皆さんにとって「クラウドストレージの定番」とは何でしょうか?マイクロソフトが提供するOneDriveでしょうか?それともDropboxでしょうか?それともほかのサービスでしょうか?
実際に2017年4月にICT総研が4,292人のインターネットユーザーを対象に行ったアンケート調査※1では、OneDriveを利用しているというユーザーが470人、Dropboxを利用しているというユーザーは579人とDropboxの方が高い数値になっています。
Dropboxは2008年、クラウドサービスが黎明期だった時代に誕生したクラウドストレージであり、元祖クラウドストレージとして知られています。CEOのドリュー・ヒューストンは「USB メモリーが壊れてデータを紛失しそうになった」という自身の失敗経験をもとにクラウドストレージを開発したそうです。
一方マイクロソフトのOneDriveがリリースされたのは2007年の10月であり、当時はSkyDriveという呼称でサービスを提供していました。Dropboxに比べて知名度が低かったことと、Dropboxは2012年4月まで知人招待でフリープランのストレージ容量が無制限に増加するという特長からユーザーの多くが同サービスに流れていました。
しかし最近になって、OneDriveは着実にユーザーを拡大しています。それには様々な理由があります。
今回はOneDriveとDropboxにはどういった違いがあるのか?これを徹底比較していきます。
料金と機能から見るOneDriveとDropboxの違い
クラウドストレージを利用するユーザーにとって気になる点はやはり料金と容量ではないでしょうか?個人が所有するデータ量が増加した現在、クラウドストレージの料金は安いほど良いですしストレージ容量は多いほど良いという考えが一般的かと思います。
そこでまずは、OneDriveとDropboxのフリープランから比較していきましょう。>
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OneDrive | Dropbox |
---|---|---|
容量 |
5GB | 2GB |
機能 |
・クラウドストレージ上でOffice ドキュメントを閲覧および編 ・カメラから直接社員をアップロー ド 集 ・モバイルアプリでスマート フォンやタブレットからアク セス可能 ・高速な検索機能で目的のファ イルへアクセスする ・WindowsとMac双方で同期機能 を提供 |
・カメラから直接社員をアップロー ド ・ドキュメントのスキャン ・フォルダのリンク ・フォルダへのコメント |
こうして見るとフリープランでもストレージ容量は使用できる機能に違いが見受けられます。容量に関してはOneDriveはDropboxの2.5倍。800万画素の写真に換算すればOneDriveは約1,250枚分、Dropboxはその半分以下ということになります。
機能面ではあまり大きな違いはありませんが、OneDriveではOffice Onlineが使用できるのでクラウドストレージ上でOfficeドキュメントの閲覧と編集が可能です。
次に有料プランを比較していきましょう。
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OneDrive |
Dropbox |
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50GBプラン |
Office365 Solo |
Plus |
Professional |
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料金 |
月額249円 |
月額1,274円 年額12,744円 |
月額1,200円 年額12,000円 |
月額2,400円 年額24,000円 |
容量 |
50GB |
1TB |
1TB |
1TB |
機能 |
・フリープランと同等の機能 |
・フリープランと同等の機能 ・最大2台にインストール可能なOfficeライセンス ・毎月60分無料のSkype通話 ・Office Online ・ランサムウェアの検出 ・ファイルの復元 |
・フリープランと同等の機能 ・オフラインで使用可能なフォルダ ・デバイスデータの遠隔操作
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・フリープランと同等の機能 ・オフラインで使用可能なフォルダ ・デバイスデータの遠隔操作 ・ファイルの全文検索 ・スマートシンク ・共有リンクの管理 ・閲覧者履歴 |
OneDriveでは5GBを拡張すると月額249円で50GBのストレージ容量が利用できます。さらに1TBのストレージ容量を利用したい場合はOffice 365 Soloの契約が必要です。
Office 365 SoloとはOneDriveを含み、すべてのOfficeアプリケーションのライセンスと60無料のSkype通話などを提供するクラウドサービスです。月間8,500万人以上のアクティブユーザーを持つビジネス向けOffice 365の、一般消費者向けサービスです。
一方、Dropboxで2GB以上のストレージ容量を使用したい場合は月額1,200円のPlusプランを利用するか、月額2,400円のProfessionalプランを利用します。これらはフリープランが持つ基本機能に加えて、ファイルの管理機能を強化したものになります。ProfessionalプランはPlusプランよりもファイル全文検索や共有リンク管理など、ファイルへのアクセス速度や管理機能が向上しています。
では、OneDriveとDropboxのどちらの方が優れているのか?これはユーザーがクラウドストレージを利用する目的によって異なるため、一概には言えな問題です。ただし、仕事でも個人でもOfficeアプリケーションを利用する場合はやはりOneDriveの利用をおすすめします。
Office 365 SoloならDropboxのPlusプランとほぼ同じ料金で同じストレージ容量を使用でき、かつ基本機能に関しても大差ありません。それに加えてOffice 365 Soloでは最大2台にインストール可能なOfficeライセンスが付帯するため、サービスの充実さでいえばやはりOneDriveの方が優位でしょう。利用できるOfficeアプリケーションはすべて最新のもので、常に最新状態にアップデートされています。
すでにOfficeアプリケーションを利用しているユーザーならOffice 365 Soloの機能にご注目ください。
ビジネス向けのOffice 365は?
ここまでご紹介したクラウドストレージの比較はあくまで個人利用を想定したもの。では、ビジネス向けのOffice 365を利用した場合は何が高いメリットなのでしょうか?
ビジネス向けのOffice 365はOneDriveやOfficeライセンスだけでなく、組織が円滑なコミュニケーションを取るためのコラボレーションツールが提供されています。たとえば、SharePoint OnlineやExchange Online、Skype for BusinessやYammerといったツールが多数提供されています。
Dropboxにもビジネス向けのプランは提供されていますが、Office 365のようなコラボレーションツールはありません。ただ、いずれもユーザーを管理するための機能が備わっています。つまり、ファイル共有の機能だけで利用するか、コラボレーションの一部としてファイル共有機能を位置付けるかでその意味が変わってくるのです。
ビジネス向けのクラウドストレージを導入する際もOffice 365についてぜひご注目ください。ビジネスを円滑に遂行し、コラボレーションを支援するフル機能を提供いたします。