ビジネスとして利用できるWindows 10のエディションは、Home、Pro、Enterpriseの3つです。これらのエディションはそれぞれに搭載する機能が違って、かつ価格も異なります。今回は、これらWindows 10の各エディションの違いを紹介していきたいと思います。
Windows 10各エディションの比較表
まずは、Windows 10 Home、Pro、Enterpriseの機能比較表をご覧ください。
≪Windows 10 3つのエディション機能比較≫
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Windows 10 Home |
Windows 10 Pro |
Windows 10 Enterprise |
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Windows 10の一般的な機能 |
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Continuum for Phones |
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Cortana |
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Windows Ink |
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スタートメニューとライブタイル |
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タブレットモード |
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音声、ペン、タッチ、ジェスチャ |
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Microsoft Edge |
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管理と展開 |
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グループポリシー |
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ビジネス向けWindowsストア |
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Assigned Access |
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動的プロビジョニング |
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Windows Update |
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Windows Update for Business |
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共有PC構成 |
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Take a Test(テスト受験) |
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DirectAccess |
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AppLocker |
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管理されたユーザーエクスペリエンス |
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Microsoft Application Virtualization (App-V) |
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Microsoft User Environment Virtualization (UE-V) |
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セキュリティ |
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Windows Hello |
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Windows Helloコンパニオンデバイス |
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Windows Information Protection |
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デバイス暗号化 |
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BitLocker |
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トラストブート |
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Windowsデバイス正常性構成証明サービス |
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Credential Guard14 |
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Device Guard |
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ビジネス向け機能 |
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ドメイン参加 |
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クラウドでホストされているアプリにシングルサインオンできるAzure Active Directoryドメイン参加 |
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エンタープライズモードInternet Explorer(EMIE) |
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リモートデスクトップ |
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クライアントHyper-V |
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Windows To Go |
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BranchCache |
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ご覧の通り、各エディションの位置づけはHomeが一般ユーザー向け、Proがビジネスユーザーやスモール・ミディアムビジネス向け、Enterpriseが中堅・大企業あるいはIT投資を積極的に行っている企業向けのエディションだと言えます。
続いて価格比較表をご覧ください。
≪Windows 10 3つのエディション価格比較≫
ディション |
Windows 10 Home |
Windows 10 Pro |
Windows 10 Enterprise |
---|---|---|---|
価格 |
19,008円 |
27,864円 |
18,468円※ |
価格差 |
±0円 |
+8,856円 |
-540円 |
気になるのはEnterpriseの価格です。本来ならばProよりも高価になりそうな所ですが、むしろ最低価格で提供されています。これは、Enterpriseがアシュアランス契約によってのみ導入できるエディションであり、対象となるWindowsのライセンスを所有していることが前提となるためです。
Enterpriseはライセンス購入と同時に、適切なツール導入やトレーニングといったサポートを契約するので、最も低価格で導入できるというわけです。
ちなみにEnterpriseは月額課金制(サブスクリプションモデル)でも契約でき、その場合は1ユーザーあたり月額760円~利用できます。
それぞれの機能ついて紹介
先の機能比較表にある多数の機能を、一覧で紹介していきます。
≪Windows 10の機能詳細≫
管理と展開 |
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グループポリシー |
複数のデバイスにグループポリシーを適用し、一括制御できます |
モバイルデバイス管理 |
Windows Phone、iPhone、iPad、Androidなど様々なモバイルデバイスを一括管理し、セキュリティ保護を施します |
ビジネス向けWindowsストア |
組織のプライベートストアを作成して、アプリの設定・配布・作成を管理します |
Assigned Access |
単一アプリの実行のみを許可できます |
動的プロビジョニング |
少ない工数でデバイスの設定変更を行い、組織全体のデバイスを最適化します |
Windows Update |
Windows 10の重要な更新プログラムをインストールします |
Windows Update for Business |
Windows Updateに直接接続するクライアントに対して最大8カ月のアップグレードを延期させることができます |
共有PC構成 |
共有環境を簡単に設定できます |
Take a Test(テスト受験) |
標準ユーザーアカウントに対して、テスト受験用のWebアドレスを作成します |
DirectAccess |
リモートアクセス環境を簡単に整備できます |
AppLocker |
ファイルの固有 ID に基づいてアプリケーションの実行を許可または拒否するルールを作成したり、アプリケーションを実行できるユーザーやグループを指定できます |
管理されたユーザーエクスペリエンス |
デバイスに追加のセキュリティ レイヤーを実装し、業務デバイスとして想定される範囲にエクスペリエンスを限定します |
Microsoft Application Virtualization (App-V) |
アプリケーションの実行環境を仮想化し、クライアントOSから分離する機能です |
Microsoft User Environment Virtualization (UE-V) |
ユーザーのアプリケーション設定と Windows オペレーティング システム設定をキャプチャし、一元管理します |
セキュリティ |
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Windows Hello |
指紋または顔認証を使用して、Windows 10に素早くアクセスします |
Windows Helloコンパニオンデバイス |
ユーザー認証のエクスペリエンスを強化するために、Windows 10 のデスクトップと組み合わせて使用できるデバイスです |
Windows Information Protection |
データの誤送信などを防ぎ、セキュリティを維持します |
デバイス暗号化 |
WindowdsのOSボリュームを暗号化してセキュリティを維持します |
BitLocker |
ハードディスクやSSD、USBメモリ、リムーバブルハードディスクなどの内容を暗号化してセキュリティを確保する機能です |
トラストブート |
Microsoft ドライバーと、Microsoft 以外のドライバーのマルウェア対策を施します |
Windowsデバイス正常性構成証明サービス |
ハードウェアに自分の組織のセキュリティ レベルを上げるにできるように企業が監視され、最小限でのセキュリティまたは運用コストを損なうことがなく証明されます |
Credential Guard14 |
仮想化ベースのセキュリティを使って、特権を持つシステム ソフトウェアのみがアクセスできるようにシークレットを分離します |
Device Guard |
企業に関連するハードウェアとソフトウェアのセキュリティ機能の組み合わせです |
ビジネス向け機能 |
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ドメイン参加 |
クライアントをActive Directoryのドメインに参加させます |
クラウドでホストされているアプリにシングルサインオンできるAzure Active Directoryドメイン参加 |
クライアントを Azure Active Directoryのドメインに参加させます |
エンタープライズモードInternet Explorer(EMIE) |
レガシーWebアプリをサポートし、同時 Microsoft Edgeの高度なセキュリティを実現します |
リモートデスクトップ |
Windows を実行しているコンピューターから、同じネットワークまたはインターネットに接続されている Windows を実行する別のコンピューターに接続できます |
クライアントHyper-V |
クライアント単位でOSを仮想化できます |
Windows To Go |
USBドライブ内に準備しておいたWindowsのインストールイメージを使って、Windows対応のPCやタブレットを起動できます |
BranchCache |
離れた場所にあるサーバーのコンテンツにアクセスするブランチ オフィスの作業者を対象に、WAN リンクの使用量を減らし、アプリケーションの応答性を向上させます |
まとめ
Windows 10は、ユーザー数が多いからといって必ずしもEnterpriseが最適、というわけではありません。最適なのは、自社の環境に合わせたエディションを選択し、機能を可能な限りシンプルにすることです。今回紹介した機能比較表や機能詳細を参考に、自社にとって最適なエディションを選択してください。