しばしば比較されることの多いOffice 365とGoogle Apps。「結局どっちがビジネスに向いてるの?」と気になっている方は多いと思います。そこで今回は両サービスを比較していくのですが、今回比較するのはOffice 365のビジネスメールサービスExchange OnlineとGmailです。
メールといえば社内外を問わずビジネスマンにとって重要なコミュニケーションツールなので、使い勝手が気になる方が多いでしょう。
それぞれのサービスの特徴を紹介しつつ比較していきたいと思います。
Exchange Onlineはこんなサービス
Office365のビジネスメール領域をカバーするExchange Onlineはもともとサーバ製品ですので、使用したことがあるという方は多いでしょう。ビジネスに最適化されたメール環境は業務効率化とコミュニケーションの短縮でコストカットに繋がります。
メールボックスは大容量の50GB
ビジネスマンのメールボックスは常に大量のメールが保管されていて、いっぱいになってしまうのに多くの時間は使いません。このためよく不要なメールを整理するという光景を見かけますがこの作業に費やしている時間が非常にもったいなく感じます。「もっと容量があればいいのに…」と嘆く声も。
そんなビジネスマンにとって朗報なのがExchange Onlineではユーザーごとに50GBのメールボックスを用意していることで。不要になったメールはとりあえずアーカイブに入れておいて、一定期間経過したら一気に削除してしまいましょう。
メールの保持期間をポリシーとして設定
メール整理で悩めるビジネスマンをさらに救うのがポリシーの設定機能です。ユーザー及び管理者はメールの保持期間を自由に設定することができるので“溜まったメールを後で一括削除”という作業すら必要なくなります。
ユーザーも都度メールを削除する必要なく一定期間は保持されるので、万が一のときにコンプライアンス対応に効いてきます。
共有メールボックスも利用できる
例えばinfo@xxx.comといっただれ宛でもないメールに関しては、共有メールボックスを利用すると非常に便利です。アクセス権限のあるユーザーのみが閲覧・作成・返信できるため情報漏洩の心配もありません。
SharePoint Onlineと連携でさらに便利に
SharePoint OnlineはExchange Onlineと共にOffice365で提供されているサービスで、チームサイトによるファイル・情報共有などコミュニケーションを加速させる効果がります。
例えばExchange Onlineで作成した予定表をチームサイトで共有したり、プロジェクトに関連するメールなどもSharePoint Onlineで1つに集約することができるのでコミュニケーションの起点をシンプルに作り上げることができるのです。
他にもセキュリティ性を高めるデータ損失防止・著作権保護機能や、コンプライアンス対応ソリューションなどビジネスとして重要な機能を多く備えています。
Gmailはこんなサービス
個人向けメールサービスとして多くのユーザーに利用されているGmailですが、Google Appsが提供するのはビジネスに最適化されたメールサービスです。
メールボックス容量はGoogleドライブと合わせて30GB
Googleドライブとはいわゆるクラウドサービスでドキュメントなどをオンライン上に保存することができるサービスです。Office 365でいうところのOneDrive for Businessが該当します。
Gmailのメールボックス容量はGoogleドライブと合わせて30GBとちょっと少なめなので、心許ない気がしないでもありません。人によっては大量かつ容量の大きいドキュメントを保管することが多いので、あっという間に容量がいっぱいになってしまうでしょう。
ちなみにOneDrive for Businessは50GBのメールボックス容量とは別に1TBのストレージをユーザーごとに用意しています。
Google Appsでは上位プランにするとメールボックス容量が無制限になるようです。
Google翻訳を活用して海外対応を迅速に
無料翻訳ツールとしてお馴染みのGoogle翻訳ですが、Google AppsではGmail上でも利用できるようになります。受信メール画面でそのまま翻訳してくれるので海外対応の多い企業では重宝するのではないでしょうか。
Exchange OnlineとGmailの違い
基本機能としては大きな差がないので、実際Exchange OnlineとGmailの違いは分かりづらいと思います。しかし細かいところまで見てみると意外に違いが多いことに気づくでしょう。
トランスポートルールというのは、組織に届くメールの条件を確認して特定の処理を行う機能です。例えば「個人情報が記載されているメールが届いたときは管理者の承認を必要とする」と設定すると、ユーザーは上司の承認が下りるまでメールを開くことができません。
このポリシーは柔軟に設定できるので各組織のセキュリティポリシーに合わせることができます。
Exchange OnlineとGmailの細かい違いを確認してみると、Exchange Onlineの方がセキュリティ性が高いということに気が付くと思います。メールシステムは情報漏洩の玄関口でもあるのでセキュリティは非常に重要なポイントですね。
Gmailのメリットを挙げるとプライベートでも利用している方はインターフェースが同じなので使いやすいといった点でしょう。
ただしExchange OnlineではOutlookベースのインターフェースを提供しているので慣れしたんだビジネスマンも多いのではないでしょうか?
まとめ
最後に価格についてですがExchange Onlineを提供しているOffice 365には5つのプランがあります。例えばBusiness EssentialsではExchange Onlineを含めたコミュニケーションサービスを包括的に提供してユーザーあたり月額540円です。
これにWordやExcelといった最新版のOfficeアプリケーションも加えるとBusiness Premiumというプランで月額1,360円になります。
一方Gmailを提供するGoogle Appsでは通常プランがユーザーあたり月額500円。コンプライアンスソリューションを含む機能まで提供しているGoogle Appswith unlimited storage and Vaultになると月額1,200円がかかります。
どちらも上位プランで比較してみるとOffice 365ではOfficeライセンスまで揃えてプラス130円で利用できるので、コストパフォーマンスはかなり高いですね。
導入検討の際はしっかりと細部まで比較してサービスを選択していきましょう。