円滑な社内コラボレーションがビジネス目標を達成する鍵を握っていることは、多くの企業で認識されています。しかしながら、新しいツールを導入しても「なかなか定着しない」、「利活用ができていない」など、様々な課題が障壁になって定着化が進んでいない例も少なくありません。
そこで本稿では、コラボレーションツールを利用する上で、よくある代表的な問題や阻害要因を振り返りつつ、Microsoft Teams(以下、Teams)をどのように活用することができるか、活用方法についてご紹介します。
社内コラボレーションを阻害する要因
まずは、社内コラボレーションの浸透を阻む代表的な要因について整理してみたいと思います。
1日のメール対応時間が長い
ビジネスパーソンのメール送信数は平均11.59通、受信数は平均34.30通(「ビジネスメール実態調査2018」による)であり、メール1通を作成するのにかかる時間は平均6分として、1日あたり約69分をメール作成に費やし、受信メールを確認したり、受信ボックスを整理したりする時間も含めると1日約2時間をメール対応に費やしていることになります。
→Teamsのビジネスチャットを活用すれば、メッセージの確認や送信のスピードは数倍加速します。最大の特徴はモバイル対応していることで、メンション機能を使って相手にプッシュ通知をすることができるため、迅速な意思決定を実現します。
ツールが乱立している
社内コラボレーションを複雑にしている要因の一つが、メールやビジネスチャット、Web会議、クラウドストレージなど関連するツールが乱立している点です。特に、部門やプロジェクト毎に用いられるコラボレーションツールが相手ごとに異なり、社内で統制が取れていない場合、新たなツールの導入はより困難なものになります。
→Teamsには社内コラボレーションに必要なツールがすべて統合されています。ビジネスチャット、Web会議、音声会議、ファイル共同編集などOfficeアプリケーションとの連携も含め統合されたツールを使用することで、必要な情報やコミュニケーションが一つに集約されるためコラボレーションが一気に加速します。
部署内グループごとの一体感が不足している
会社という組織には、多様な知識・スキル・意見を持った人材が存在し、その多様性からイノベーションが起きたり、ビジネスの最適化が図れることもあります。一方で、組織として、部署として、グループとして一体感を持つことも非常に重要です。社内コラボレーションが活発ではない企業の多くは、組織としての一体感が不足しています。逆に、社内コラボレーションが活発になれば、仕事内容や目標等を共有することで互いの必要性を認識することができ、
必ずしも同じオフィスで仕事をしていなくても、ツールにより繋がりを保ち連帯感も高まります。
→Teamsは「チーム」と「チャネル」で構成されており、社員は自分が属するチームや役立つ情報が取得できるチャネルに登録することで、部門や組織に限定されることなく柔軟な社内コラボレーションを図ることができるとともに、連帯感の醸成にも役立ちます。
部門・役職を越えた「横・縦のコラボレーション」が無い
社員にとって部門を越えた横のコラボレーション手段が無い状況は、組織全体の推進力を低下させます。また、役職を越えた縦のコラボレーションやスムーズな情報伝達も重要で、メールの一斉配信など、一方的な情報伝達では人はなかなか動いてくれません。
→Teamsでは気軽にコラボレーションを図れるように、誰でも参加できるチャネルを作成することができます。一方的に限られたメンバーだけにしか共有されないメールと違い、Teamsではグループメンバーとして括ることができるため、部門・役職と言った垣根に囚われない、横・縦のコラボレーションを実現することができます。
また、チャットコミュニケーションでは、シンプルな入力や手軽なレスポンス、画像や絵文字の利用など、メールとは大きく異なった軽快なコラボレーションスタイルを実現します。
情報が集約されていない
部門やグループによって業務で必要になる情報は異なります。すべての社員が必要な情報を必要な時に取得できることが理想系ですが、すべての情報を集約することは困難です。そのため様々な情報が飛び交い、必要な情報がどこにあるのか把握できていない状況も珍しくありません。コラボレーションが円滑になれば、情報の交換・共有を通じて必要な情報へのアクセスが容易になるなど、社内のコラボレーションは一気に活性化します。
→Teamsでは社員ごとに必要なツールを個別に統合し、チームやチャネルに登録することができます。そのため、情報が集約され情報交換や情報共有が活発になります。Microsoft 製品との連携もシームレスに行えるため、OneDriveやSharePointなどすでに利用している環境と連携させて利用することもでき、それらの利活用促進にもつながります。
社外からのコミュニケーション手段が確立されていない
特に営業場面等においては、社外で取得した情報を用いてリアルタイムで社内の人間とコミュニケーションを取ることができれば、機動力が上がり営業活動も効率化されます。しかしながら、セキュリティ面の配慮や環境の整備などが必要なため、コラボレーションツールの導入に二の足を踏んでしまうケースが多くあります。
→Microsoftは自社のセキュリティに年間2000憶円を投資するほど、セキュリティの強化に余念がありません。その基盤で動くTeamsのスマートフォンアプリケーションを用いれば、セキュリティ面を気にすることなくTeamsの各機能を利用できます。
営業など社外での活動が多いビジネスパーソンやリモートワーク、在宅勤務など新たなワークスタイルを実践する際にも、社内と同様にコラボレーションに参加できるため、環境に依存することなく、業務を進めることができます。
定着化の鍵はエキスパートの活用
いかがでしょうか。いくつか似たような状況にあることがご理解いただけたのではないでしょうか。
コラボレーションツールは、従来の業務システムとは異なり、利用者の日々の業務を支援する役割を持っています。そのため、日々利用する上で小さな不都合もストレスとなり、それらが積み重なることで、すぐに使われないシステム(ツール)になってしまいます。
また、企業によってはITスキルやリテラシーもまちまちですんなり受け入れられる社員となかなか手出ししない社員とに分かれていきます。そうなると全社をあげた生産性向上は難しく、一部の使いこなす人のためのものとして部分的な効果しか見込めなくなってしまいます。
一方で、コラボレーションツールの提供者側では、多くの企業で使用されることで、機能や操作性は日々進歩しています。そのため、各種機能や仕様についてその目的や使い方を正しく理解しておくことが必要です。また、全社で利用する場合などでは、ある程度共通ルールを制定し、マナーを守って運用していくための事前指導をしておくことも大切になります。これらの工夫により、格段にツールの利用が効率化し企業全体の生産性を高めることができます。
ツールを選定して設定するだけでは成果は上がりません。正しく使用するための環境を整備することが重要で、そのためには専門家(エキスパート)によるコンサルティングを活用することも効果的です。
様々な企業で活用されてる方法やちょっとしたコツなど、社内の状況や多く利用する場面に合わせて適切なアドバイスを受けることで、利用範囲が格段に広がり、社内に浸透しやすい運用管理の体制を作ることで、定着率が上がり利活用の効果も目に見えて変化していきます。
日本マイクロソフトの認定パートナーであるJBCC様では、Microsoft Teamsを専門に扱うOne Teamsを結成し、エキスパートによるワークショップを開催しています。すでにOffice 365ライセンスを利用しているものの、なかなかTeamsの活用にまで手が回っていないお客様は、One Teamsのメンバーを社内招待してワークショップを開催してみてはいかがでしょうか。
JBCC様が提供する「Teamsワークショップ」の詳しい内容はこちらの記事もご覧ください。
「エキスパートが提供するTeamsワークショップ」