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フロントラインワーカーとは? 作業を支えるフィールドサービスを解説

フロントラインワーカーとは? 作業を支えるフィールドサービスを解説

これまでフロントラインワーカーという概念は、それほど重要視されなかったものです。しかし、昨今の情勢の変化によりこうしたワーカーが打撃を受けることになったため、経営者は改めてその存在について考えなくてはいけなくなりました。
事実、企業経営を大きく支えている存在であるため、働き方について見直す必要があるのです。

CRMの利用実態と課題

フロントラインワーカーとは?

フロントラインワーカーには、最前線の労働者という意味があります。具体的には、直接現場で業務に当たる従業員を指します。たとえば、「顧客に対応する人」「オフィスで業務に当たる人」「設備などを直に直す人」などです。
企業にとってみればフロントラインワーカーは不可欠な存在なため、Essential Workers(必要不可欠な労働者)とも言われます。

フロントラインワーカーの概要

近年、新型コロナウイルスの蔓延によって、フロントラインワーカーが大きなリスクにさらされています。感染症の危険性や雇用喪失の可能性など、問題を抱えながら業務に従事している作業員も多く、ストレスフルで実務に当たっています。
こうしたフロントワーカーの問題は、企業にとっても重要です。なぜなら、世界中の企業の88%がフロントラインワーカーを抱えており、世界労働人口の約80%(20億人)がフロントラインワーカーと言われているからです。

最前線で業務を行う人材がいなければ、企業運営がままなりません。そのため、従業員のリスクを排除しつつ、既存の問題による生産性の低下を避ける必要があるのです。こうした問題を解消するための新しい試みとして、ICTツールを用いたDXが考えられています。

フロントラインワーカーの業種

各業種におけるフロントラインワーカーの例は以下となります。

  • 製造業:製造、生産など
  • 自動車:自動車整備、顧客対応など
  • 運輸:運送
  • エネルギー:点検、修理
  • 小売:顧客対応、商品陳列
  • ヘルスケア:医薬品開発、医療機器開発
  • ホスピタリティ:ホテルやレストランなどでの顧客対応
  • エンターテイメント:コンサート設備の設営、サポートなど
  • 金融:営業など
  • 通信:修理、保守

反対に、これらの業務をサポートする人材はバックラインワーカーと位置付けられています。

フロントラインワーカーへのサービス

Microsoft社では、フロントラインワーカー向けのサービスとしてMicrosoft Teamsにさまざまな機能を付加しています。Microsoft Teamsは「企業内コミュニケーション」「データ共有」「テレビ会議」などをサポートするアプリケーションですが、その他にも以下のような機能が利用可能です。

  • PTT通信によるデジタルトランシーバー機能
  • Zebra Reflexisとの連携によるシフトアプリ
  • バーチャル予約のスケジューリング、キューイング
  • 学習、リソース、知識、インサイトなどを集約したプラットフォーム(Vivaコネクション)
  • 学習コンテンツの発見、共有、管理の統合(Vivaラーニングアプリ)

また、小売業向けに、Microsoft Cloud for Retailを提供しています。これは顧客の購買行動のインサイトを獲得して、エンドツーエンドの可視化を促します。これによりリアルタイム性の高いサプライチェーンの構築が可能です。

フロントラインワーカーの調査で明らかになった知見

Microsoft社では、各業種のフロントラインワーカーに調査を行っています。この調査は、2020年〜2022年までの間に実施されたもので、その結果から以下の知見が見出されました。

  • 業務において文化やコミュニケーションを重視して互いに思いやりを持つべき
  • フロントラインワーカーは変化の過程にある
  • 新しいテクノロジーが環境を変えると考えている
  • 新しいテクノロジーから雇用を失う可能性があると感じている

フロントラインワーカーの全体の76%が、ワーカー間で意思疎通ができていると感じていますが、60%以上の人がより思いやりを重視すべきだと考えているようです。さらにワーカーが転職を考える理由として、「福利厚生」「給与」「ワークライフバランス」「柔軟性」を挙げているようです。
また、新しいテクノロジーによる業務改善を歓迎する一方で、研修が不足しているのに即座に現場で使用しなければいけないリスクを感じているようです。

フィールドサービスシステムの導入メリット

フロントラインワーカーのひとつであるフィールドシステムは、IT化が遅れている業種です。そこで実際にITシステムを導入することで、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。

ペーパーレス化による効率向上が見込める

モバイル端末で「マニュアル」「指示書」「手順書」「設計書」などが閲覧できれば、ペーパーレス化を推し進められます。ペーパーレスになれば現場に書類を持ち込む必要がなく、問題が浮上しても端末ですぐに情報の確認が可能です。
こうした情報のデータ化は、重要な情報をすぐに探せるという利点もあります。たとえば、知りたい情報の語句を検索にかければ、すぐに該当の文字が使用されているページを表示できるのです。また、近年では、スマートグラスが作業現場で用いられることもあります。
スマートグラスは、メガネにICT機能を付加したもので、レンズ越しに必要な情報を表示させられるのです。これを活用すれば、業務に必要なデータ情報を確認しながら作業ができます。

手厚い顧客対応が可能になる

顧客から依頼があった場合には、適切な人材を管理者が選任してスケジューリングします。この際、最適な人材を探すのに時間がかかりますが、IT化を推進すればリソースの管理を効率化できます。
人事データをシステムで統括できればチーム内で手が空いている人材がすぐにわかり、その人物のスキル・経験も簡単に把握ができます。チーム全体のスケジュールも可視化されるため、作業日程も把握しやすくなるのです。

IoTを活用して予知的保全が行える

IoTは「モノのインターネット」と呼ばれ、さまざまな物にIT機能を付加した製品を指します。IoTの内部には、センサー、駆動装置、通信装置が取り付けられており、リアルタイムで状況が把握できて、遠隔操作も可能です。これを活用すれば、管理している設備の異常値を検知してアラートを挙げられるため、重大な問題が起きる前に保全活動を行えます。

管理者と現場作業員のコミュニケーションが活発になる

現場での作業が必ずしも順調に終わるとはかぎりません。イレギュラーな問題が発生して、管理者や上司などと連絡を取らなければいけないこともあります。このようなときは電話を利用するのも良いですが、「1対1でしかコミュニケーションが取れない」「記録が残せない」「相手の状況がわからない」といった問題が発生します。
こうした問題を解決するために、コミュニケーションツールを活用するのもおすすめです。Microsoft Teamsのようなコミュニケーションツールを活用すればチャットが利用できるほか、前述したPTT通信などを利用できます。これによりチーム全体での連携が可能です。

MRデバイスとの連携でさらなる業務効率化が可能

MR(Mixes Reality)デバイスは、複合現実と呼ばれる技術です。リアルタイムにふたつの映像を同時に複合することで、情報を明確に伝えるために利用されます。
たとえば、新人がある設備の修理方法が分からなかった場合、モバイル端末のカメラで対象の設備を撮影しながらエキスパートエンジニアに確認します。エキスパートエンジニアはモバイル端末で撮影された画像を見ながら、画面上に情報を描いたり、自分の指などを撮影したりして操作方法を伝えることが可能です。
新人のモバイル端末には、自分の撮影した映像とエキスパートエンジニアの指示や指が重なって表示されるため、映像を見ながら作業が行えます。こうした技術は、現在アメリカで異教機器メーカー、製造、電機メーカーなどで利用されています。

まとめ

近年、最前線で働くフロントラインワーカーは、雇用喪失や感染リスクといった問題を抱えながら作業を行なっていました。さらに単独での作業になりやすいフィールドサービスは、問題発生時の解決を自分自身で行わなければいけません。
こうした課題を解決するために、コミュニケーションを加速するITツールの利用がおすすめです。Microsoftでは、チーム間でのコミュニケーションを加速するMicrosoft Teamsアプリケーションを提供しており、ワーカー間のやりとりを簡素化することが可能です。ワーカー同士のコミュニケーションを促すことで、ストレスを軽減して作業の効率化ができます。

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