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コールセンター業務を効率化する方法とメリット

コールセンターは単なる問い合わせ窓口ではなく、企業と顧客の重要なタッチポイントです。しかし、オペレーターの離職率が高い、顧客の待ち時間が長いといったさまざまな課題を抱えています。本記事では、コールセンターの課題を解決するために有効な方法と効率化のメリットについて解説します。

ールセンター業務を効率化する方法とメリット

CRMの利用実態と課題

コールセンターが抱えがちな課題

コールセンターでは、運営体制や業務プロセス、オペレーターのスキルに関するものまで、さまざまな課題を抱えています。

まず、多くのオペレーターを動員する必要があるにもかかわらず、離職率が高いことがコールセンターの代表的な課題です。オペレーター業務は年々複雑化しており、問い合わせやクレームへの対応だけでなく、高度な処理スキルや専門知識が求められるようになりました。そのため、離職するオペレーターが多く、人材が不足する状態が続いています。「コールセンター白書2020」によると、オペレーターの離職率が31%を超える企業は28.8%にも上っています。離職率が高いと採用および育成コストが膨らみ、オペレーターの応対品質も安定しません。

平均処理時間(AHT)が減らないことも大きな課題であり、これは顧客を待たせていることを意味します。AHTは平均通話時間(ATT)と、電話終了後の平均後処理時間(ACW)の2つに分けられます。ATTが減らないのは、オペレーターが問い合わせへの回答をすぐに見つけられない、または簡潔でわかりやすい回答ができないことが原因です。ACWが減らないのは、受発注作業や対応記録を残すなどの入力作業に時間がかかることに起因します。

これらの背景には、マルチチャネル化により、チャットやWebフォーム、メール、SNSなど、電話以外からの問い合わせが増加したため、業務が多様化・煩雑化したことがあります。そして複雑化した業務が効率的かつ的確に分担されていないことが、問題をさらに大きくしているのです。

コールセンター業務を効率化する方法

コールセンターの課題を解決するためには、業務の効率化が必要です。効率化の方法は、システム導入や運営方法の転換など、多岐に渡ります。

返信テンプレートの活用

返信テンプレートを活用することで、とくにACWを短縮できます。応対記録や返信メールにフリーフォームを使っていると時間がかかったり、オペレーターによってばらつきが生まれたりします。あらかじめ定型文を作成し、用途に応じて即座に検索できるシステムを構築すれば、スピーディーに返信できるようになります。同じような質問が多く寄せられるコールセンターなら、とくに大きな効果が期待できるでしょう。

チャットボットの導入

チャットボットの導入で、問い合わせ件数削減や顧客満足度の向上が見込めます。チャットボットは、chat(ネットワーク上でリアルタイムに会話できるサービス)とbot(ロボットの略称)を組み合わせたもので、人工知能を活用した「自動会話プログラム」を意味します。

チャットボットは顧客の聞きたいことに対して、データベースから適切な答えや提案を探し出し、一問一答形式でスピーディーに回答します。対応できない場合は、オペレーターに引き継ぐといった多段階的な活用も可能です。チャットボットの導入で24時間対応が可能になりますし、迅速で標準化された回答も実現できるでしょう。結果的に入電件数が減り、オペレーターは有人対応が必要な顧客に注力できるようになります。

IVRの導入

IVR(Interactive Voice Response)とは、「自動音声応答システム」を意味します。コールセンターに電話をかけた際に「○○に関するお問い合わせは□番を押してください」と流れてくる自動音声は、IVRによるものです。顧客は、音声ガイダンスに従って聞きたい内容に合った番号を入力していけば、自動音声による回答を得られます。場合によっては、内容ごとにあらかじめ振り分けられたオペレーターと直接会話もできます。

IVRを導入することで24時間対応が可能になり、電話のたらい回しがなくなるため顧客満足度の向上が期待できます。同時にオペレーターへの入電件数や業務への負担も減るでしょう。

FAQシステムの導入

FAQ(Frequently Asked Questions)システムとは、よくある質問とその回答を蓄積し、検索・共有できるようにするシステムです。顧客自身に問題を解決してもらうことを目的にしています。

FAQシステムを導入すれば、顧客は自分で問題を解決できるようになるので、「待たされる」というストレスから解放されるでしょう。また「自分で解決できた」という満足感は商品やサービスへの好印象につながり、購入に結び付きやすくなります。同時に入電やメールなどによる問い合わせ件数が減少します。

また、オペレーター自身もFAQを参照すれば、迅速で的確な対応が可能です。対応した事例をFAQに追加・共有していけば、オペレーターの経験に関係なく応対レベルが標準化されるので、業務の属人化を防げます。結果的に、より少ない人数で、より効率的なコールセンター運営ができるようになるでしょう。

アウトソーシング

コールセンターの運営そのものを、顧客応対専門の企業に外注(アウトソーシング)するのも一つの方法です。アウトソーシング先はコールセンター専用の機材やシステムはもちろん、顧客対応のノウハウと高いスキルのあるオペレーターをリソースとして持っています。

アウトソーシングすれば、依頼主側はオペレーターの採用・維持にかかる人件費、コールセンターの立ち上げや運営にかかるコストを削減可能です。業務量(入電数)が少ない時期には、契約回線を減らすなど、柔軟な運営もできます。コールセンター業務の省人化が進めば、営業やマーケティング、企画などのコア業務に専念できるようになります。

コンタクトセンター業務を効率化するメリット

コールセンター業務を効率化することで得られる最大のメリットはコストの削減です。FAQやIVRシステムなどを導入すれば、入電件数自体が減少します。それに伴って放棄呼(オペレーターが対応する前に切れてしまう入電)が減り、応答率が上がって生産性が向上するでしょう。これにより人員配置の最適化を行えば、人件費を削減できます。その費用をオペレーターの育成強化費用に回せば、生産性がさらに高まり、収益力アップも期待できるでしょう。

2つ目のメリットは顧客満足度の向上です。各システムの導入は待ち時間削減に直結するので、顧客に「待たされている」というストレスを感じさせません。同時にFAQやチャットボットで顧客の自己解決を促すことは、商品やサービス、ひいては企業に対する好感度アップにつながり、継続的な購入に結び付く可能性もあります。

3つ目のメリットはオペレーターの負担軽減です。FAQシステムは顧客への正確でスムーズな対応をバックアップしますし、チャットボットやIVRの導入で入電数が減少すればオペレーターへの負担も軽減され、より重要な応対に集中できるようになります。オペレーターへのサポート体制を整えることは人材不足解消につながるでしょう。

まとめ

チャットボットやIVRシステムを導入すれば、問い合わせ件数が減り、人員の最適化によるコスト削減が期待できます。同時にオペレーターへの負担が減るので、高い離職率の解消につながるでしょう。
コールセンターの効率化は企業だけでなく、顧客にもメリットをもたらします。「待たされない」「自分で問題を解決できた」という好印象は、継続的な購買活動を後押しするでしょう。
Microsoft Dynamics CRMは、チャネルに関係なく顧客情報を一元管理できるほか、FAQなどのコールセンター効率化機能を備えています。コールセンター運営にMicrosoft Dynamics CRMをぜひご活用ください。

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