クラウドサービスの台頭によって時間や場所を問わない働き方が一般化しつつあります。その中でもWeb会議システムを使った自由度の高いコミュニケーションは、今のビジネスを大きく前進させるものです。
Web会議システムを使えば遠方での会議に移動無しで出席でき、移動時間の削減による生産性向上と交通費などの出張費用削減を同時に達成できます。社内のコミュニケーションもチャットメッセージで済ませたり、カスタマーサポートに利用したりと用途は実に多様です。
そんなWeb会議システムを導入しようと考えている方は、まずは無料で利用できる製品を試してみてはいかがでしょうか?無料製品を使用して導入イメージを膨らませればより効果の高いWeb会議システム導入が行えるでしょう。
本稿では無料でWeb会議ができる8製品の特徴をご紹介します。
無料Web会議システム8選
appear.in
appear.inはサービスへの登録不要、URLを共有するだけでWeb会議をスタートできるシンプルな製品です。無料プランの場合、最大で4名の同時接続が可能です。作成できる会議数は1つであるものの意外にも機能面で充実しています。
利用可能デバイスはパソコン、AndroidおよびiPhoneなのでほとんどのユーザー間で会議が開催できるでしょう。タスク管理ツールのTrelloやチャットツールのSlackとも連携できます。
BizMee_β
BizMee_βもインストールやサービスへの登録不要な製品です。URLを共有するだけでWeb会議をスタートできます。appear.inとの違いは同時接続できる人数に制限がないことです。ただし接続人数が多過ぎると通信が不安定になったり、接続が途中で切れたりするので注意してください。
ホワイトボード機能を備えているのでWeb会議を行いつつ参加者全員で同じメモを共有できます。利用可能なブラウザはGoogle Chrome、FireFox、Operaです。
Chatwork
Chatworkは無料で使えるチャットツールとして有名ですが、音声通話やビデオ通話もできるためWeb会議として利用できます。ただし、無料版では1対1のビデオ通話しかできないので複数人での会議には適していません。
その代わりチャット機能が充実しているので、複数人でのコミュニケーションはチャットを利用して対面して要件を伝える必要があるときはビデオ通話を利用するなど用途に応じて使い分けるとよいでしょう。
Googleハングアウト
Googleが提供する無料のチャット、音声通話、ビデオ通話ツールです。ビデオ通話には最大25人、チャットには最大150人が参加でき無料でもWeb会議として十分活用できるツールです。Googleドライブを使用すれば会議中に資料を共有することも可能です。
専用アプリをインストールすればデスクトップから直接会議を開催できるので、利便性も非常に高い製品です。
Microsoft Skype
2011年にマイクロソフトが買収した無料のチャット、音声通話、ビデオ通話ツールです。無料版は最大10名との同時接続が可能であり、Office 365でも利用できるビジネス向けの「Skype for Business」では最大250名との同時接続が可能です。
Skypeも専用アプリをインストールすることでデスクトップから直接会議を開催でき、迅速なコミュニケーションを実現します。
Soba meeting
Soba meetingは参加人数無制限かつ完全無料で使用できるWeb会議システムです。30以上の同時接続で使用した実績もあり通信も安定しています。ホワイトボードが機能が備わっていてPDFファイルを共有したり、アップロードしたPDFファイルに変更点を書き込みしたいりと会議機能が充実しているのが特徴です。
サービス利用には登録が必要ですが、その性能を考慮すると苦にならないでしょう。
V-SESSION
V-SESSIONは無料プランを提供しているWeb会議システムです。無料プランでは1対1のビデオ通話しか利用できないため、複数人での会議には適していません。しかし有料プランと同じシステムを利用しているため通信は安定しています。Web会議システムとして本格的に利用するとなると有料プランへの移行が必要です。
Zoomミーティング
Zoomミーティングは最大100名の参加を許容できる無料Web会議システムです。会議数に制限はありませんがグループでの会議は最大40分に限定されています。1対1は無制限です。無料でも機能がかなり充実しているので有効な選択肢の一つです。
さらにMicrosoft Outlook向けのプラグインも提供しており、Outlookから直接会議を開催できるという特長もあります。
無料Web会議システムの注意点
ここで無料Web会議システムを導入するにあたっていくつか注意点をご紹介します。
1.有料製品に比べて品質は劣る
当たり前とも言うべきことですが音声やビデオの品質はやはり有料製品に比べて劣ります。インターネット回線の状況によっては頻繁に接続が中断されるなど、ユーザーのストレスになる可能性もあります。無料Web会議システムのために回線を増設するのも難しいので、この点は必ず念頭に置きましょう。
2.セキュリティに問題がある
無料で運用していることからセキュリティ面に難点がある可能性も捨てきれません。近年のサイバー攻撃は非常に高度化しており、無料クラウドサービスが狙われるケースも増えています。セキュリティを考慮するのなら信頼できる会社が提供する無料Web会議システムを導入するか、有料製品を導入しましょう。
3.本格利用はやはり有料製品で
組織でWeb会議システムを本格的に運用するとなると、無料製品では機能面で足りない部分が多くなっていきます。従業員数が10名以下の環境ならば問題ないかもしれませんが、これが20名30名、あるいは100名以上となると無料製品ではWeb会議システムとして機能しなくなってしまうでしょう。
なのでそうした環境で無料Web会議システムを導入する際は、あくまでトライアルという感覚で利用するのが正解です。無料製品を導入してみて使用感を確かめ、自社にとってWeb会議システムが本当に必要かどうかを見極めます。どのまま同製品の有料プランに移行するのもよし、他製品を検討するのもよいでしょう。
コスト面だけを考えれば無料Web会議システムは魅力的な製品です。導入すれば一定のコミュニケーション促進効果とコスト削減効果が期待できるでしょう。ただしそれ以上の効果を求めるのであれば有料製品を積極的にご検討ください。あるいはWeb会議システムを保有するグループウェアを導入するという選択肢もあります。
大切なのは最適な形で導入することです。目的に合わせて、無料製品、有料製品、グループウェアと幅広い視野で検討進め、自社にとって最適なWeb会議システムをご導入ください。