皆さん、インバウンドマーケティングしてますか?
現代において企業のソーシャルメディア活用やオウンドメディア運営は欠かせないマーケティングであり、多くの企業が積極的にWebでリード獲得やブランド力向上に取り組んでいると思います。
そんなインバウンドマーケティングに取り組みだしてから数ヵ月~半年ほど経過している企業に問いたいのですが、しっかりと効果を実感できているでしょうか?
「インバウンドマーケティングは体力勝負」とよく言いますが、これはコンテンツの蓄積によるドメイン強化や少しずつ認知拡大していくことに起因しています。しかし、半年経過して効果を実感できていないというのであれば軌道修正が必要です。そこで今回は、インバウンドマーケティングの統合プラットフォームであるHubspotの海外活用事例を紹介していきたいと思います。成功事例を知ることで自社に足りないものや改善点などが見えてくることもあるので、是非参考になさってください。
インバウンドマーケティングとは
軽くインバウンドマーケティングについておさらいしておきましょう。
インバウンドマーケティングとは“ユーザーから見つけてもらうことで自社ブランドの認知拡大から始まり、ブランドロイヤリティの向上、リード獲得、最終的にはサービスの利用や製品の購入へと繋げるためのマーケティング“です。
インターネットという情報プラットフォームが生活の一部となっている現代において、ユーザーは自社・自身の課題解決のためにまずWeb上で検索をかけます。
「この課題を解決する方法はないか?」
「どんな方法で解決できるか?」
「解決するためのサービスや製品は何か?」
こうした課題を解決するといったニーズに着目しコンテンツを配信してアピールすることで、ユーザー自らブランド認知やサービスの利用などに至ります。
そのためにインバウンドマーケティングではオウンドメディア(企業ブログ)やソーシャルメディア運用、メルマガ配信、LP(ランディングページ)といったチャネルを活用します。
Hubspotとは
Hubspotについても少し解説しておきます。
HubSpot社は2006年、MIT(マサチューセッツ工科大学)で同学であったブライアン・ハリガン(CEO)とダーメッシュ・シャア(CTO)によって設立されました。翌年12月にはインバウンドマーケティングを展開するための統合プラットフォームであるHubspotを提供開始し、現在ではマーケティングオートメーション部門において世界No.1のシェアを博しています。
Hubspotの特徴としてアクセス解析やメール配信、リード管理といったマーケティングオートメーションの基本機能に加え、CMS(コンテンツ管理システム)機能によるブログやランディングページを作成、管理やリード分析機能など、“一気通貫したマーケティングツール”を提供しています。これが「統合プラットフォーム」と呼ばれている所以です。
Hubspotを活用した海外のインバウンドマーケティング成功事例2選
Usabilla/オランダ
主な成果
- 全体的な売上げのうちインバウンドマーケティング由来の売上げが40%を占める
- インバンドマーケティング展開前と比較してリード獲得数が2倍に増加
- LPにおけるコンバージョン率が56%と高数値をマーク
Usabilla社は2009年にオランダで設立された会社で、Webサイトのユーザービリティ(使いやすさ、使い勝手)テストツールを提供しています。同社の課題は「ブランドの認知拡大」と「ユーザーと密接に関わったマーケティングの展開」であり、これを実現するためにインバウンドマーケティングという選択肢は必然でした。また、それと同時に強力なマーケティングプラットフォームを必要として選ばれたのがHubSpotです。
まずは既存のリストデータを全てHubSpotに取り入れ、機能をフル活用してランディングページ・CTAの作成に始まり、コンテンツ、Eブック、製品デモなどユーザーとのタッチポイントを整備。アクセス解析を上手に活用して効果検証と改善のPDCAサイクルを迅速に回しました。
その結果、徐々に効果が表れ12ヵ月以内で前述した成果を上げています。これ以外にインバウンドマーケティング由来で人員が2倍に増加し、現在ではニューヨークに新オフィスを開設しています。
この事例で着目して欲しいのは”12ヵ月以内”と“人材確保”の2点です。
インバウンドマーケティングとはPDCAサイクルを適切に回せてさえいれば、12ヵ月以内に十分な効果が期待できるものなんです。しかし半年程度で「成果が上がらないから…」といった諦めてしまうのは非常にもったいない。体力勝負というからにはPDCAサイクルを回しつつ、成果が上がるまで最低でも1年はかかると考えるのが適切です。
また、インバウンドマーケティングの効果として意外と見落としがちなのが“人材確保”です。オウンドメディアやソーシャルメディア運用で獲得できるのは何もリードだけではなく、求職もバンバンきます。
このため求人広告や人材エージェントにかける費用を抑え、スキルの高い人材を効率的に確保することができるんです。国内の某Web制作会社もオウンドメディアからの人材確保がほとんどのようです。
引用:http://www.hubspot.com/customers/usabilla
Usabilla:https://usabilla.com/
Oe:gen/イギリス
主な効果
- ブログトラフィックが240%上昇しリード獲得数が5倍に増加
- Hubspot導入前と比べて全体的な顧客数が20%増加
- 顧客全体に占めるリテーナー(一定期間の契約)数が40%に増加
Oe:genはイギリスを拠点に置くWebデザイン会社であり、その他にインバウンドマーケティングの総合的なサポートとSales forceなどのマーケティングツールの導入支援を行っています。ちなみに2014年にはHubspotの正式なパートナーとなり合わせて導入支援を提供しています。
2014年という年は海外におけるインバウンドマーケティング全盛期とも言える年であり、同社はクライアントと自社双方にとって最適なマーケティングプラットフォームは何か?を模索していました。そんな中社内でもHubspotの導入の声が多く挙がっていたことからパートナー契約を行い、クライアントへ提供することはもちろんOe:gen自身も活用を開始。
Oe:genではもともと3年間運営しているブログがあったのですが、「ただ運営している」という状態にありました。Hubspot導入後はまずコンテンツを再設計し、ランディングページ・CTA・フォームの作成やコンテンツ公開におけるワークフローを整備。トラフィックは徐々に増加しリードが流れ始め、クライアントにソリューションを提供する上でのベストプラクティスを徐々に積み上げていきました。
同社にとって最も利益を上げているのがリテーナーの増加であり、この事例で注目して欲しい点でもあります。国内のインバウンドマーケティングではリード獲得に重点を置いている企業が多を占めます。それに対し、海外ではブランド認知やロイヤリティ向上に重点を置いている傾向が強いのです。これはインバウンドマーケティングを従来のマーケティングと切り離して考えているか否か?の違いですね。
国内では従来のマーケティングの延長線上にあると考える傾向が強いため、リード獲得や成約など直接的なコンバージョンに視点を集中させます。しかし海外では、インバウンドマーケティング自体が確立され施策であり、間接的な成果に視点を集中させているのです。
事実、Oe:genの事例でもブランドロイヤリティの向上によりリテーナーの増加に成功しています。
引用:http://www.hubspot.com/customers/oegen
Oe:gen:http://www.oegen.co.uk/
今回の事例から見えたこと
- インバウンドマーケティングは体力勝負!成果が上がるまで最低でも1年間は運営する気概が必要
- PDCAサイクルの迅速化が鍵!そのためには適切なプラットフォームの選択を
- オウンドメデイアだけに依存しない!可能な限り連携のとれたマルチチャネルを提供
- 直接的なコンバージョンを重視するのは良くない!?ブランド認知拡大やロイヤリティの向上にも目を向ける
最後だけ疑問形になっていますが、これは直接的なコンバージョンを重視した場合でも成功しているケースがあるからです。ただし、やはりブランドの認知拡大やロイヤリティ向上に目を向けている企業ほど成功しているのも事実。
まとめ
今回紹介した成功事例は2つのみですが、これだけでも多くの事が学べたのではないかと思います。やはりインバウンドマーケティング後進国と言われている日本では、こうした海外の事例をどんどん参考にしていくべきでしょう。
また、リードプラスでも多くの企業のインバウンドまーケティングをサポートしています。リードプラスが提供しているインバウンドマーケティングサービスの事例もご確認ください。
インバウンドマーケティングで成果が上がらないのには必ず原因と課題があります。まずはそれを把握し、改善案を出し合いPDCAサイクルを迅速化させることがとても大切です。
決して諦めず、インバウンドマーケティングで事業拡大と成長を目指してください。すべての取り組みはあなたの会社の資産になりますので。