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CRMシステムとは?リテンションマーケティングに欠かせないツールの基本を解説

CRMは多くのマーケティング現場で利用されており、顧客関係管理には不可欠なツールと言えます。しかし、導入を検討する担当者の中にはCRMの機能や目的については、適切に理解しきれていない方がいることも事実です。そこで本記事ではCRMの概要や機能、選び方のポイントについて詳しく解説します。

CRMシステムとは?リテンションマーケティングに欠かせないツールの基本を解説

CRMの利用実態と課題

CRMとは?

CRMは「顧客関係管理」と呼ばれ、数あるITシステムの中でも特に顧客に関する情報をメインに扱うものをいいます。

近年は企業内部の業務効率向上や、内部の情報を一元管理してミスなく業務が遂行できるようにするツールも多く出てきましたが、長く企業活動を続けていくためにはそれだけでは不十分です。顧客との関係を良好に保ち、顧客に満足してもらえる関係作りが欠かせません。

そこで出てきたのがCRMの考え方です。CRMでは、顧客関係を把握し、個々の顧客に応じたアプローチを行うことが大きな意味を持つと考えられています。つまりCRMとは、顧客を中心に据えたビジネス展開により利益の最大化を目指すマネージメント手法のことです。一般的にはその目的を果たす顧客管理ツールをCRMと呼ぶことが多いです。

時代の変化からCRMが誕生

CRMは情報化社会へのシフトに伴い誕生しました。顧客管理の考え方自体は昔から存在し、最近になって生まれた概念ではありません。しかし、情報技術の発展がここ数十年で急速に伸びたことで、顧客管理をシステム上で行うことが技術的に可能になりました。さらにはバブル経済の崩壊が起こったことで企業間の競争が激化し、より顧客のためという視点でサービスを展開する必要性が高まったという背景があります。

つまり、元からあった考え方を効果的に実現する技術力を持ち、さらにその需要が高まる状況が整った必然として、昨今のCRMシステムが普及したのです。

CRMの機能

CRMの機能は主に「顧客情報管理機能」「顧客分析機能」「配信機能」「問い合わせ管理機能」があります。それぞれの機能について解説するので、CRMに対する理解を深めてください。

顧客情報管理機能

もっとも基本の機能であるとともにもっとも欠かせない機能が、顧客情報管理機能です。顧客の名称や住所、アドレス、電話番号といった基本的な情報に加え、「商談や取引の日時」「取引内容等の履歴情報」を管理できます。カスタマイズすることで管理する項目を増やせ、登録しておくと過去の情報もすぐに参照できるようになります。

この機能だけに着目すれば、Excelなどのほかのツールでも容易に代替できるのではないかと思うかもしれません。しかし重要なのは、この情報を基礎としてさまざまな機能と紐づけられる点にあります。

顧客分析機能

顧客分析機能は、顧客の情報や取引内容の履歴、問い合わせ内容などを紐付けて、多角的に分析を行う機能です。この機能を使って、顧客ごとの購入商品の傾向や購入頻度などの購買パターンを見える化します。その情報を基に的確なアプローチを考案し、単なる既存顧客から何度もリピート購入する優良顧客へと育てていきます。

分析で得られた結果から顧客をセグメントして、効果的にキャンペーンの案内や新商品の告知の実施につなげることも可能です。

配信機能

上記の情報を基に、メールなどを使い、自社からの情報提供を行うのが配信機能です。一度取引のあった顧客でも、その後のアプローチを怠れば関係性が希薄になってしまいます。そうするとリピーターを確保できませんし、新規顧客獲得ばかりを行っていては労力が大きくなり過ぎてしまいます。多くの場合、新規顧客の獲得に向けた活動は企業にとって負担が大きいとされ、リピーターを確保した方が効率的です。

また、配信をCRMで行うことの利点は、アプローチの精度を高められることにあります。多くの企業が行っている従来型のメール配信では一斉送信が行われており、相手に合わせた内容の配信ができていません。CRMの配信機能によって自動的に最適な情報が配信できるようになれば、効率が向上することに加え、アプローチの効果も高められるのです。

問い合わせ管理機能

問い合わせに関する情報を多く集め、その後の活動に活かせる機能が、問い合わせ管理機能です。履歴として問い合わせ内容を保存・蓄積し、回答漏れを防いだり、二重対応を防いだりします。また、多くの顧客が持つ疑問とは何か、どのような事項を知りたがっているのか、といった情報を管理することもできます。

こうして集めた情報を基にFAQのページを設置して、対応の負担軽減にも役立てられます。さらに、質問したい内容がFAQ上に記載されていれば、顧客がわざわざ質問を投げかける必要がなくなり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

CRMを導入する目的

CRMには、顧客との関係を良好に保つために役立つ多彩な機能が搭載されています。しかしその機能も使いこなせなければ意味がありません。つまり、導入するだけですべてが解決できるわけではなく、適切な運用が欠かせないのです。

効果的に運用するために、顧客の実態を把握することとリピーターを確保するという2つの目的を意識して導入しましょう。以下で詳しく解説します。

顧客の実態を把握

自社の商品やサービスを新たに展開する場合、優れたものを提供するという一方向的な観点だけでは売上は伸びません。どれだけ有益な商品やサービスを用意していたとしても、顧客のニーズに合わなければ購入・申し込みに結びつかないからです。そのため、ニーズを調べる過程が非常に重要です。

CRMは顧客の実態を把握し、ニーズを調査する目的でも活用されます。CRMのデータを基に企画・販売戦略を練ることで、顧客のニーズに沿った商品開発や、顧客の購買行動に則したアプローチの実践が可能になります。

リピーターの確保

安定的な売上確保のためには、リテンションマーケティング、つまり、既存顧客とのつながりに重きを置いたマーケティングが重要とされています。なぜなら、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客を優良顧客であるリピーターに育てる方が労力が少ないからです。CRMには配信機能など、リピーターを獲得・保持するために必要な機能が多数備えられており、導入の主要な目的の一つとなっています。

例えば、顧客の購買情報を一元管理して各部署で共有できる状態にしておけば、クレーム対応がスムーズにでき、信頼が増して顧客満足度の向上につながるでしょう。また、クレームの内容を蓄積して商品の改良に活かせば、さらに顧客ニーズに合った商品開発が可能になり、リピーターの獲得が期待できます。

CRM選びの注意点

CRMを導入する際は、各製品をよく調べて自社に合ったツールを選定しましょう。以下ではCRMを選ぶ際の注意点を解説します。

クラウド型とオンプレミス型の違い

CRMを選ぶ際には、クラウド型とオンプレミス型のどちらかを選択します。従来の基幹システムはオンプレミス型と呼ばれるタイプが主流でした。

オンプレミス型とは、自社内に必要な機材を準備し、そこにインストールして一定の閉じたネットワーク内での運用をするタイプです。初期費用がとても大きく、保守・運用していくために専門知識を持つ担当者の配備が必要になります。よい点は、自由なカスタマイズができ、自社に適合させたシステム構築が可能な点です。

一方、クラウド型は最近主流になりつつある基幹システムです。クラウド型は、クラウド上に置かれているシステムへアクセスして利用します。オンプレミス型に比べるとカスタマイズ性に劣るとも言われていますが、さまざまな機能を組み合わせるようにカスタマイズできるものも増えています。そのため、自社に合わせた運用が可能です。また、初期費用が比較的少なくて済み、インターネット環境さえあれば導入が始められるという手軽さも特徴です。

クラウド型運用には、相応のランニングコストはかかります、しかしオンプレミス型でも、メンテナンス等に継続的な費用はかかります。つまり、コストを考慮する際にはさまざまな観点から、クラウド・オンプレミスを比較検討することが大事です。CRMを選定する場合、それぞれのメリット・デメリットを把握した上で評価していくようにしましょう。

必要な機能がそろっているか?

リピート顧客の獲得など、自社が実現したい目的を具体的に洗い出し、必要な機能を備えているかどうかをチェックしましょう。単純に機能の有無にのみ着目するのではなく、「社外からでも使用可能か」「管理画面が見やすく情報が整理しやすいか」「機能を使いこなせそうか」といった点も注意して見てください。

優れた機能が搭載されていても、扱いが難しく、自社の従業員では使いこなせないというのであれば意味がありません。また、頻繁に社外で仕事をしている場合やリモートワーク等を実施している場合には、社外からシステムへアクセスできることが求められるでしょう。
オンプレミス型だからといって必ずしもアクセス可能というというわけではないので、利便性を重視するのであればクラウド型がおすすめできます。

サポート体制は万全か?

CRMのように多数の機能を搭載するシステムの場合、操作に関してわからないことも出てきます。不明点やトラブルがあった際にサポート体制が整っていないとなかなか問題が解決できず、業務が滞ってしまう恐れもあります。そこで、サポートがない製品には高いリスクが伴うと考え、サポート体制が万全なものを選ぶようにしましょう。

また、サポート内容の比較も行いましょう。ベンダーによってどこまでカバーしてくれるのか、どこからが有料なのかが異なります。導入に不安を抱えている場合には、特にサポート体制に着目してツールを選定してください。

まとめ

CRMは現代のマーケティングにおいて非常に大きな役割を果たします。顧客の実態の把握、リピーターの確保に課題を抱えている場合は、CRMの導入がおすすめです。選定する際は自社に必要な機能を備えているかどうか、サポート体制が万全かどうかを確認するようにしましょう。

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