営業活動を進めるうえで、用語として何度も登場するものの一つに「リード」があります。リードは新規顧客を獲得するうえで重要な指標となるため、最終的には売上にも大きくかかわってくるのが特徴です。
そのためリードとは何か、リードとはどのように活かすべきものなのかなど、リードについて理解を深めることは営業業務において必要不可欠です。
そこで今回は、リードの定義や基礎知識をまとめたうえで、リードを獲得するために必要な方法をご紹介します。
営業におけるリードとは?
「リード」とは、さまざまな意味を持つ言葉ですが、営業用語としては非常に重要な用語と言っても過言ではありません。まずは、営業におけるリードの意味や基本的な概念から整理していきましょう。
営業活動における見込み客のこと
リードとは、営業活動において重要となる「見込み客」のことです。企業によっては、そのまま日本語で見込み客あるいは見込み顧客と呼ぶこともありますが、近年は見込み客のことをリードと表記し、リード管理を行う企業は増えてきています。
リード・見込み客とは、将来的に自社サービスや製品を利用する可能性を持つ人、あるいは企業(組織)のことを指します。
例えば、一度営業を行って「いったん検討します」との回答をもらった状態の相手は、まだまだ十分に成約のチャンスがあると言えるでしょう。このような相手は、将来顧客になる可能性を秘めているため、リードとして扱われるのです。
直接営業をしていなくても関心があれば含まれる
リード・見込み客というと、直接営業マンなどが営業活動などの働きかけを行った相手だけが対象ととらえがちですが、実はリードには、直接営業していない人が含まれることもあります。
それは、広告や口コミなどを通じて自社サービス・製品に関心を持っている人です。昨今は、ネット広告やネットの口コミなどで消費者が多くの情報に触れやすくなり、営業活動を行っていない状態でもリードは増えやすくなったと言えます。
リードの獲得が新規顧客の獲得につながる
営業活動で効率的に成果を上げていくには、まずリードの獲得が重要になります。
リードを獲得すれば新規顧客候補の母数が増えるため、新規獲得のチャンスは広がるということです。そのため、リード獲得の効果的な方法を押さえておくことは重要になります。
リードの4つの分類
リードは、主に以下のように4つに分類できるのが特徴です。
- Inquiry
- MQ
- SQL
- Close
では、それぞれの特徴をご紹介します。
Inquiry:問い合わせの段階にいるリード
Inquiryとは、問い合わせのフェーズにあるリードのことを指し、温度感としては軽く興味を持っている程度になります。
しかしそうは言っても、問い合わせや資料請求をしてくるということは、自ら動くくらい前向きに関心を持っていることは分かります。
MQL:マーケティングで獲得したリード
MQLとは、さまざまなマーケティング施策を講じたことで獲得に至ったリードのことです。例えば、展示会などのイベント、セミナー、広告などから獲得したリードにあたります。
また、Inquiryフェーズだったリードにメールで商品のPRを送ったりすることで、MQLの段階に温度感を高めるパターンも見られます。このような場合は、例えばCRMやSFA、MAツールなどのソリューションなどを活用すると、Inquiryのリードに効果的な施策が分かるため、効率的にMQLに成長させられます。
SQL:営業アプローチをする段階のリード
SQLとは、営業アプローチをする段階になっているリードのことを指しています。直接商談などを行っている段階ということは、相手もかなり自社サービス・製品に対して高い温度感で興味を持っている状態になります。
したがってSQLは、力を入れて営業をかけていくべきリードと言えるでしょう。温度感を下げないためには、それぞれの温度感や興味をより持ちやすいチャネルに合わせた営業手法を見極めることも重要です。
この段階でも、MQL同様にCRM・SFAなどのツールが必要不可欠となります。営業すべき時間帯・日程なども戦略的に管理できることが重要です。
Close:購入の希望がある契約前のリード
Closeとは、商談などをすでに終えた状態にあり、購入や契約の意向を確認しているリードのことを指します。
ほぼ新規獲得は決定している状態ですが、購入や契約の意向を聞いてから、実際に購入・契約に至るまでに時間が空く場合は、「やっぱり気が変わった」となることもあるかもしれません。この場合は、必要に応じてフォローが必要になってくるでしょう。
特に重要なMQLとSQL
上記の項目でも触れましたが、リードの中でも、MQLとSQLは特に高い重要性を持つと考えられます。ここでは、MQLとSQLに焦点を当てたうえで、次の点について解説していきます。
- MQLとSQLの違いとは
- MQLとSQL連携する際の課題
- SFA/CRMの必要性
営業・マーケティング活動を活発化させていくには、SQL・MQLについてより理解を深めることが必要不可欠です。では、それぞれの項目について重要なポイントをまとめていきます。
MQLとSQLの違いとは
MQL(Marketing Qualified Lead)はマーケティング活動で獲得したリード、SQL(Sales Qualified Lead)は営業アプローチをかけるフェーズに移っている状態のリードを指します。
そのためMQLは、顧客から能動的に製品やサービスを購入したいと働きかけをしているわけではないことが分かります。あくまで展示会やセミナー、広告などのマーケティング活動がきっかけで獲得したリードなので、より具体的なニーズが分からない状態になります。
そのためMQLは、MAツールなどを用いて情報発信を行うことで興味関心を育成し、「案件化」していくことが求められます。
一方でSQLは、すでに案件化している状態のリードを指しています。つまり顧客と「プランAとプランBどちらにするか商談を行っている」などの状況にあれば、それはSQLにあたります。ほかには、見積もりのやり取りをしている状態にある顧客などもSQLに該当します。
そのため、SQLはMQLと違って顧客自らこちら側へ働きかけをしている状態にあり、さらにはニーズも明確になっているのが特徴です。
MQLとSQL連携する際の課題
MQLとSQLの連携においては、営業とマーケティングそれぞれの部門で上手に連携が取れていないと、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
例えば、よくあるケースとしては、マーケティング部が獲得したリードを営業部に共有しても、結果としてまともな対応を行ってもらえないことがあります。
これにはさまざまな要因が考えられ、営業部としては、「少ない情報のみで見込み客扱いされても、アプローチの方法に困るだけ」という言い分もあるでしょう。一方でマーケティング部としては、「アプローチしやすいリードとしてどのような条件、情報をそろえるべきか分からない」という言い分もあるでしょう。
このようなケースは、お互いの連携不足と言わざるを得ず、いずれかの部門に非があるとも言い難い状況です。このため、獲得したリードを最大限活かすためには、必要な情報や要望の共有が不可欠と言えるでしょう。
SFA/CRMの必要性
リード獲得や管理をスムーズにするためにはSFA・CRMが重要になりますが、これらのソリューションは、マーケティングと営業の連携性を高めてくれる点でも役に立ちます。
SFAやCRMを活用することで情報共有がスムーズになれば、それに伴って自然と連携が取れ、マーケティング・営業両方の活動が効率化します。
例えば、営業部はSFA・CRMに保管されている顧客のログを確認すれば、マーケティング活動からリード獲得に至った経緯や背景、具体的なやり取りが分かりやすくなるため、アプローチに活かすことができます。
両部門の連携性を高めて利益の最大化を目指すには、SFA・CRMの導入は非常に効果的と言えるでしょう。
リードの獲得が売上にもそのままつながっていく
営業活動においてリードの獲得は、そのまま売上につながっていく行程と言っても間違いではないでしょう。
リードはいわば顧客候補とも言える存在のため、候補が周りに多ければ多いほど、営業活動を活発に行えます。その分新規獲得の件数も増えると考えられるでしょう。
そしてリードの効率的な獲得、的確なリードナーチャリングには、CRMやSFA、MAツールなどのツール活用がやはり効果的です。リード獲得をそのまま売上につなげられるよう、必要な営業時期や営業手法の見極めには、ツールを積極的に役立てていきたいところです。
まとめ
リードとは、営業活動において重要な役割を持つ見込み客のことを示しています。昨今の営業活動ではリードを豊富に獲得したうえで、営業のしやすさ・成功しやすさを高めていくことが、売上向上のためには大切です。
そのため営業・マーケティングの効率化にはリード獲得は欠かせません。必要に応じてITツールでリード獲得・管理を行い、売上向上といった結果に還元していきましょう。