの調査によると、Google検索ではテキスト検索が80%である一方、音声検索を使用する割合が2割まで伸びています。

今後さらに音声検索の需要が伸びる可能性があるため、Webコンテンツを提供する企業では、音声検索で情報を見つけてもらうための準備が必要になります。VSO(音声検索最適化)と呼ばれる対策も注目されており、音声検索の動向および対策は押さえておきたいところです。

動画コンテンツ

動画コンテンツは2010年代から注目されていますが、2021年も引き続き注目したいトレンドです。

テキストよりも情報量が多く人の注意を引きやすいのが特徴で、広告やコンテンツとして動画を採用する企業が増えています。かつて動画制作には高価な機材や専門スキルが必要でしたが、機器の性能が上がったこと、またスキルレスな編集ツールが普及したことで制作する側のハードルも下がっています。

動画は、自社Webサイト上に掲載するほか、一般的にYouTubeなどの動画共有サービス、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSで配信します。最近ではライブ配信を活用して商品・サービスを紹介するライブコマースにも注目が集まっています。

ソーシャルコマース

ソーシャルコマースとは、主にSNSを活用して商品を販売する手法を指します。従来SNSは、メインとなるWebサイトやECサイトへの送客手段として用いられていましたが、SNS側に機能追加されたことでSNS内で商品購入まで完結できるようになりました。

代表的なものがInstagramのショッピング機能です。これは投稿内の商品タグをタップして詳細を確認でき、そこからECサイトへ移動して商品を購入できる機能です。ユーザーは気に入った商品を見つけたら、検索エンジンなどで商品を探さなくてもタップしてすぐに購入へ進めるのが特徴です。

国内では2018年から導入され、Instagramと相性がよいファッション系企業を中心に活用する企業が増えています。ソーシャルコマースが注目されている背景としては、SNSが情報のハブになっている点にあります。検索エンジンから探すのではなく、SNSで知りたい事やほしい物をチェックする人が増えていることから、SNS内で認知から購入まで完結するソーシャルコマースの重要性が高まっています。

デジタルマーケティングの先進事例集

デジタルマーケティングで成功している企業は数多くあり、取り組み方もさまざまですが、社内でデータ管理・活用がうまくできていることが共通点です。ここでは先進事例として2社を挙げます。それぞれCRM(顧客関係管理)機能を持つプラットフォーム、来客分析システムを導入し円滑なデータ活用を実現しています。

株式会社ブイキューブ

企業向けにWeb会議ツールなどの動画活用ソリューションを開発・提供するブイキューブは、デジタルマーケティングで新規顧客開拓を成功させています。同社では、展示会やセミナーなどを行い見込み顧客を獲得していましたが、どの施策でどの程度の効果が出たのかが把握できず改善につなげられないという課題がありました。

そこでコンテンツ管理、MAなどの機能を備えたHubSpotのマーケティングプラットフォーム「Marketing Hub」を導入。ブログで情報発信を行いながら、ブイキューブ製品に興味を持って資料をダウンロードした見込み顧客を管理、効率的な営業活動を行う流れを構築しました。

これにより、マーケティングの可視化と顧客にパーソナライズした情報提供を実現し、Webサイト訪問者数が2.2倍、問い合わせ数1.95倍、新規顧客購入単価1.65倍の成果を生み出しました。

日産自動車株式会社

メーカーは、エンドユーザーに直接車を販売するのではないため、代理店となる自動車販売店が顧客接点となります。そこで大手自動車メーカーの日産自動車では、販売店と一体となったデジタルマーケティングに取り組みました。

オフラインで課題となったのは、商業施設内に設置した集客用の店舗から販売店への効果が把握できないことでした。そこで同社では位置情報マーケティングに特化したリアル来客の分析システムを導入し、送客効果を可視化することに成功しました。細かな顧客の行動データを取得することで、さらに商圏や来店率なども把握できるようになり、最適なマーケティング施策を実施できるようになりました。

加えて、オンライン上で課題となっていたデジタル広告の効果把握についても可視化ソリューションを導入。オンライン経由の顧客に対して最適なマーケティング施策を実施できるようになったほか、デジタルメディアへの費用配分や広告の改善にも効果を上げています。

デジタルマーケティングを成功に導く「SAP Customer Experience」

デジタルマーケティングにおいては、まずどのような課題があるのかを洗い出し、どのツールを用いれば最適化できるのかを見極めることが重要です。デジタルマーケティングを成功するために欠かせないのが顧客データを管理するソリューションです。

「SAP Customer Experience」は、ドイツのソフトウェア企業であるSAP社が提供する次世代クラウド型CRMソフトウェアです。クラウド上で顧客データの一元管理できるほか、顧客分析、MAなどの機能を有し、1つのプラットフォーム上で顧客の全体像を把握できます。また、SAP Marketing Cloudを利用して顧客のプロファイリングやマーケティング分析ができるため、マーケティングの最適化によって売上増につながるようサポートしてくれるのです。デジタルマーケティングの実施を考えている方は、ぜひご検討ください。

まとめ

業種や企業規模に関わらず、デジタルマーケティングは欠かせないものとなりました。2021年のトレンドとしては音声検索、動画コンテンツ、ソーシャルコマースなどがあり、需要に合わせて効果的な施策を講じていく必要があります。

デジタルマーケティングを成功させるためには、顧客データの全体像を把握し、管理・分析することが重要です。CRMやMAツールなど数多くのサービスはその一助となるため、自社のニーズに合わせて導入することをおすすめします。

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