ERP

オープンソース、無料で使えるERP10選!!

1990年代後半から2000年代初頭にかけて導入が進んだERPは、大企業向けの製品として、導入コスト数億円という規模が当たり前でした。しかしその後、ミドルクラス向けのERPが多く開発されたことや、クラウドサービスとしてのERPが台頭したことで、ERP導入の低コスト化が進みました。

それでもなお、ERPを導入し、ITシステム全体の統合を図るためには、数百万から数千万円の導入コストが必要です。そこで、オープンソースERPに着目する企業が増加しています。無償ライセンスにより無料で利用・改修・再配布が行え、低コストなERP導入として選択している企業が多いのです。

ここでは、そんなオープンソースERPを10製品集め、特徴を紹介します。

もう一つ重要なことは、オープンソースERPで成功を収めている企業は多くない、という事実です。この点についても、本稿の後半で触れていきますでの参考にしてください。

ERP導入で失敗する8つの理由と回避策

無料で使えるERP10選

ADempiere

ADempiereは、2006年にCompiereというオープンソースERPの開発コミュニティが、開発・提供するオープンソースERPです。しかし、現在では多くの開発者がiDempiereに流れているので、現在ではユーザーが減少傾向にあります。そのため、ADempiereのようなオープンソースERPを導入する際は、現在でもコミュニティが活発なiDempiereを選ぶことをおすすめします。

Apache OFBiz

オープンソースプロジェクトを数多く立ち上げている、アパッチ財団が開発・提供するオープンソースERPです。主な開発言語はJavaなので、社内でのカスタマイズも比較的容易に可能と考えられます。また、エンタープライズレベルでの機能要件にも対応するので、カスタマイズ次第では中堅企業でも導入できます。

Compiere

米国Compiere社が開発したオープンソースERPであり、現在では有償版と無償版の2つを提供しています。Compiereを導入する利点は、システムが日本語化されており、日本法人によるサポートを受けられるという点です。もちろんサポートにはコストがかかりますが、基本サポートのないオープンソースERPを考慮すれば、安心して導入できるオープンソースERPの一つと言えます。

ERP Next

Pythonを開発言語としては、データベースにはMySQLを採用しています。最近ではクラウドサービスとしての利用もスタートしたので、オープンソースERPとしてのメリットは失われつつあると言っていいでしょう。

Odoo

Odooは国内でクラウドサービスが提供されていたり、日本語コミュニティがあったりと、導入の敷居が低いオープンソースERPです。高機能かつ日本語化が進んでいるので、日本企業でも導入すやすいオープンソースERPだと言えます。

OpenBravo

OpenBravoが中心となって開発・提供されているオープンソースERPです。こちらも日本語コミュニティサイトが存在しますが、今では活発さが無くなっており、導入に苦労するオープンソースERPの一つです。

Opentaps

Apache OFBizをベースにして開発されたオープンソースERPです。日本語化がされておらず、かつコミュニティも活発ではないので、導入効果の薄い製品となります。ただし、自社環境にフィットするようであれば、やはり効果を発揮するので、導入時は自社要件としっかりと照らし合わせることが大切です。

iDempiere

iDempiereはADempiereの後継にあたるオープンソースERPです。数あるオープンソースERPの中でも日本語コミュニティがかなり活発化しており、導入のノウハウなども積み上がっています。まさに、世界が認めるオープンソースERPと言っていいでしょう。特徴は、OSGiの仕様を取り入れプラグインによる機能拡張ができることです。JPiereというプラグイン群を導入することで、日本の商習慣に合わせたオープンソースERPを構築できます。

xTuple

世界中のオープンソースエンジニアから支持されており、2015年Bossie Awordsを受賞したオープンソースのERPの一つです。ただし、日本語化がまだ進んでいない製品でもあるので、ニーズにマッチするという企業は少ないかもしれません。

オープンソースERPを導入する上で注意すべきこと

冒頭で、オープンソースERPで成功を収めている企業は多くない、と述べました。ここでその理由について解説します。

まず、オープンソースERPは無料で導入できるソフトウェアです。製品自体に費用がかかることは一切ありません。しかし、社内インフラの整備や、導入後の運用に関してはどうでしょうか?サーバを購入したり社内インフラを整えれば当然コストはかかりますし、細かいパラメータ設定などの人件費も立派なコストです。

さらに、ERP導入後はさらに大きな負担が運用にかかります。オープンソースソフトウェアは基本自社運用なので、社内リソースを大幅に割けなければなりません。このため、パッケージ製品を運用するレベルでの運用が必要になるため、人件費などのランニングコストが多大にかかります。

もっと注意すべき点はセキュリティです。オープンソースソフトウェアは、パッケージ製品などに比べてバグが発生したり、脆弱性(セキュリティの弱点)が発生することが多く、故にセキュリティ事件が起きるリスクも増加します。

オープンソースERPのセキュリティの基本としては、更新されるセキュリティプログラムに遅れなく対応することですが、それだけではカバーし切れない脆弱性が発見させることもあります。だからといってセキュリティを高めようとすると、今度はセキュリティシステムへの投資が必要になるので、結局は多大なコストを支払って導入したことになってしまいます。

つまり、オープンソース最大のメリットである、無償での導入の意味が無くなってしまうのです。

オープンソースERP選びは慎重に、クラウドERPへの注目も

以上の理由から、オープンソースERP導入時は製品選びが大切です。間違った製品選びをしてしまうと、オープンソースERPとしてのメリットは失われ、かつ業務が複雑化してしまいます。こうした事態を避けるためには、クラウドERPの導入をぜひご検討ください。

クラウドERPは、インターネット上で提供されるERPのことであり、システムにログインすることで素早く利用することができます。いつでもどこでも、ERP内の業務システムを利用したり、統合されたデータ管理によって、迅速なビジネスが展開できます。

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