市場成熟化が進む日本において、各企業が海外展開へ目を向けることは至極当然であり、すでに海外事業立ち上げに向けてプロジェクトを促進している企業は多いのでしょう。
新興国や先進国、まだ見ぬ市場を目指して海外展開を行う企業では「グローバルオペレーション」を成功させることが重要な課題の一つとなります。
このグローバルオペレーション、単なる海外展開などの意だと認識している方も多いようですが、実際は違います。この認識が誤り続けていると、海外事業も失敗に終わったり、莫大な費用がかかってしまうことも少なくありません。
今回は、海外展開を行っている企業に向け、グローバルオペレーションとは何かや、成功のために必要なポイントなどを紹介していきます。最後には、Microsoft Dynamics 365を活用する企業がどのようにしてグローバルオペレーションを変化させていくのかまで紹介します。
グローバルオペレーションとは?
運転や操作といった意味がある「オペレーション」という言葉ですが。言い換えるならばコントロール(制御)となります。
では、何を制御するのでしょうか?
それは「グローバルの各拠点が踏襲すべき業務プロセスとビジネス思考、職務規程など」です。つまり、グローバルオペレーションとは、ガバナンスが確立された制御可能な全世界レベルの業務手順のことです。
今まで日本でビジネスを行う場合には気にしなかった商習慣ですが、海外でビジネスを行う場合には言語の問題、時差の問題、為替の問題、通貨の問題、法制度の問題、税制の問題、文化の違い、人材の問題など様々なことを吸収しなければなりません。今までニュースなどで取り上げられる海外のことが人ごとではなくなるわけです。そのような中で企業はガバナンスを確立させる必要があります。加えて、各拠点ではシームレスに連携が取れていることが前提条件でもあります。
グローバルオペレーションを実践するメリットとしては、人材の流動性など変化に惑わされることなく、標準化された業務プロセスによって万が一トラブルが発生した際も迅速に対処することができるのです。
また、グローバル企業は各拠点の情報をリアルタイムに収集することで、様々な情報を交えつつ新たな事業戦略を立案し迅速な展開も可能です。
グローバルオペレーションによって享受できるメリットは多く、故に海外進出企業ではグローバルオペレーションを成功させるという重要性が非常に高いのです。
グローバルオペレーションを成功させるために
国が変われば事情も変わる
グローバルオペレーションを成功させるためにまず重要なことは、国ごとに文化や商習慣が異なるということをしっかりと理解しておくことです。文化や商習慣の違いを認識している企業は多いのですが、それは対外的な話で、社内では当たり前のように日本の文化や商習慣が根付いているケースは少なくありません。
例えばタイにおいてワンマンセル生産方式を採用した場合の話ですが、生産において一人がより多くの要素作業を行うため、トレーニング体制を整えて全従業員に教育を行わなければなりません。
しかし、タイでは作業者に派遣社員を利用することも多く、他に好条件の仕事があればすぐに転職してしまうケースも少なくありません。こうした状況を考慮せずにワンマンセル生産方式を導入することで、長い時間をかけて教育した従業員も、最悪の場合ラインに立つ以前に辞めてしまいます。
これでは人件費が上がってしまうばかりか、ビジネスとして破たんしてしまう可能性があります。このように、国が変われば文化も商習慣も変化します。これを正しく認識していることで、グローバルオペレーションのリスクを低減することが可能なのです。
グローバル標準化を最優先に考える
グローバルオペレーションを実現する上で重要な標準化ですが、多くの企業ではローカル拠点に遠慮して着地点を探しがちです。つまり、完全な標準化ではなく、適宜ローカルルールを適用することで、現地スタッフのフラストレーションを抑えようと考えます。
しかし、実際には逆効果になるケースが少なくありません。
ローカル拠点からすれば、少しでも自分達が行ってきたプロセスを残したいと考えます。こうした状況の中、一度着地点を決めてしまえばローカル拠点からの要求は必ず続いていくでしょう。
こうなるとグローバル標準化は中途半端に終わり、グローバルオペレーションの実現にも遠のいてしまいます。従って推進側は、グローバルオペレーションを実現させるために、厳格な姿勢でグローバル標準化を行っていく必要性があるのです。
リアルタイムな情報共有環境
グローバルオペレーションを実現させるということは、ローカル拠点の情報を素早く確認し、新たな事業戦略やマーケティングについて考える時間が増えるということでもあります。
そこで重要となるのがリアルタイムな情報共有環境です。
せっかく各ローカル拠点との連絡がシームレスに取れても情報共有基盤が無ければ様々な情報を得ることはできません。情報提供までに数日以上の時間を有しているのであれば、グローバルオペレーションに取り組む意味がありません。だからこそ、リアルタイムな情報共有環境が重要になるのです。
Microsoft Dynamics 365はグローバルオペレーションをどのように変えるのか
皆さんはMicrosoft Dynamics 365という業務ソフトウェアをご存知でしょうか?Microsoftが提供するCRMシステムとERPを統合した業務ソリューションです。
そんなMicrosoft Dynamics 365ですが、グローバルオペレーションにどのような変化をもたらすのでしょうか。
まず情報共有基盤ですが、Microsoft Dynamics 365ならば導入と同時に構築することができます。クラウドベースでも提供されるMicrosoft Dynamics 365は、地域をまたいでシステムにアクセスすることが可能です。もちろん移動時にもアクセスできます。このためローカル拠点の情報もリアルタイムに把握することができます。
Microsoft Dynamics 365はコスト面でもメリットがあります。クラウドベースで提供されるということは、インフラ調達やネットワーク構成の見直し、日々のシステム運用業務などが必要ありません。つまり、インフラにかかる導入コストや運用コストを抑えることが可能です。
さらに他のメリットを挙げるならば、グローバル標準化を支援するという点です。グローバル標準化を行うためには、導入システムに関する研修などをしっかりと行い、グローバル企業とローカル拠点が同一のシステムを使用している必要があります。
しかし、察しの通り日本で提供されるシステムが各国のローカル拠点にフィットすることは少ないのです。
そこでMicrosoft Dynamics 365は、世界中のビジネスパーソンが使いなれたOffice製品に似たインターフェースを持っており、各国の言語にも対応しています。つまり、システムに関する教育を最低限に、ローカル拠点でもグローバル企業とまったく同じシステム環境を構築することができます。
まとめ
いかがでしょうか?今回は今後も重要性高まるグローバルオペレーションについて紹介しました。今後、海外事業立ち上げを目指す企業において重要になるグローバルオペレーションですが、道のりは決して簡単ではありません。
各国の文化や商習慣の違いを理解した上でも、実現するためには様々な要素が必要となります。
Microsoft Dynamicsのようなグローバルで通用するビジネスシステム基盤を採用することで統制された業務運用がグローバルレベルで可能になります。
適切なグローバルオペレーションを実現するためにも、ぜひMicrosoft Dynamics 365を検討してみてください。グローバル環境に必要な機能を備え、企業のグローバルオペレーションを強力に支援します。