ERP

海外拠点や海外支店に導入するERPの条件

昨今、日本企業の海外進出が活発化しています。JETRO(日本貿易振興機構)の調査によると、今後、海外進出や海外事業の拡大を図っている企業が60.2%もおり、多くの日本企業が海外ビジネスに意欲的な姿勢を見せています。

これに応じて、海外拠点や海外支店へのERP導入のニーズが増加しています。本社やグループ会社と同じシステム環境を構築できれば、情報共有が促進し、世界規模でリアルタイムな意思決定が下せるようになります。そしてそうした環境こそ、海外進出を狙う(あるいは行っている)企業経営者が、最も望む環境の一つです。

そこで今回は、海外拠点や海外支店に導入するERPの条件と題し、世界進出を意識したERP選びの視点について紹介します。

ERP導入で失敗する8つの理由と回避策

海外拠点・海外支店に導入するERPつ6の条件

条件1.迅速・低コストな導入に対応していること

海外拠点や海外支店へのERP導入において、早く、低コストに導入できるという条件は、言うまでもありません。しかしこれは、単に「コスト削減」という観点から見た条件ではないとうことを、理解していただきたいと思います。

そもそも海外拠点や海外支店というのは、本社や国内のグループ会社に比べて、資本や人材リソースが希薄です。にも拘わらず、それらと同じERPを導入するとどうなるでしょう?本社などでの導入経験があることから、導入をスピーディに、低コストに抑えられたとしても、導入後の運用は大きな負担になります。

国内においても、本社と同じERPを子会社に導入したことで、子会社の資金やリソースを圧迫することはよくあることです。だからこそ、迅速・低コストな導入を実現するERPが条件となります。この条件をクリアするERPの種類としては、クラウド型ERPが最も有力でしょう。

社内インフラを必要としないため、最小限の資金とリソースでERPを導入することができます。

条件2.現地の会計制度などに対応していること

ERPは様々なシステムが寄り集まって構築されています。その中には、会計システムが含まれていることも少なくありません。むしろ、海外拠点や海外支店へのERP導入では、会計情報をリアルタイムに把握したいがために、導入する企業経営者も多いでしょう。

となると、現地の会計制度に準拠したERPを導入することは必須条件です。しかし、国産ERPの中で海外の会計制度に準拠したERPはほとんどありません。そこで選択肢は、世界規模での会計精度に準拠した、海外製クラウド型ERPに限られてきます。

条件3.事業や拠点拡大に対応できること

日本企業における海外進出の目的は、海外市場の開拓の事業拡大です。従って、ERP導入後の事業拡大や拠点拡大も視野に入れなければなりません。現在導入しようとしているERPは、そうした拡大に対し柔軟に対応できる製品でしょうか?

あるいは、高額なライセンス費用が拡大の障壁になってしまわないでしょうか?海外拠点・海外支店に導入するERPは、こうした拡大の障壁を意識しない製品が条件となります。

条件4.IT技術者の派遣を要しないこと

海外拠点や海外支店へERPを導入する場合、本社のIT技術者を派遣することが少なくありません。特にSAPやOracleといった、大規模ERPを導入する場合ならなおさら、導入や運用をサポートするIT技術者が必要です。

しかし、こうしたIT技術者派遣は大きなコスト損失であり、本社のITリソースを減らしてしまう原因にもなります。加えて現地を支援するIT技術者もコロコロと変わるので、一貫した支援ができなくなってしまいます。

条件5.多言語・多通貨に対応していること

海外拠点や海外支店にERPを導入する目的として、リアルタイムな情報共有を挙げる企業経営者が多いでしょう。そのためには、多言語・多通貨に対応していることが大前提となります。特に、多国への海外進出を狙っている企業の場合、英語・中国語だけでなく、様々な言語に対応していることが条件の一つです。

条件6.追加開発を簡単に行える環境があること

海外拠点や海外支店にERPを導入すると、現地商習慣に合わせるため、高い確率でカスタマイズが必要になります。しかし、バージョンアップに対応できなくなったり、コストがかかる問題でおいそれと追加開発を行うことはできません。

そこで、追加開発を簡単に行える環境を整えらえるERPを導入することが、海外拠点や海外支店に導入するERPの条件となります。

日本企業のよくある海外進出の課題

上記6つの条件に一致するERPは、そう多くありません。しかし、少ないながらもそうしたERPは確かに存在します。例えばMicrosoftが提供する世界規模のERP製品、Microsoft Dynamics 365がそれに該当します。世界中のビジネスパーソンが慣れ親しんだOfficeアプリケーションの操作感をそのままに、ERPとして機能が十分に詰まっています。自社の海外進出にとって最低なERP選定を行うためにも、Microsoft Dynamics 365の検討をぜひ行ってください。

ここで海外進出を行う上で、日本企業が持つ課題について紹介しておきます。

  1. 世界規模でのリアルタイムな情報共有が難しい
  2. 拠点独自の管理、システム運用で非効率がまかり通っている
  3. 低コストかつ短期間で無駄のない海外進出がしたい
  4. 現地の法規制、会計制度、税務報告書、言語、通貨へ対応しなければならない
  5. 拠点のコンプライアンス問題を本社が把握できない
  6. 事業・拠点拡大に合わせて拡張可能なシステムが必要
  7. 海外拠点を含めたグループ全体の販売状況を可視化したい
  8. 複数通貨をまたいだ決算処理を高速にしたい
  9. 顧客サポートを世界規模で管理し、顧客満足度を向上したい

こうした海外進出の課題を解決するためには、やはり世界規模で導入できるERPが不可欠です。単に海外拠点や海外支店との情報共有を図るだけでなく、こうした海外進出課題を解決するためにも、今回紹介した条件に一致するERPの導入が必要となります。

まとめ

いかがでしょうか?

現在、海外進出を推進していて、かつ海外拠点・海外支店へのERP導入を検討している企業は、今回紹介したERPの条件に一致しているか、今一度検討することをおすすめします。加えて、先に紹介した海外進出課題を踏まえた上で、自社にとって本当に必要なERPについて考えてみてください。

こうした条件に一致したり、海外進出課題を解決できるERP製品はいくつかありますが、その中でも自社に環境に最適な一つを選ぶことが重要です。Microsoft Dynamics 365を検討する際は、ビジネスパーソンが慣れ親しんだ使いやすさ、という観点からぜひご検討ください。

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