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グローバル企業必見!Microsoft 365 の Multi-Geo Capabilitiesとは?

当記事では、「Microsoft 365 Multi-Geo Capabilities」について紹介します。Microsoft 365 Multi-Geoとは何か、Microsoft 365 Multi-Geo Capabilitiesを使用できる地域、導入のメリットや導入実績まで詳しく解説します。

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Microsoft 365 Multi-Geoとは

「Microsoft 365 Multi-Geo」を使用すると、組織内のデータを既存テナント内にある複数の地域・国へ展開できます。従来のMicrosoft 365のテナントでは、契約している国内の最も近いデータセンターを利用する仕組みになっていました。

しかしMicrosoft 365 Multi-Geoでは、データを保管する地域を選択できます。そのため、わざわざ複数のテナントを契約しなくても、幅広い地域でグローバルにデータの展開・運用が可能になります。

オンプレミス環境の場合、移行元の地域ごとに、移行先の地域との間で時間や費用などがかかります。Microsoft 365 Multi-Geでは、要件に応じてクラウド内のデータを使用する地域を選び、割り当てるだけで主要データの移行・保管が可能です。データの共有やセキュリティなども地域ごとに調整できるため、業務の円滑化や非常時のデータリカバリーを実現します。

Exchange OnlineOneDriveSharePoint Online、Microsoft 365などのデータを、選択した地域に保存可能です。

Multi-Geo Capabilitiesを使用できる地域とデータセンター

Multi-Geo Capabilitiesを使用できる地域と、対象のデータセンターは以下の通りです。

【東南アジアまたは東アジアのデータセンター】

  • アジア太平洋
  • オーストラリア
  • インド
  • 日本
  • 韓国
  • 南アフリカ
  • アラブ首長国連邦

【米国のデータセンター】

  • カナダ
  • 北アメリカ

【ヨーロッパのデータセンター】

  • ヨーロッパ/中東/アフリカ
  • フランス
  • ドイツ
  • スイス
  • 英国

【電子情報開示データの場所は近日公開予定】

  • ノルウェー

Microsoft 365 Multi-Geoを導入するメリット

Microsoft 365 Multi-Geoには、セキュリティの高いデータ管理体制や、制御されたグローバル組織で統一されたコンテンツを利用できるなどのメリットがあります。ここでは、Microsoft 365 Multi-Geoの導入メリットについて詳しく解説します。

データの保管を細かく制御

Microsoft 365サービスでは、ユーザーがデータをグローバルに利用するために、ユーザーが指定する地域のデータセンターで保管することが可能です。データセンターの所在地に関しては、セキュリティ上の理由で都市名のみが公表され、詳しい住所については開示されていません。

データの収集と使用に関して定める法律や規制要件は、国・地域・業界などにより異なります。Microsoftからは、グローバルクラウドプロバイダーによる包括的なコンプライアンス認証が提供されます。「どの業種にどんなコンプライス要件があり」「どんなセキュリティ標準が適用されるのか」など、豊富なリソースが用意されているため、さまざまな法律や規制の準拠に役立つでしょう。

また「データ管理・法的要件や規制要件への準拠・データに関する操作の監視」に役立つコンプライアンスソリューションが利用できるプランもあります。

グローバル組織全体の統一

オンプレミス環境では、各地域にそれぞれデータサーバーを置いているため、各地でデータを共有できません。しかし、Microsoft 365 Multi-Geoを導入することで、各地域に分散されているデータを1つのMicrosoft 365テナントに移行し、グローバル組織全体の統一が可能になります。

サテライトエリアのデータは、テナント中央の場所でマスター管理されているデータに同期されるため、企業内のユーザー全員がエリアに関わらず業務に必要な最新情報を共有できます。テナント内で適したアプリを利用することにより、「オンライン会議・ダッシュボードやワークフロー許攸」なども活用可能となります。総合的なコミュ二ケーションの円滑化と、コラボレーションの実現が叶うでしょう。

Microsoft 365の管理ツールでは、業務に応じて別地域へのデータ移行を簡単に行うことが可能です。データがどこに保管されているかはレポートで確認でき、全体の管理も用意に行えます。これらの機能により、グローバル組織の働き方をスマートにサポートしてくれます。

Microsoft 365 Multi-Geoの導入事例

ここでは、実際にMicrosoft 365 Multi-Geoを導入した事例を確認していきましょう。世界50ヶ国に拠点を持つ「Korn Ferry(アメリカ)」と、世界15ヶ国に拠点を有する「Dimension Data(南アフリカ)」の導入例を紹介します。

Korn Ferry(アメリカ)

「Korn Ferry(アメリカ)」は、アメリカのカリフォルニアに本社を構える経営コンサルティングサービス会社です。世界50ヶ国以上に8,600人の社員が在籍し、グローバルリーダーやベストカンパニーなど、数々の賞を受賞しています。同社では過去の事例や、社内の専門的な知識がある社員とのコミュニケーションなどから集めた情報を活かして、クライアントに対し経営計画を立案するスタイルが主流です。

Microsoft 365 Multi-Geoを導入してからは、外出先からでも企業ネットワークに入れるようになりました。提供するサービスの内容や過去の実績などをいつでもどこでも確認できるようになったため、クライアントからの急な相談や見積もり依頼への対応力が上がり、ビジネスチャンスを活かしやすい環境へと変化しました。共有ドライブでデータを探す場合には、テナント内の最新データが確認可能です。

急速に変化し成長するビジネス環境に対応するため、常に最新の情報を共有し、コラボレーションにより最適な仕事が行える環境を実現しています。

Dimension Data(南アフリカ)

「Dimension Data(現NTT Com DD)」は、2010年10月にNTTが買収した、南アフリカの大手ITベンチャー企業です。世界15ヶ国・35拠点のデータセンターでクラウドサービスを提供し、ハイブリッドITシステムをトータルマネージメントしています。

NTT Com配下に設立した際に、NTT ComとDimension Dataからクラウド事業に関するデータを移管し、Microsoft 365 Multi-Geo導入によりテナントを1つにまとめています。それにより各拠点でデータを共有し、コミュニケーションツールの使用を可能にするクラウド開発運用体制が強化されました。

グローバルなクラウド環境の実現は、スタッフの移動経費削減へもつながっています。2社の顧客だけでなく、NTTグループすべての顧客に対して、継続的にクラウドサービスを提供できる基盤が確立しました。

まとめ

Microsoft 365 の Multi-Geo Capabilitiesとは、組織内のデータを、テナント内の各エリアを選定した上で、展開する機能です。これにより、世界各国に拠点を持つグローバル企業においても、最新データの共有やコミュニケーションの円滑化を促進することで、さらに効率的な業務環境を実現できるでしょう。

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