案件管理の効率をアップしたい、案件をより正確に管理できる方法を取り入れたいなど、システム上の課題を抱えている企業も多くあることでしょう。案件管理アプリは営業活動を適切にサポートできます。本記事では、企業活動全体の活性化にもつながる、便利な案件管理アプリについて詳しく解説します。
案件管理アプリとは
案件管理アプリとは、営業案件について現状がどうなっているのかを確認・管理するためのアプリのことです。案件管理アプリでは、「取引先」「営業担当」「案件の進捗状況や目標達成率」「受注契約予定日」「売上額(予想)」などの情報をまとめて可視化、共有するために使用します。これまでは多くの企業がエクセルなどを使って管理してきましたが、エクセルには他ツールとの連携が難しいというデメリットがありました。営業担当者が進捗状況などの報告を、エクセルにその都度転記しなければならず、更新の手間がかかり入力内容にミスが生じがちでした。これらの問題を解消できる案件管理アプリが、いま注目を集めています。案件管理の方法
案件管理の方法には、先に説明した案件管理アプリ以外にも「エクセル」、「Googleスプレッドシート」、「SFA/CRM」などがあります。「エクセル」を案件管理に使用する場合、新しいシステムが不要なため、導入コストを削減できるメリットがあります。計算式を入れたりグラフ表示を行ったりすると、入力の簡略化と可視化が可能です。ただし、エクセルでは複雑なデータを使用するとファイルが重くなる場合があります。データベースファイルが別にあるときには、リアルタイムの情報が反映されないこともある点が問題といえます。
エクセルはパソコン上にインストールして使用する表計算ソフトですが、クラウド形式で利用できる代表的な表計算ソフトが「Googleスプレッドシート」です。操作方法はエクセルによく似ていますが、オンライン上で使用するソフトなので、ブラウザを準備できれば、多様な端末からアクセスできるという特徴があります。ファイルを共有すると複数のユーザーで同時に編集や閲覧ができるため、リアルタイムで情報を管理できます。逆に、インターネット環境がない場合や通信状態が悪いときには利用できません。
「SFA(営業支援システム)」は、契約履歴、進捗状況、売上などの営業活動に関する情報を管理するためのツールです。「CRM(顧客管理システム)」は顧客情報を管理してフォローするために活用されます。SFAとセットになっている場合もあり、案件の情報を効率よく管理できます。業種や業態により特徴が異なるさまざまなサービスが用意されているため、適したツールを探さなければなりません。
案件管理の必要性
営業活動を行う場合、案件が管理されていないと、さまざまな問題が生じるおそれがあります。案件がしっかり管理されていると、進捗や品質、担当、スケジュールなど重要な情報が共有できます。関係する従業員が編集や確認を行い、案件を一元的に管理していると、必要なときに適切な対処方法を取り入れるなど、効率よく案件に取り組めます。
完了した案件に関するデータが残せるため、成功例や失敗例を振り返って新しい案件に活かすことも容易です。
案件管理アプリを導入するメリット
案件管理アプリを導入すると、「案件状況の可視化」や「ミス・トラブルの防止」「分析による営業スキル向上」などのメリットが得られます。それぞれの特徴について説明します。案件状況の可視化
案件管理アプリを使用すると、案件状況の可視化が可能です。案件のスケジュールは時系列のガントチャートとして確認でき、案件ごとに必要な作業手順や作業量などをツリー構造で表示して整理できます。案件の進捗状況を共有してリアルタイムで確認しうるというメリットにより、部署間での連携も取りやすくなります。ミス・トラブルの防止
案件管理アプリでは案件情報の共有も容易です。情報が関係者間で共有されていると営業担当者から管理者までがリアルタイムで現状を確認できるため、入力内容にミスがあった場合にも早い時点で気づけます。関係する人々がそれぞれ案件の状況をチェックできる環境を整えられるため、問題が発見しやすくなり、結果としてトラブルなどを未然に防止できます。分析による営業スキル向上
案件管理のデータを記録に残すことも可能です。社員の実績をグラフでチェックできる機能もあるため、担当者単位で売上に関する分析が行えます。残したデータからレポートを作成し、売上に影響を与えている原因を分析することも可能です。売上が変動した場合にどのような営業を行っていたかなど、成功例や失敗例の振り返りにより、営業スキルの向上に役立ちます。レポートを活用すると、売上に関して普段は気づけていない問題点を発見することもあるでしょう。Listsを使えばTeamsアプリとして利用することも可能
Microsoft ListsとはMicrosoft 365内のアプリのひとつで、ビジネス利用に適した情報追跡アプリです。これまでは、ファイル共有や情報共有などの機能を備えていたSharePointを簡易的なデータベースとして使用するケースが多くみられました。Microsoft ListsはSharePointよりもリスト機能に特化しているため、よりデータベースとして使用しやすいという特徴があります。
Listを作成するときには、自分で最初から必要な形式を作ったり、エクセルから作ったり、また、テンプレートから適した形式を選んで作ったりできます。テンプレートは、案件管理、資産管理、イベント日程管理、作業の進行状況トラッカーなど、豊富な種類から選ぶことが可能です。
また、Teamsのリスト機能を使うと、Teams上でテンプレートやエクセルから簡単に案件管理のリストを作れます。クラウド上で管理できるシステムを利用することで、エクセルを利用しているときのように色々なファイルを開く必要がありません。全ての情報がひとつのファイルに紐づけされるので、チームメンバーや管理者が案件を確認・管理しやすいというメリットがあります。
まとめ
案件管理アプリを使えば、どの案件を誰がどのように処理しているのかなど、進捗状況をリアルタイムで確認できるようになります。適切な管理によって、個別案件について複数のファイルを参照せずとも、紐づけされたデータを簡単に調べられます。案件データを分析し、今後の営業活動に活用する際に役立つ点も、大きなメリットです。