Office 365は、クラウドでMicrosoft Office製品が使用できる優れたサービスです。どこからでもアクセスできるからこそ徹底した管理が重要で、Microsoftでも万一のデータ消失に備えて、定期的なバックアップを推奨しています。本記事では、Office 365のバックアップの重要性について解説します。
クラウド=安全という大きな誤解
Office 365やSalesforceなどの知名度の高いクラウドを利用していれば、ベンダー(サービス提供元)が万全の体制のもと、データの保守管理を行ってくれると考えている方も多いことでしょう。その優れた可用性のために、自社内サーバーでの運用を変更して、クラウドに移行した企業もあるかもしれません。
クラウドなら、会社のPCに1台ずつインストールするパッケージ版と違って、インターネット環境があればどこからでも接続でき、会社のオフィスにいるときと変わらず業務が行えます。在宅勤務でも外勤・出張などでも問題なく業務を進められるため、コロナ禍でテレワークを導入している企業の多くが、業務システムのクラウド移行を実施ないし検討しているようです。
自社サーバーがダウンすると、復旧までに相当の時間を費やすこともありますが、世界的有名企業が提供するクラウドサービスなら障害に強く、システム全体がダウンすることはまずありません。そのため、入力したデータや保存したファイルは、特にバックアップを取る必要もなく、すべてクラウドのサーバーで安全に保管されていると思われがちです。
しかし、クラウドにすべてを頼り切るのは、それはそれでリスクを伴います。いかにサーバーの堅牢性や可用性に定評のあるサービスでも、100%安全とはいえません。なぜなら、利用者の人的ミスでデータを損失する可能性がないとは言い切れないためです。万一の事態に備えて、別の方法でOffice 365のバックアップを取ることが不可欠といえます。
Office 365バックアップが重要な理由
バックアップは、データが失われて初めてその重要性に気づくものです。たとえば、サイバー攻撃は年々多様かつ巧妙に進化しており、外部からの悪意ある攻撃でデータが書き換えられたり、削除されたりといった被害が後を絶ちません。ランサムウェアやマルウェアといった情報セキュリティの脅威への対策は、大切な顧客データや企業の機密情報を扱う企業にとって、最も重視すべき課題です。
またセキュリティの脅威は、常に外部から襲い来るものだけとは限らず、社員や退職者など内部の関係者からのセキュリティ侵害にも備えることが重要です。意図的ではないにしろ、うっかりフィッシング詐欺に引っかかったり、ウイルス付きのファイルを開いたりする可能性がないとはいえません。
その結果、バックアップデータが書き換えられれば、蓄積した重要データが消滅してしまいます。何種類かの方法で、二重三重にデータを保護すべきなのはいうまでもありません。場合によっては、不正に関与した社内の関係者が、悪意を持って証拠隠滅やバックアップデータを操作することがないとも限らないのです。
さらに、業務で扱う文書の中には、法律で保存期間を定められているものがあります。ペーパーレス時代になり電子データの保存が認められている昨今、企業がコンプライアンスを維持するためには、責任を持ってこうしたデジタル文書を適切に保管・管理することが大切です。うっかりデータを削除しても、バックアップデータのリストア(復元)で難を逃れられます。
ただし、バックアップやリストアは全面的に可能というわけではなく、対象が限定されていることがあります。利用しているクラウドサービスのサポート対象外の場合もあるため、全面的にクラウドを安全と見ずに、自社での対策が必要です。
Microsoftもバックアップを推奨
オンラインのクラウドでも、100%完全に安全が保証されているとはいえません。それは大企業のMicrosoft社でも同じで、Office 365の利用規約でもバックアップに対する注意を呼びかけています。
Microsoft社は、サービスの稼働が中断したり停止したりしないよう運用保守に努めていますが、オンラインである以上、やむを得ず中断や停止する可能性はあります。それにより利用者が被った不利益に対して、同社は一切の責任を負わないことを表明しているのです。万一に備えて定期的なバックアップを取るか、サードパーティ製のアプリやサービスなどを利用した重要データの保存を推奨しています。
つまり、大手有名企業の有料サービスだから安全と思わず、コンプライアンスやコーポレートガバナンス維持のためにも、複数の方法でデータのバックアップを取り、安全を担保することが重要なのです。
「Barracuda Cloud-to-Cloud Backup」
バラクーダネットワークスジャパン株式会社が提供する「Barracuda Cloud-to-Cloud Backup」は、シンプルで使い勝手のよいMicrosoft 365向けのバックアップツールです。Microsoft社の規定バックアップやデータ保護では対応しきれない部分まで、広くカバーできます。もちろん、Microsoft 365向けの製品なので、Office 365はすべて網羅しているため安心して使えます。
Barracuda Cloud-to-Cloud Backupは、インターネット環境さえあればサーバーやストレージを用意する必要もなく、クラウド上ですべてが完結します。わかりやすく使いやすいユーザーインターフェースで、登録から利用開始、設定、バックアップやリストアまで誰でも簡単に使いこなせるでしょう。複雑な設定や操作に悩まず直感的に進められるため、初めての利用でもサインアップからバックアップまで、わずか5分で済ませられます。定期的に繰り返さなければならないバックアップだからこそ、シンプルな操作性がうれしいポイントです。
また、不正な処理や操作ミスによる削除などでバックアップデータのリストアが必要なときは、正常な状態のバックアップデータを簡単に検索し、迅速にリカバリできるのも魅力です。Microsoft 365のAPIとクラウド同士で連携しているため、大量のデータでも高速にバックアップが行えます。
Barracuda Cloud-to-Cloud Backupの主な機能
法人向けのクラウドメールサービスであるExchange Online/SharePoint Online/OneDrive/Microsoft Teamsのバックアップも、容量無制限で利用できます。たとえばExchange Onlineなら、全体のメールボックスから個別のメール、連絡先やカレンダー、メモ、タスクなどのアイテムまで、容量や保存期間に関係なく設定したスケジュールどおりの自動バックアップが可能です。
万一の際は、希望のリカバリポイントに簡単に復元できるため、重要なメールが見当たらなかったり、誤って連絡先を削除したりしても安心です。SharePoint Onlineもサイトコレクションやサブサイト、リスト、ファイル、フォルダなどのバックアップ・リストアに対応しており、同じ場所か別の場所を指定して復元できます。
Microsoft Teamsでもファイルとフォルダ、カレンダーなど、一括や分割のバックアップ・リストアが可能です。バックアップの保存先が複数あれば、サイバー攻撃などでサーバーがダウンしても、もう一方のサーバーを活用できます。今後はペーパーレス化が促進され、従来の紙ベースの書類もデジタルデータ化して保管する必要が出てくると予想されます。それに伴いデータ容量が膨大になっても、容量無制限なら安心して管理できるでしょう。
まとめ
Office 365を業務利用するなら、万一のデータ消失で慌てないよう万全なバックアップが重要です。外部からの悪意ある攻撃だけでなく、人的ミスによるデータ消失の可能性もあるため、「Barracuda Cloud-to-Cloud Backup」などを導入し、重要なデータはしっかりとバックアップを取っておきましょう。