営業活動にSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)が欠かせない時代であることは周知の事実です。現代ビジネスと旧来で決定的に違う点は、顧客ニーズが非常に多様化し、案件ごとの確度や優先順位などが、人為的な勘や経験から導き出すことが難しくなっていることです。
しかも、最近の顧客の特徴は対面でのコミュニケーションよりもデジタル上でのコミュニケーションを強く望んでおり、営業に求められる要素も大きく変わってきました。テクノロジーが大きく発展する以前の営業では、営業が毎日足を運び、顧客とコミュニケーションを取る中でビジネスチャンスの感触をつかむというのが通常でした。もちろん今でもこのような手法は重要ではありますが、現在では、多数あるコミュニケーションチャネルから必要な情報を取捨選択し、情報分析をもとに確度の高い案件を導き出したり、論理的に優先順位を付けたりしていくプロセスが必要です。
そこで営業支援が貢献するわけです。本当に売上に貢献する営業支援とは一体何でしょうか?もちろん、営業支援ならばどれでも良いというわけではなく、現状の営業活動と将来的な目標を交えて、正しい営業支援を選択する必要があります。本稿では、皆さんが今後選択すべき営業支援の姿について解説していきたいと思います。
ダメな営業支援の特徴とは?
売上貢献を目的に導入/構築した営業支援の中には、想定に反してその効果をまったく発揮しないケースが少なくありません。営業はすべての企業に存在する汎用的な業務プロセスに思えても、企業ごとに違いは必ずありますし、意外とデリケートな部分でもあるため、営業支援は慎重に導入/構築することが大切です。
ちなみに本稿で言うところの営業支援とは、「営業支援を目的としてツールおよび、営業活動に貢献するシステム全体」を指しています。では、ダメな営業支援の特徴を確認していきましょう。
特徴1.お客様情報の共有ができていない
顧客にとって最もストレスが生じるポイントは、取引先の部門間で情報共有ができておらず、2重3重の手間が生じたり的外れな対応をされたりすることです。しかしそうした問題は往々にして発生します。原因は、営業と他部門とでお客様情報の共有ができていないことです。営業支援が「営業のためだけのもの」になると、お客様情報が営業に属人化し、サポートチームとの情報共有ができないため多くの問題を引き起こします。逆にサポートチームに寄せられた問い合わせが営業に共有されていないことも多く、クレームの真っただ中に新製品をおすすめして顧客を激昂させてしまう光景もよく見かけます。
特徴2.予実管理を徹底するための尺度が無い
10年前と今とでは、営業に求められる要素も営業が管理すべき情報の種類や量も大きく変わっています。そのため、経験と勘に従った営業スタイルで売上の見通しを立てることは非常に困難です。その中でも進捗管理を徹底しようとするので、営業マンは個人的な感覚で進捗を報告し、マネージャーは進捗が何%進んでいて何がボトルネックなのかを実のところ理解していません。経営層への報告もマネージャーごとに属人化してしまうため、業績予測と実際のブレに頭を悩ませることになります。
特徴3.報告活動に多大な時間を費やされる
多くの企業は、ホウレンソウ業務に67%以上の時間を費やしている驚きの調査結果があります。営業活動の効率化を目的に営業支援を導入/構築したつもりが、様々なツールやチャネルでのホウレンソウ業務に追われることになり、営業活動の大半をそれに浪費してしまっている現状に気づいていないのです。
特徴4.情報は増えるばかりで処理が追い付かない
情報は日々蓄積されていくものであり、膨大な情報の中から次の営業活動に有用な知見を見出すことは、現代ビジネスを生き抜く上で必須スキルとなっています。しかしほとんどの営業マンは、メールを1つ1つ開封したり、チャット履歴を検索したり、議事録を確認することで意味のある情報の発掘を行います。こうした非効率的な作業によって案件ごとの優先度を把握することは難しく、情報分析に時間がかかり、案件の取りこぼしも増えてしまいます。
特徴5.営業コアタイムの創出に貢献していない
これらの特徴を持つ営業支援は、営業コアタイムの創出にまったく貢献できていません。営業にとって何よりも大切な時間は「顧客との対話」です。従来とはチャネルが変わっても顧客とコミュニケーションを重ねていくことで契約を取っていくという基本スタイルは変化していないので、営業コアタイムが創出できていない営業支援は導入/構築に失敗したと言って良いでしょう。
「売上貢献」へダイレクトに作用する営業支援とは?
マイクロソフトが提供するMicrosoft Dynamics 365はクラウド(インターネットでの利用を想定した)サービスとして提供されている、統合的なビジネスアプリケーションです。その中には営業支援を実現するMicrosoft Dynamics 365 for Salesが含まれています。これこそが、現代ビジネスにおける営業支援の問題を解消し、売上貢献を本当に実現する営業支援の1つだと言えます。その特徴とは一体何でしょうか?
特徴1.全社一貫した顧客エクスペリエンスが実現する
Microsoft Dynamics 365がある環境では、営業とサポートチームはもちろんのこと、あらゆる部門がシームレスに連携するための基盤が整います。統一された顧客情報を共有することができ、全社一貫した顧客エクスペリエンスを提供することで顧客が受けるストレスを大幅に軽減できます。
特徴2.同じ指標、同じ言語で属人化を排除し本質的な進捗管理が実現する
全社のシステムをMicrosoft Dynamics 365で統一することで、同じ指標と同じ言語を使用でき、営業での属人化を排除することができます。営業マンはもちろん、マネージャーも経営層も数値で表された明確な指標を手に入れることができるため、予実管理が徹底されます。
特徴3.ホウレンソウ業務がわずか数分で完了する
Microsoft Dynamics 365にはビジネスで大いに活用できるチャットボットを組み込むことができ、営業マンは移動中でもSkype for Businessのチャットボットと数分の対話をするだけで、ホウレンソウ業務を完了できてしまいます。
特徴4.AIによって顧客情報分析が迅速化される
Microsoft Dynamics 365に組み込まれたAI(人工知能)は、日々蓄積されている膨大な情報の中から、案件化につながる意味のある情報を能動的に探し出し、営業マンにサジェストしてくれます。その結果、営業効率のアップでレベルの高い営業活動が可能になります。
特徴5.イコール、営業コアタイムが大幅に創出される
これらの特徴は最終的に、営業コアタイムの創出に貢献し、営業は今までよりも顧客とのコミュニケーションに時間を割くことができるようになります。
いかがでしょうか?自社にとって売上に貢献する営業支援とは何かについて十分に考えた上で、Microsoft Dynamics 365が提供する革新的な機能にぜひ着目してください。