オンラインストレージを導入するにあたって、現在ではさまざまな選択肢が用意されています。Microsoftが提供するOneDrive、Googleが提供するGoogle Drive、Dropbox、Boxなど、皆さんにとって最適なオンラインストレージとは何でしょうか?本稿では、これら4つの製品を徹底的に比較したいと思います。
OneDrive(ワンドライブ)
OneDriveはMicrosoftが提供しているオンラインストレージです。OneDriveを使用するためには「Microsoftアカウント」か「Office 365アカウント」の取得が必要になります。Microsoftアカウントの取得は無料であり、OneDriveのストレージを5GB無料で使用できます。他にもオンライン版のOffice(Word、Excel、PowerPoint)や、無料WebメールのOutlook.comなどのサービスが利用できます。
OneDriveのメリットはMicrosoft製品として、さまざまなアプリケーションと連携する点です。特に、Office 365アカウントを取得した場合、ビジネス向けのOfficeアプリケーションをフルインストールでき、簡単に共有が行えます。
Office 365アカウントは、Microsoftが提供するクラウドサービスのOffice 365を契約することで取得できます。Office 365を契約することで、さまざまなコラボレーションツールを活用できるのもメリットです。
プラン名 |
ストレージ容量 |
月額料金 |
OneDrive |
5GB |
無料 |
OneDrive 50GB |
50GB |
249円 |
Office 365 Business |
1TB |
900円 |
Office 365 Business Essentials |
1TB |
540円 |
1TB |
1,360円 |
Google Drive(グーグルドライブ)
Google DriveはGoogleサービスの無料アカウントを取得していれば、誰でも使用できるオンラインストレージです。無料でも15GBのストレージ容量を提供しているため、様々なドキュメントを保存することができます。Google Driveを保存先として利用するサービスは、Gmail・Googleドキュメ徒・Googleスプレッドシート・Googleスライド・Googleフォト・Googleフォームなどです。
世界中に多くのユーザーが存在し、シンプルな操作性からプライベートでこれらのツールを使用している方も多いでしょう。Googleが提供するコラボレーションツールのG Suiteを契約すると、大容量のストレージが使用できます。
プラン名 |
ストレージ容量 |
月額料金 |
Google Drive |
15GB |
無料 |
100GB |
250円 |
|
1TB |
1,300円 |
|
10TB |
13,000円 |
|
G Suiteベーシック |
30GB |
600円 |
G Suiteビジネス |
無制限※ |
1,200円 |
G Suiteエンタープライズ |
無制限※ |
3,000円 |
※5ユーザー未満の場合は1ユーザーあたり1TBのストレージ
Dropbox(ドロップボックス)
元祖オンラインストレージとも言えるのがDropboxです。パソコンにインストールすると専用フォルダが作成され、そのフォルダに保存したデータが自動的にオンラインに保存されます。シンプルな構造であり、普段使用しているフォルダと同じ感覚で使うことができます。近年ではビジネス向けプランにも力を入れており、ユーザーの権限設定やアクセス権限、データ遠隔削除などをダッシュボードから簡単に使えます
プラン名 |
ストレージ容量 |
月額料金 |
Dropboxベーシック |
2GB |
無料 |
Dropboxプラス |
1TB |
1,000円 |
Dropboxプロフェッショナル |
1TB |
2,000円 |
Dropboxビジネススタンダード |
2TB |
1,250円 |
Dropboxビジネスアドバンス |
無制限 |
2,000円 |
Dropboxエンタープライズ |
無制限 |
要お問い合わせ |
Box(ボックス)
個人向けのオンラインストレージとしてはあまり有名ではないものの、ビジネス向けとしてはトヨタ自動車やGE(ゼネラル・エレクトリック)、P&Gなどグローバル企業でも採用されているオンラインストレージです。大企業が採用する最大の理由はその「セキュリティ」にあります。
誰が、どのフォルダに対し、どんな操作をしてもよいのか?という利用権限を細かく設定できることで、その履歴をすべて管理することが可能です。セキュリティの国際規格にも準拠しているので、セキュリティ性の高いオンラインストレージの1つです。
プラン名 |
ストレージ容量 |
月額料金 |
個人ユーザー |
10GB |
無料 |
Personal Pro |
100GB |
1,200円 |
Starter |
100GB |
550円 |
Business |
無制限 |
1,800円円 |
Enterprise |
無制限 |
要お問い合わせ |
正しいオンラインストレージの選び方とは?
オンラインストレージは利用するサービスによって、使える機能や表せる効果が大きく異なります。そのため、まずはオンラインストレージを利用する目的を明確にして、どのサービスが自分や会社にとって最適かを確認します。ここで、正しいオンラインストレージを選ぶためのポイントを整理してみましょう。
- オンラインストレージ利用の目的を明確にする
- オンラインストレージから期待する効果を明確にする
- オンラインストレージで管理するデータを定義する
- 現行のオンプレミスで管理するデータを定義する
- 既存システムとオンラインストレージが連携可能かを確認する
- オンラインストレージ以外に必要な機能を確認する
- サービスごとに要件を満たす場合のコストを算出する
- もっとシンプルなサービス・プランは選べないかを検討する
- サービスのパフォーマンスを確かめるために試用する
- セキュリティの安全性は確保されているか調査する
- ベンダーサポートの体制について知る
- 利用候補となるサービス・プランをピックアップする
- スモールスタートで利用を開始する
いかがしょうか?以上のポイントでオンラインストレージを選ぶことで、自分や会社にとって最適なオンラインストレージが選べるようになります。ただし、注意していただきたいのは、オンラインストレージの選定は「ゴール」ではなく「スタート」です。オンラインストレージの選定が完了すれば、そこから運用が始まります。もちろん、オンラインストレージでは保守運用業務はありませんが、運用計画によって効果を最大限引き出せるかが決まります。まずはスモールスタートで、オンラインストレージの利用を小さくスタートし、徐々に全社的に拡大していきましょう!