悩ましいことにテクノロジーの進化とともにマーケティング担当者が考えなくてはいけないことが非常に増えてきています。ソーシャルメディア、ビジネスブログ、SEO、オンライン広告、オフラインの広告、セミナー、展示会、Eメールなどマーケティングチャネルの増加に伴い見込み客の購買の流れ(バイヤーズジャーニー)を考える際のタッチポイントも多様性を増してきています。
そのような環境でどのようにマーケティング担当者は、自社の売り上げに貢献すべきなのでしょうか。マーケティング担当者が行わなくてはいけないことは、セールスチームに対して定義づけられた優良見込み客を一定の期間に一定の数だけ渡すことです。
購買力を持った見込み客が多くなるなか、見込み客は自分の調べている(欲しいと思っているもの、など)事項や、解決したい事柄と関係ありそうな情報を直接探しに行くことができるようになってきています。
つまり、将来の顧客になる可能性のある見込み客と正しい接点(見込み客目線で)を作らないとあなたのビジネスは見向きもされず、見込み客の彼らは他の競合などのビジネスへ向かっていってしまうことへつながりやすくなっている、ということにもなります。
その際に重要なことは適切なタッチポイントを作ってあげること、タッチしてもらえた後はその関係性を健全に育むことが重要である、ということになります。
本記事では、タッチしてもらった後にどのようにその見込み客を育成し、顧客化までのプロセスを進んでもらうべきか、そのステップと成功のためのポイントをご紹介します。
見込み客育成はEメールから始まるわけではない
見込み客を育成することは特にB2B業界では重要なことです。なぜかというと、B2Cと比較してB2Bは購買までのプロセスが比較的長く、さらにはステップバイステップ(社内稟議や上長への許可)で進んでいくことがほとんどだからです。
そのため、的確に見込み客を育成してゆくことはお互いにビジネスの信頼関係を作り上げるだけでなく、顧客化したあとの関係性にも強く影響を与えます。よい関係を築いた結果として、顧客満足度をあげ、さらに新しい案件が広がる、などということへもつながります。つまり、適切な育成をすすめることは継続顧客や新しい顧客を生み出すことへもつながります。
では、どのようにしてそのステップを進めてゆけばよいのでしょうか。
Step1: 自社のセールスチームと理想の見込み客の購買のサイクルを調べる
先ほどタッチポイントを作ると説明した通り、あなたの製品サービスに興味を持っていると思われる人たちに適切な形でコンテンツを提供する必要があります。そのために、まずあなたのウェブサイトに来ている人たち(ウェブサイトに人が来ていない場合は、まずはペルソナを作りましょう)がどのようなコンテンツを摂取しているか調べます。
そして、例えばTOFUにいる人たちに対してどのようなコンテンツが魅力的なのかを調べましょう。その際に、最も正確で効率的な方法はあなたの会社のセールスの担当者に、自身がどのようセールストークを初めて見込み客と面した時に行っているか?を聞くことなどが有効です。
Step2:マーケティングキャンペーンの全体図を作成する
次に行うべきことは、目的を設定することとその全体図であるマーケティングキャンペーンを作ることです。例えば、先ほどのTOFUの人たちを月間何件獲得して、何件を次のマーケティングファネルであるMOFUに送るのか、といったことなどがマーケティングキャンペーンを作る上での土台となります。
当然ですが目的を決めれば最適な全体図の設計に入れます。全体図を書いてから目的を決めることなどあり得ません。戦略となる全体図を書いてから、その際に必要となる戦術上(SEO、ソーシャルメディア、Eメールなど)で最適なものを選んでいきます。
その際に全体図である戦略を作ることは非常に重要になりますが、全体図を作ることに極端に時間を費やすのは止めましょう。すべてのことが予想できないように、マーケティグキャンペーンでも予想できないことが起こりえます。
Step3: メッセージ(コンテンツ)を作る
ここでのコンテンツを作る理由は先ほどの例を用いて説明すると、 見込み客の課題や悩みを解決することによって彼らをTOFUからMOFUへと誘導することです。そのためのコンテンツを先ほどのStep1のようにセールス担当者などと話を行い作成し、ソーシャルメディアでしたらFacebookならではの好まれるスタイル(カラフルで魅力的な画像を多く含むこと)、ツイッターなら強く興味を引き言葉を入れることなどに留意して、メッセージを届けるための努力もしましょう。
例えばEメールの場合だと、メールの宛名を“あなたの会社の名前”ではなく実際の担当者になりうる人の名前から送信する、などの方法があります。当然ですが、適切に何回もコミュニケーションをとっている人の方が、初対面よりも信頼ができます。オフラインでの人間関係の作り方と同じです。
Step4:キャンペーンをテストして効果を測定する
ある程度の数字が出始めてたら必ず数字の確認をしましょう。今回の例で言えば、どれだけの数の“人“がTOFUからMOFUへ移動したかがKPIとなります。クリック率などはマーケティングでのKPIではありません。あくまで、本来のKPIである人の数を計算するための補足的な数字でしかありません。
またよくある間違いの一つに、ソーシャルメディアのクリック数などを指標としているケースなどがあります。例えば、Facebookなどで気にすべきはFacebookでの“いいね!”数ではなく、そのソーシャルメディアでのメッセージから自社のサイトへ流入している人の数です。
“いいね!”などがFacebook上でされたとしても、あなたのサイトへ来ているひとの数、ということではありません。その人は“いいね!”をしたあともFacebook上で自分のフィードに流れてくるコンテンツを楽しみ続けているということがありうるからです。
このように適切なステップは一例ですが、いずれも重要なことは購買力をもっているのは、製品サービスを作っている企業側ではないということです。購買力をもっているのは他ならぬ消費者であり、それはB2BやB2Cであっても変わりありません。
その購買行動の変化となどに対して会社全体で理解を進め、社内のメンバーを巻き込んで見込み客の獲得を進め、さらに育成を進めて顧客かすることが今後の企業の成長には非常に重要になってくるように感じます。